サビーナ先生の婚活(後編)
婚活初挑戦のサビーナ先生。
怪しいお見合い相手に振り回されながらも、誠実な軍人・シーザーとの出会いには好感触。
しかしその裏で担当する児童に魔の手が襲いかかる!?
シーザーと出会った翌日日曜日の朝、ラスク結婚相談所にサビーナは顔を出した。
目的は昨日だしたシーザーへの「交際申し込み」の返事についてだ。
扉を開けるやいなや、担当カウンセラーは笑顔でサビーナを出迎えた。
「やりましたね!
シーザーさんもサビーナさんに対して交際申し込みの返事をされました!
これで仮交際のステップになりました!」
次から、数回デートをして結婚するか決めていくことになる。
「デートの行程は男性側の結婚相談所から連絡が入る手はずになっています。
いいですか?喫茶店でお茶をおごられてもそれは当然と思わないでくださいね。
ちゃんとお礼を言うようにしてください。
でも、女性側は決して財布を出さないのがこの業界の暗黙のルールです。
男性によってはプライドに傷がつきますから。
それと当日の服装ですが、27歳という年齢に見合った服装を着てください。
女子大生のような肌を露出しすぎな服装はもちろん、地味すぎる服装もNGです。
サビーナさんは少し服装が地味過ぎます。
ここ、私の姉が経営しているアパレルショップです。
話は通しているので、早く行ってください!
来月には成婚退会できると思いますよ。今が勝負です!」
このように、一方的に話をまくし立てつつ、カウンセラーはアパレルショップへの地図をサビーナに無理やり渡した。
つまり、姉の店で服を買え、と言うことである。
まぁ、そんなに高くない服ならと思い、サビーナはラスク結婚相談所を後にし、トボトボとその店に向かう。
そんな折、目の前に見覚えのある赤いスーツの男が見えた。
ランゲッジだ。
そして、ランゲッジは屈み込み、見覚えのある少女と向き合っている。
そしてサビーナは青ざめた。
その少女はサビーナが担任している4年A組の児童・エマだった。
「お嬢ちゃん!君のお父さんが馬車に轢かれて重体だって!」
「え?え?パパが?」
「さぁ、早く病院に行こう!」
エマは涙を流しつつ、「わ、わかりました!行きます!」と言った。
ランゲッジはエマの手を握り連れて行こうとする。
ヤバい!典型的な児童誘拐だ!
「エマーーーー!逃げなさい!」
サビーナはエマに向かって叫びつつ全速力で駆け寄り、ランゲッジに飛び蹴りを食らわせた。
「私の生徒を誘拐するつもり?今すぐ、消えなさい!」
ザワザワと野次馬たちが集まりはじめる。
エマは突然、自分の担任教師が現れたことでさらに混乱した。
「え?え?先生?どうして?パパは?誘拐って?」
ランゲッジは人だかりが集まり切る前に逃走した。
(危なかった……。)
もう少しで自分の生徒が誘拐される事態を未然に防げて安堵したサビーナはその場で腰を抜かした。
心の奥底でサビーナは
(シーザーさんとのデート、どうなるか……)
と思いつつ、エマの頭を撫でるのであった。




