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身バレ チソラの危機!?

「わぁ〜!チソラ先輩ってかっこいいですね〜!アイドルみたい!」

 そう僕にしつこくつきまとうのは大学の後輩、藤本花恋ふじもとかれん

アイドルになって、脚本を担当させてもらうにあたって少し勉強して置きたくて少し前に入った大学。活動もしながらだけど意外と辛くない。

そこで出会ったのが彼女、花恋だ。

「ねぇねぇ、チソラ先輩ってば〜!彼女はいるんですか?」

「いるよ。同い年ですっごい可愛い彼女がね。」

 僕がそう言うと花恋が少し黙る。そして一息ついてから

「そうなんですか。でも、アイドル、、、じゃないんですか?」

 と言った。

別に、アイドルが恋愛しちゃだめって決まりはないと思うけどな、、。

玲奈と付き合ってかれこれ5年。いつまでも秘密の彼女から進展はなく、でも僕を励ましてくれる。

彼女っていうよりは、友達に近いかもしれない。でも、玲奈は"僕の彼女"というのを喜んでいるし、それでもいいのだと思う。でも、最近はファンに対しても玲奈と同じ感情を持ってしまう。「好き」だし、「励ましてくれる」し、「大切な存在」であるから。

「アイドル、、?誰がそんなこと言ったの?」

 と僕が花恋に聞くと

「だって、似てますよね?ユメミライのちぃくんの声とチソラ先輩の声。笑い声とかも似てるし、、、。やっぱり、ちぃくんじゃないんですか?私、大ファンなんですよ?ちぃくんのリスナーでオタクなんです。」

 と言った。

声とかで感づかれたのか、、、。ファンとかってこんなにしつこいのかな、、、。

「花恋、、、。ネットでのアカウント名は?」

「RENKAです。アナグラムしただけのつまらないアカウント名ですけど、、それがなにかあるんですか?」

 RENKAには心当たりがある、、、けど、言ったらバレるし、身バレって怖いし、、、どうしたらいいんだろ、、、?

とにかく、、メンバーに相談、、、いや、ここはミクに相談しよう。


なんとか花恋と離れて家に帰る。

急いでメッセージを開き、ミクに相談する。

『身バレしそうなんだけどどうしよう?つきまとってくる人がいて、しつこいし、僕のファンだって言うし、、、。』

 とメッセージするとすぐに返事が返ってきた。

『大丈夫?大学って通信制とかないっけ?チソラはそっちのほうが楽なんじゃ、、?』

 ミクの判断はいつも的確。でもそれだけじゃ不安なので玲奈にもメッセージを送る。

『身バレしそう、、、。どうしたらいいと思う?大学の、僕のファンの子なんだけど、、、。』

 同じ内容のメッセージ。するとこっちもすぐに返事が返って来る。

『えぇ!大丈夫?身バレって怖いよね!!チソラくんは絶対ユメミライのことを知らないフリするんだよ?あとはその子に全然違う人って言ったりとか。あと、配信では絶対その子のこと取り上げて話さないようにね!バレるから。とにかく絶対にバレないように気をつけてね。』

 ざっくりだけど必死に考えたのが伝わる文面に可愛いと思ってしまう。

「、、、どう、しよう。」

 僕は、パタリと倒れたベッドに吸収されるように眠りに落ちた。


「チソラせんぱーい!おっはようございます!」

 今日も通常運転の花恋。

「あのさぁ、花恋。」

「はいっ!なんでしょう?」

「ずっとつきまとってくるの、やめてくれないかな?僕がアイドルっていうのもやめてくれない?その、、ちぃくん?とかと僕は関係ないし、、、。」

「あっ、、、、ごめんなさい。つい、推しに似てたので、、。リスナーって推しといるとすっごい安心するんですよ。不安なときも緊張したときだって推しを思い出すだけで勇気が出る。元気が出る。ずっと明るくなれるんです。私はちぃくんのことが好きだけど、、チソラ先輩は迷惑でしたよね?すいませんでした。でも、よかったら聞いてみてください、ちぃくんの歌。かっこよくて、でも可愛くて〜、、、。あ、じゃあこのへんで!失礼します!」

 こんなに素直な子なんだ。

花恋の話を聞いての率直な感想。

話してもわかんない子だと思ってたからびっくりしてしまった。

「偏見、か。」

 僕はまた一つ学んだ。

そして。

ファンにこんなに大切に思われていることをすごく嬉しく思った。

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