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王女姉妹

ソラは私立ハイレンヒ学園女子中等部へ3日ぶりに登校した。

ジュリアとベリンダはソラの姿を見るなり、駆け寄って、抱きしめて、泣いた。

ベリンダは「バカ!心配したんだから!このまはま会えなくなるんじゃないかって!」とソラに向けて心の内を言い放った。

ソラも泣きながら、ごめんね、と謝った。


昼休み、いつものように3人は生徒立ち入り厳禁の屋上にて、購買で買ったパンを頬張りながら近況を話した。


まずソラから近況を話した。

「私、今まで叔母さんの家でお世話になってたんだけど、シード市の児童保護課の人たちから、もうおばさんの家から離れなさいって言われちゃってさ、寮住まいになっちゃった。魔導報も取り上げられたわ」

ジュリアは訝しげな顔をして

「あんた、まだあの変態大学生ルカーのことを彼氏と思ってないでしょうね?」と聞くと

「もうあんなヤツ知らないよ、ジュリちゃん」と答えた。

ベリンダは嘆息した。

「安心した〜!まだ、ルカーのことを好きだとか言っちゃったらさ、私達どうしようか悩んでたんだよね。ねぇ?ジュリアお姫様?」

ジュリアは「お姫様は余計だって」と言いつつ、「あの事件の翌日、ルカーのオヤジの侯爵が王宮まで来て、母上と私に謝罪したよ。

あのバカ長男は勘当です。今日から侯爵家とは何ら関係がありません。だからごめんね、だってさ。謝罪する相手はウチ(王家)じゃなくてソラだろーって思ったけどさ」


ベリンダは、「ま、今度の相手は無難に同じ中2の男子とかにしときなよ。今度、近所の男子校の男子を紹介してあげるよ?」と言うと、ソラは笑顔で「今は彼氏とか当分要らないかな」と返した。


ジュリアはその言葉を聞くと、「よし!今日こそこの前行き損なったパンケーキ屋に行くぞ!」と拳を天に上げた。

それを見たソラとベリンダも拳を上げ、「おー!」と叫んだ。


*既出だが、校則違反である。


そして翌日土曜日、ついにジュリアの妹フィオナがグランドバレー王国王立学院小学校への留学に旅立つ日がやってきた。

シード港のライム王家専用の船の前で、フィオナは母カタリーナと姉ジュリアにしばしの別れの挨拶を行った。

フィオナはジュリアに「実は、お姉様の恋愛漫画『八人の彼氏たち』もう全巻読んじゃったの。代わりに『転校生は王子様の愛が欲しい』21巻全部借りていくわね。まさに許嫁ペテルのもとに留学する私の心境にピッタリ!許してね。」と平然と言ってのけた。


ジュリアは頭を抱えた。

「あんたねぇ、漫画持ってくのは良いけど、影響されすぎたらだめよ?勝手にクラス委員のエマって娘にライバル心燃やすのもだめ!」

「分かってるわ!だって私はペテルの『せいさい』の余裕があるもの!」

カタリーナは「本当分かってないわね……」と頭を抱えた。


こうして、フィオナを乗せた船はグランドバレーに向けて出航した。

ジュリアは「物心ついたときから、隣国の王子の許嫁とか、フィオナも相当大変な運命を背負っているのね。相手が同い年というだけマシだけど。」とカタリーナに向けてつぶやく。


「そうね。ジュリアは将来ライムの女王となって、フィオナは将来グランドバレーの王妃になる。

これは私たち大人が勝手に決めた運命だけど、それでも自分を見失わないように、成長してほしいわ。本当に勝手な願いなんだけど、ね。」

ジュリアはカタリーナの顔を見ずに「本当に大人は勝手よ」と呟くのであった。

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