あっと
親子教室が必要かと思ったら、凄く手厚い。その上、赤ちゃんの意思が分かる魔道具や人がいるのですって。無料や保障が盛沢山でした。素晴らしいです。考えうる限りの制度や補助がわんさかです。そうした説明を聞きつつ、勉強しました。文字とか、この世界のこととか、魔力とか魔道具とか。特に魔道具に重点を置きましたよ。
魔道具は分業制と、一から十まで全部を作る方法とがあるみたいです。特に魔力の型も関係ないそうです。
そして、私はどうやら放出型で魔力を使うことはできるのではないかという推測がたちました。やったー!しかし魔力自体は貯めておけないので、通常の方法では魔法を使えないことも分かりました。
それでも、魔法を使えるなんて朗報ですが、が、が、が、その魔法ですが、周囲に魔力が漂っている場所で、そよ風を起こせるかもしれないとのことです。ろ、朗報?しかも、そういう場所はかなり珍しいそうです。朗報ではないですよね。魔法を使えない駄目押しにしか聞こえません。
あーあ。気を取り直して魔道具を作れないかと考えてみましたが、理論とか回路的なものとか燃料がという、一年未満でどうこうできるものではなかったです。既存の魔道具を改造にしようにも、どういった物を改造すれば目的のものに近づくのかさっぱりです。そして、最初に戻る。どのような現象を魔力でおこしたいのか。最終的には元気な子供が産まれてほしい。そのためには何をどうするか。生物学的に細胞からなのかな?こちらでも細胞とか遺伝子とか染色体で考えていいの?そこからですよ。どうしましょう。結論。賢い方にお願いしましょう。
それはさておき、夫婦仲も順調で、あっという間に十月十日で「おぎゃー」でした。元気な女の子ですよ。
「どうも、お世話になりました」
「こちらこそ、スウ。本当にありがとう」
「ああ。また遊びに来てくれ」
「機会があれば」
これからお祝い行列ができそうなくらいのお祭り騒ぎになるそうなので、その前にお暇することになりました。父が迎えに来てくれて、家に帰ります。
「ケリー!!元気だったかい?大きくなって」
父はちょくちょく顔を見せに来てくれていたので、それほどではないと思うのですが。毎回、熱烈です。逆に白々しいほどに。本当に、見ているのかな。まあ、いいですが。
「帰りましょう」
「マリウもリックもリリウも帰ってくるのを楽しみに待っているよ」
「私も久しぶりに会えるのは嬉しいです。」
「スウ、本当にありがとう」
色々なありがとうが、入っていたのでしょう。私は頷き一つで返しました。
ラックが迎えに来たので、早々に下がった二人だったが魔力が使えるようになるまで恩人を見送っていた。
「行ってしまったね」
「ああ。あっさりしたものだったから、淋しいな」
「そうだね。でも、それがスウを守っているんだろうな」
「そうかもしれない。私は自分の鍛え上げられた肉体があるから、そう不安には陥らなかったが」
「キイトはそうだろう。魔法を使えないことで自分が保てなくなるというのはないだろうね」
「ソタンだってそうだろう?」
「ああ。でも、日常でどれだけ魔法を使っていると自覚なしに、行動の補助をしていたのかと気がつけたよ」
「悪いことをしているという訳では無いだろう?使えるのだ。別に使たって誰に咎められる訳ではないのだが、今までの生活を送れないというのは、自分の体調の変化もあわさり、より一層自分が変わってしまうと強く感じられるのも分かる」
「それを受け入れづらいと感じるのも仕方がないか」
「そうだな。でも、それによって大事な宝が得られたのだ。私はそう忌避するものではないのでは、と思うよ」
「多くの人がそう思うようになることを祈っているよ」
久しぶりに会った家族には、どうしても距離がありました。リックとリリウにとってみれば初めましてです。仕方がありません。でも、魔法って凄いらしいです。リックは内包型で、なんともう大人顔負けに話しているそうで、リリウは放出型ですが、内包型にも見えるような体の動きを補助してリックと鬼ごっこができていると聞きました。
はい。見られませんので。見ようとすれば、魔力を使わない通常の状態になってしまうのです。でも、成長は早いですね。感心。感心しつつも、ふと皆で魔法が使えるって騙していないかなと。そんなことをしても、誰も何も得はしないのできっと聞く限りのとおりなのでしょう。魔道具はありますしね。
実感できないものを信じることは難しいと、また一つ成長した私でした。




