授業中の秘密の作戦会議
翌日月曜日、王立学院小学校の子どもたちは普段通りに登校していた。
だが、今日は予告無しに正門前に先生たちが見張りをしてピリピリとした雰囲気であった。
少し驚く子どもたち。
もちろん、ペテルやフィオナのSPたちはなぜ正門前で先生たちが立っているのか、状況は知っている。
フィオナはペテルに話しかける。
「何かあったのか知ってる?先生たちの様子が変だわ……」
「ほんとだね。何か事件でもあったのかな?」
ペテルはSPに話しかけるが、我々からは話すことはありません、と煙に巻かれた。
教室に入ると、そこにはため息をしつつ椅子に座っているエマの姿があった。
エマと話をしていたサトがペテルとフィオナの手を引っ張りエマの前につれてくる。
「ちょっと聞いてよ。エマ、誘拐されそうになったんだって!」
「えぇ!?まじ?」
さすがに驚くペテルとフィオナ。
その話にエゼとジェラも首を突っ込む。
「どこで?誰から?」
「ラスク大通り。赤いスーツを着たおじさんだった……」
そうしているうちに、朝の会の時間を告げる鐘の音が聞こえ、サビーナが教室に入って来た。
「はい。皆さん、席に座って」
サビーナは両手をパンパンと叩きながら子どもたちに着席を促す。
「朝の会の前に皆さんに重要な話があります。
誰とは言いませんが、この学校の生徒が誘拐されそうになる事件が発生しました。
良いですか?知らない人から声をかけられても絶対について行かない、無視をする、周りの大人に助けを求める。これを絶対守ってください」
この警告に教室は静まり返った。
「では、朝の会を始めます。出欠を取りますね。まずはアルスラン君………」
ただこのサビーナ先生の言葉を聞いてただ一人、何かを思いついて
ニヤリ
と悪だくみを思いついた子どもがいた。
『4年A組の問題児』こと、エゼだ。
朝の会が終わり、続いて1時間目の国語の授業が始まった。
しかし今のエゼにとっては授業どころではない冒険心が出来ていた。
サビーナに見つからないよう細心の注意をしながら、エゼはノートをビリビリと破り、隣の席の男子に切れ端を放り投げ、ジェラに指を差した。
そうして、まず手紙はジェラに渡った。
思わずガタッ!と席を立ちそうになるジェラ。
「そこ!静かに!」
とサビーナから注意を受けてしまったジェラであっが、それでも手紙に何かを書いて前の席の子に手紙を渡す。
そしてその手紙はペテルのもとにやって来た。
ペテルはノートの切れ端に書かれた文を読み思わずエゼの顔を見た。
エゼはニタニタと笑っている。
ジェラは目が泳いでいる。
その手紙にはこのように書かれていた。
『
エゼ→ゆうかいはんつかまえようぜ!
ジェラ→エマのためなら、行くよ。
』
手紙をじっと読むペテルに隣の席に座っていたサトが手紙を取り上げ、続けて書き込んだ。
『サト→私も行く!それと、王子はもちろん参加ね!フィオナ姫にも声をかけとくわ!』
手紙が戻ってきて思わず(僕、またエゼに巻き込まれるの?)と、頭を抱えるペテルであった。




