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ミニョバと治癒姫

ペテル一行はミニョバたちが飛んでいった廃寺院に向かった。

ピピピ!ピーピー!

ミニョバたちの鳴き声が響いてくる。

エマはみんなに話しかけた。

「ねぇ、どうしてかしら。どんどんミニョバの鳴き声が多くなってる気がするわ。」

ジェラも賛同する。

「ほんとだね。でも、本来のミニョバはおとなしい魔獣で襲いかかってくるはずじゃないんだ」

ペテルは決意した。

「今日は引こうよ。ちょっと危ないな。呪文を駆使すれば負けることはないと思うけど、みんなを守りきれるか……」

フィオナもペテルに賛同する。

「かすり傷なら初級回復呪文のスフルで治せるけど、大怪我したらスフルじゃ治せないわ」

エゼは不満げに「つまんねーなー」と言いつつ、石をこともあろうことに廃寺院に向けて放り投げた。


その瞬間、ビギャービギャー!ビビビ!と大量のミニョバたちがペテルたちに向かってきた。

エマは瞬間的に「エゼのバカ!今のはあんたが悪いわよ!」と叫ぶ。

ペテルは覚悟を決め、「みんな下がって!」と掛け声をかけるとともに、初級爆裂呪文エクラを詠唱する。

爆裂音が廃寺院周辺にこだまする。

何匹かのミニョバにエクラが直撃し、空から落ちてくる。

ペテルは心が痛んだが、今は仲間を守るためにやむを得ない。


エマとジェラは小学校で習ったばかりの防御力向上呪文を唱える。

たが、まだ習ったばかりの呪文であり、二人がかりでないと呪文が発動しない。


ミニョバ達の攻撃を一身に受けるペテルの防御力を引き上げる。

呪文が使えないエゼは石をミニョバ達に投げつけるが、ミニョバは軽々と空中で避ける。


フィオナはミニョバから攻撃を受け、傷ついていくペテルにスフルの詠唱を連発する。


そのうち、攻撃を仕掛けてくるミニョバの数は減っていき、ついに襲いかかるミニョバはいなくなった。

ただし、逃げることもなく空中でペテル達を監視する。


すると、甲高い『ピーピー!ピピピ!』という鳴き声とともに周りのミニョバよりも明らかに体が2倍ほどもあるミニョバが現れた。

エゼは指を指し「あれがボスの『ミニョリオン』だ!絶対!」と叫ぶ。


ミニョリオンはまっすぐペテルに向け鋭い爪をむき出しにし、急降下してきた。


「危なっ!」


ペテルはなんとか身をかわし、エクラを唱える。

だが、ミニョリオンはエクラをかわしてみせる。

「ウソ!かわすの!?」

ジェラは思わず叫んだ。

今までのミニョバたちはエクラをかわせなかった。

だが、ボス個体のミニョリオンはエクラをかわしてみせたのだ。

ペテルはエマとジェラに話しかける。

「まだ学校で習ってないけど、『ラロンティス』使える?相手の行動を遅くするやつ!」

ジェラは大声で叫ぶ。

「先週家庭教師から習いました!まだ一人じゃ魔法発動できないけど。」

そんなエマに「私は予習しているから詠唱方法はわかるわ。2人でかけましょう」とジェラの手を握る。

エマにいきなり手を握られて、ジェラは「ドキッ」と心臓が高鳴ったが、握られた手をミニョリオンに向けてラロンティスを詠唱した。


ラロンティスはミニョリオンの動きを遅くし、ピーーと鳴き声も遅くなりながらペテルに噛みつこうと牙を剥く。

そんなミニョリオンにペテルは冷静にエクラをぶつけた。

落下していくミニョリオン。

そのミニョリオンを見て回りのミニョバ達はあわてて逃げていった。


ペテルたちは何とかミニョバたちの撃退に成功した。


フィオナは「ミニョバたちを治療しないと!」とといい、倒れているミニョバたちをかき集めていく。

幸いにも、全匹生きていた。

だが、エクラを食らったことにより、やけどを負ってしまっている。

フィオナは一匹ずつスフラーレ(中級回復魔法)をかけていく。

一匹、また一匹とミニョバたちは逃げて行った仲間の群れをおって空に羽ばたいていった。

そしてフィオナは最後にミニョリオンにむけてスフラーレをかける。

呪文を使いすぎ、フィオナはめまいがした。

ペテルは「大丈夫?」と心配したが、フィオナは「大丈夫よ。」と気丈に返事をした。

そうしてミニョリオンの傷がいえると、ミニョリオンは一瞬、仲間の群れが飛んで行った方角を見て翼を広げたが、何を考えたのか翼を閉じフィオナの肩に乗った。


ピー…ピー…


甘えるような声で顔をフィオナにこすりつけてくる。


エマはミニョリオンを見て、「なんだか、甘えているみたい」というと、ジェラも「そうだね」と賛同した。


一同は帰るために裏山を歩いて下るが、ミニョリオンはフィオナの肩から離れようとしない。

何度か肩から離し、空に帰るように促したが、すぐにミニョリオンはフィオナの肩に戻ってくる。


ペテルは「フィオナのことが好きなんだね」というと、「ペテルも私のこと好きでしょ?」と、はにかんで見せた。

こうして、ミニョバによって農作物が食い荒らされる被害はなくなった。


-翌朝-

ピー!ピー!ピピピ!

ここはライム王国領事館のフィオナの一室。

毎朝、フィオナはこの「ピー」というミニョリオンの鳴き声で起きる。

そう、ミニョリオンはフィオナのペットとなった。

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