表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/49

サビーナ先生の婚活(前編)

王立学院小学校4年A組の担任である女教師サビーナはため息をしながら残業していた。

児童たちへの学習・生活指導から保護者への対応や意味があるのか疑問符が付く研修など対応は様々である。

特に4年A組は王子ペテルと隣国の王女フィオナが在籍しているということもあり、校長からのプレッシャーもきつい……気がする。


(……私も今年で28。このまま仕事だけで人生終了する?)


「サビーナ先生、ため息がいつにもまして多いですね。今日飲みにでも行く?」

同僚で一つ年上のナタリーが声をかけてきた。

仕事だけの人生。アパートに帰っても一人暮らしなので待っている家族もいない。

サビーナは「行きましょう」と言って仕事を片付けた。


〜バー「リッチ」〜

甘いカクテルを飲みながら、サビーナは泣いていた。

「ナタリー先生、私の人生は……ヒック……乾燥してるんです。ヒック。女として終わってます〜」

ナタリーは苦笑しながら「飲みすぎ」と声を掛けるもサビーナの注文は止まらない。

「私はこのまま……ひとりで……ヒック……終わるんです」

「それなら婚活してみれば?」

「こんかつぅ〜?」

「だから飲み過ぎ。私は婚約者を見つけたし、サビーナ先生もやってみれば?」


そうして土曜日、サビーナはナタリーから紹介された結婚相談所を訪れた。

―ラスク大通りの片隅にひっそりと構える『ラスク結婚相談所』―

さっそくサビーナはプロフィールカードを渡され、入力していく。


名前:サビーナ

年齢:27

職業:公務員

煙草:時々吸う

飲酒:大好き

好きな食べ物:ステーキ

好きな花:特に無し

好きな動物:特に無し

趣味:特に無し


プロフィールカードが埋まっていくにつれ、「何この人生」とサビーナは憂鬱な気分になる。

担当カウンセラーはこのカードを見て絶句し、勝手に書き換えていく。


名前:サビーナ

年齢:27

職業:公務員

煙草:吸わない

飲酒:嗜む程度

好きな食べ物:パンケーキ

好きな花:ネモフィラ

好きな動物:猫

趣味:カフェ巡り


サビーナは思わず「名前、職業と年齢以外嘘じゃないですか」と言うがカウンセラーは「婚活を甘く見ないでください」とたしなめられた。


そして翌週、さっそく1人目の男性とラスク結婚相談所内でお見合いの流れとなった。


サビーナが扉を開けると、少し小太りで髪は伸び放題の男性がいた。

お互いに挨拶をし、サビーナは男性のプロフィールカードを読む。


名前:トト

年齢:29

職業:清掃夫

煙草:吸わない

飲酒:たまに飲む

好きな食べ物:フィッシュ&チップス

好きな花:ニコ

好きな動物:猫

趣味:ニコちゃん


サビーナはこのカードの内容がよくわからなかった。

ニコという花は?趣味のニコちゃんとは?

思わずサビーナはトトに聞いみたら、トトは素晴らしい笑顔を向けた。

「ニコちゃんは僕が毎週通っている酒場の踊り子です。とても可愛いんですよ。まるで花のようだ……先週も5万ルカは貢ぎましたね」


……サビーナは静かに席を立った。


サビーナはカウンセラーに苦情を言った。

「何ですか!あのプロフィールは?事前チェックしたんですか?」

「その程度の趣味許容できないと結婚できませんよ!で、さっそく、次の方が来ているので、早く面談室に入ってください。」


しぶしぶ面談室に入ると、次は赤い上下のスーツを着たやけにきざったらしい男性がいた。


プロフィールカードを交換する2人。


名前:ランゲッジ

年齢:35

職業:会社経営

煙草:吸わない

飲酒:嗜む程度

好きな食べ物:バジルパスタ

好きな花:モウセンゴケ

好きな動物:犬

趣味:読書


モウセンゴケ?苔の一種?

しかし、カード上ではそれ以外気になる点はない。

服装は怪しいが……。

サビーナ先生の婚活はうまくいくでしょうか!?

ちなみに読者の方でモウセンゴケの花言葉をご存知の方はいますか?

次エピソードに続きます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ