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不幸な子どもの育て方  作者: とりとん
はじめに
1/6

不幸な子どもの育て方

この随筆は反面教師だ。参考になる内容はあるかもしれないが、決してマネしてはいけない。


ここでいう不幸な子どもとは、生活苦で犯罪に手を出してしまうような状況子どものことではない。面倒を見てくれる親がいて、小中学校の義務教育に参加できて、高校大学と高等教育にも参加できて、そのまま社会人になれるような子どものことだ。これだけでは何不自由ない幸福な子どもの順調な育ち方に見えるだろう。ただし、もう1点を追加したい。


将来、社会人になって生きづらさを感じて、挙句の果てには自ら命を絶ってしまうような性格に育つような育て方をされる子どものことだ。


常に自己否定的で、生きることも不安で、新しいことに何も手を出すことができず現状維持しかできない。そんな未来の社会生活を引き寄せてしまうような、そんな子どものことを不幸な子どもとしている。


ここでいう育て方とは、暴力的な育て方で子どもを不良に仕上げることではない。育て方は合法的で常識的だ。中には社会的にも何ら問題のないような育て方が含まれる。当たり前のことを当たり前のように言っているだけの育て方かもしれない。だからこそ将来不幸な大人になるだろうとは誰も想像していないだろう。教えられている子どもも当然気付くわけはないし、教えている親も気付いていない。まさかそういう影響があったとは夢にも思わない。しかし日本の自殺者2万1千人は、もしかしたら大多数が似たような育て方をされているのかもしれない。そういう表面化しづらいけれど不幸な未来へつながるような育て方を紹介したい。


重要なのは大人になったときに無価値観、孤独、不安を揃えることだ。これらが揃うと、ほぼ間違いなく幸せな大人にはなれない。毎日を実体のない何かに恐怖しながら、誰にも相談できず、現状維持しかできない大人ができあがる。どんどんと追い詰められていき、その先に待っている結末は想像に難くないだろう。


願わくは、子どもを育てるときにここに書いているような悪手に手を出していないか気付くきっかけになってほしい。自分の子どもがここに書いているような性格に育っているかどうか再確認してほしい。物わかりのよすぎる子ども、行動力が極端に少ない子ども、何かにおびえて過ごしている子ども、新しいことに踏み出さない子ども・・・。そういう方向に進んでいないか振り返ってほしい。


また、ここに紹介されているような育て方を受けた心当たりがある大人は、もしかすると今まさに辛い思いや生きづらさを大いに感じているかもしれない。だからといって「こういう無自覚な育て方をしてきた親に問題が悪い」とは思わないでほしい(そもそも私は善悪の議論をしたいわけではない)。そういう育て方を受けてきたと自覚できたのならば、過去を否定するのではなく、過去を悪者にするのではなく、過去を認識したうえで次の一歩を踏み出してほしい。常に世の中は良くなっている。あらゆる分野のあらゆる専門家が常に進歩している。あなたの生きづらさを解消する手段も日々進歩していることだろう。

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