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夢から覚めました


「お母さん」

「なあに? スウ」

「弟と妹は元気ですか」

「ええ。スウも顔を見る?」

「はい」


 私、スウ、三歳以上です。

 今日は、子供部屋というか赤ちゃん部屋に来ています。なんと、私に多分一歳違いの弟と、おそらく二歳違いの妹が産まれていたのです。

 えっへん。

 私が威張ることではないですが、とてもとっても可愛いです。だから、多分三歳以上にはなっていると思うんです。弟と妹は双子ではないようなので。大きさが一回り違います。だから、一歳差くらいかなと。


「よし。よし」


 弟と、妹は平等に撫でますよ。可愛い。可愛い。

 あ、そうだ。


「お母さん。私はお姉ちゃんですか?」

「ええ。そうよ。何だかあっという間に、一番上のお姉さんね」


 おお、我が家は私が一番上の三人きょうだいのようですね。年齢なんて、就学するまでさして問題はないので、後回しで。学校はあるんですよね。まあ、おいおいでいいでしょう。

 それよりも差し迫った問題が。


「ごめんなさいね。あなたをこんなに小さな頃から旅立たせるようなことになって」


 そうなんです。私、どうやら旅に出るみたいです。両親は平均的なご家庭よりも裕福なんだと思います。家も大きいですしね。

 おおっと。母が泣きそうになってしまっていますよ。


「大丈夫です。色々見るのが楽しみです」

「スウ。あなたはそう言ってくれるだけでありがたいわ」

「ああ。本当にすまない。スウを独占していられなくなってしまって・・・」


 おや。父よ、いつのまに。一応、幼いなりに説明をしてくれたんですが、いまいち分らないというか、全てを話せないのか、難しいと思って話してくれていないのか。悪いことを隠しているという感じではなくて、利益を独占してしまっているのがどうにもという感じらしいんですよ。

 ちなみに、利益が私?実感はないんですけどねー。まあ、いいか。この世界に産まれてまだ数年ですからね。両親も善良な人で可愛がってくれているのは分かるので、とりあえず旅に出てみますか。


「勿論、私が送り届けるが、ずっと一緒にはいられないんだ」

「お仕事?」

「ああ!!スウなんて賢いんだ。そうなんだ。本当に申し訳ない」


 父がすまなそうに頭を下げています。仕方がないですよ。働かないと、食べていけないですからね。

 なでなで。


「スウ!」


 父!

 苦しい。感激しすぎです。

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