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不幸な子どもの育て方  作者: とりとん
小学校の育て方
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ルールは絶対に守らせろ

小学生になると社会や集団の決め事という意味でのルールに直面することになる。例えば時間割というのも何時から何時までなんの授業を受けるか、というルールであるし、授業中に騒いではいけないということもルールだ。これらのルールを守ることは将来の社会生活を送るうえで重要な要素ではあるので、基本的には小学生にルールを守ることが要求される。このとき、親の立場として”ルールは絶対に守らなければいけないこと”と教えるのだ。ルールはどうして守らないといけないのかを教えるのではなく、ルールを守ることが目的だと教えるのだ。つまり小学生になったんだからルールは守らないとダメよ、と口を酸っぱくして何度も教えるのだ。

そしてルールを破ったときはどうして破ってしまったのか、そういうルールがあることを知っていたかどうかと傾聴するのではなく、真っ先に「ルールは守りなさいと教えたはずだ」と責めればいい。ルールに固執させることで”自分の考えをルールに転嫁する癖”と、”ルールに固執することで孤立しやすくなる癖”を身に着けさせることができる。

”自分の考えをルールに転嫁する癖”とは、何か善悪の判断に迷ったときに自分の価値観に照らし合わせることができずに、ルールにどう書いてあるかが価値観の基準になることだ。小中学校は社会人に比べて行動の自由が制限されているために、価値観をルールに転嫁してもやっていけるが、行動の自由度が極端に広い社会人になるとルールに書いていないことだらけの判断を求められるようになる。ここで自己の価値観がはっきりしていると、自分なりの判断が下せる。ところが自己の価値観がはっきりしていないと、判断することができないので先送りにしたり回避するようになる。つまり”やっていいか悪いか分からないからやらない”という結果を繰り返すようになる(そもそもルールや法律は社会機能を円滑に維持するために制定されているものであり、そこに善悪の基準は書かれていない。刑務所に収容されるのは悪い人ではなく社会機能を乱した人だ)。自分の考えで判断を下せないままでいると、いろいろなことに対して自信が持てないので著しい自己肯定感の喪失も促すことができるだろう。

”ルールに固執することで孤立しやすくなる癖”は、なんとなく想像できるだろう。ルール一辺倒になってしまって、人付き合いを避けるようになることだ。例えば、とても気が合う仲のいい同級生の友達がいたとして、その子が学校の掃除をさぼって遊ぶような子だということが分かった。学校のルールを守らない人は悪い人なので、その友達とはもう遊ばないようにした、というようなことだ。まず大前提として社会にはいろいろな人がいるのであって、すべてのルールを完璧に守って生きている人などいない。これは程度の問題であり、どこかで割り切らずに01思考で人付き合いをしていると誰とも人間関係を構築できないというのは自明である。二極化思考というのは不幸への入り口だ。柔軟性の欠如以外にも、自他ともにルールに準拠することを求めがちになるので行動を制限するきっかけにもなりやすくなる。何かの行動を起こそうと思い立っても”この行動をするとルール違反になるかもしれない”という思考をするようになる。実態は幼少期に感情をぶつけられたことによる自己肯定感の低さや不安感が原因ではあるが、その事実に自己理解で到達することは相当に難しいこと(とりわけ小学生には)であるために”よくわからない情動に理由を後づけしているだけ”だ(情動の本質を考えようとせず理由の後づけをする癖は不幸になるうえで重要だ。なぜなら本質が一切変化しないので一生理由を後づけし続けるからだ)。

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