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ハットン邸の冒険-バトル-

少女が微笑んだその時、後ろから老人の怒声が聞こえた。


「余計なことを言ったな!」


目や口から血を滴らせつつ、老人男性の霊は憤怒の形相でペテルたちを睨みつけた。

驚くべきは老人男性の輪郭である。

みるみるうちに、あいまいだった輪郭がはっきりとした形になってきているのだ。


「も、もういやだ!!」

ジェラはあまりの恐怖に腰が抜けた。


エマは急いでドアノブに手をかけた。

--しかし、


「開かない!カギもかかってる!!」


エゼは「離れて!」とエマに叫ぶなり、扉に向けて力任せに体当たりをした。

しかし扉はびくともしない。


「まずはお前だ!金髪の小僧!」

老人の霊は口を大きく開け、血を噴き出しながらペテルへ向けて叫んだ。


エマは老人の霊に向かって

「もうやめてよ!私達が何をしたって言うの!?」と涙を流しながら叫ぶが、老人の霊は反応しない。


エゼは慌てて、老人の霊に向かって部屋に放置されていたコップや本などを手当たり次第に投げつけた。

しかしやはり霊は反応しない。


ペテルはゆっくりと、しかし確実に近づいてくる老人の霊相手に、戦うしかないと覚悟を決めた。

しかし、密閉された地下室の中で攻撃魔法を使うことはためらわれた。


母であり女王でもあるフレイヤ直伝の呪文・エクラ(初級爆裂呪文)でさえ、唱えようものなら粉塵爆発を誘発して一同全員黒焦げになることは容易に想像できた。

かと言って、剣や短剣といった武器は城から持ち出していない。


「物理攻撃はだめだ!どうすれば…」


その時、母フレイヤの言葉を思い出した。

「幽霊などのアンデッドモンスターを相手にするときは、心を静かにするの。心を静かにすることでしか、倒せない相手もいるわ」


ペテルは心を穏やかにし、両手の手のひらを老人男性に向けて呪文を唱えた。

「ホーリー・レクイエム」


すると、老人の霊の足元にまばゆいばかりの光が現れ、体を光が覆う。


老人の霊は膝をつき、少しずつ体の輪郭が曖昧になり、姿を消した。

ただ一言、

「ワシも、家族を守りたかっただけなんだ……」との言葉を残して。

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