魔道具を
今、魔力を吸うという魔道具を研究員全員で見つめています。ライ様、リート君、私だけですが。先日、オウディードさんに、寝落ちしたことを謝っていると、無事ミカシシイさんの妊娠が分かりました。大喜びで、その日はお祝い一色になったので、何も進んでいなかったのです。
「私が付けても何も起こりませんか?」
「多分な」
ライ様が答えて下さっている間も、リート君はずっと魔道具を見続けています。何か、見えているのでしょうか。徐に顔を上げました。
「魔力を吸うために、吸った魔力を使っているという機能は使えると思う」
「吸う魔力を固定化と一定量にすることはできますか?」
「それも、できると思う」
「では、何が問題だ?」
そこですね。ライ様の疑問は、皆の疑問です。
「魔力をどこまで吸うかですね」
「ああ。そうだな」
「魔力を吸われ過ぎるとどうなるのですか?」
「生命が危ぶまれる」
「はい。でも、魔力をどこまで吸えば、妊娠や出産に影響しないか分らないのです。一番、怖いのは魔力の吸う量が適正ではないことで、最初は良かったが、後に危険ということが起こりうるということです」
「確かに。では、私は魔力を吸っていないのでしょうか?」
「そう、ですね。魔力を吸うと言うよりは、納めているのでしょうか。どうにかしている訳ではないようです」
一年長く学んだリート君は魔道具の回路も学んだようで、見ただけでどういう機能か大体分かるようになったそうです。特に魔力を貯めたり、吸ったり、放出したりといった、一番元となる部分を学んでくれたようです。
それに、学校の帰りには研究所によって、私の観察をしていました。私の特性の魔力の流れを見ていたようです。
仮の結論。私には魔力がない。分かっていたことですが、がっかりです。まあ、それは置いておいて、そのため私の魔力を使って、何かをしている訳ではないようなのですが、魔力は抑えられている。ここが一番仮説となっている部分ですが、当人の魔力を使って魔力を収めているらしいとのことです。もしかしたら周りにある魔力かもしれないとも、言っていました。
でも、不思議ですね。魔力がないけど、魔力を使うことはできるようなのです。勿論、皆さんのように魔力を貯めてもおけません。
リート君の眼力に頼りきりでした。初対面が肝心で、私は勝手に人様の魔力で体内に箱や袋を作って、魔力を収めているようです。いや、そんなこと無意識でできるのかとも思ったのですが、魔法ですからと流された。魔法を使う手を持っていると表現するらしいです。だから、魔道具が使えるのですね。本当に、そこには感謝です。
そこで、魔道具は魔力を吸うのではなく、自分の魔力を箱や袋から少しも漏らさないという形をとることにしました。体内にも漏らさないようにするのが、最重要でした。
これが分かったのはオウディーノさんとミカシシイさんのお陰でした。お二人は魔力を抑えなくても妊娠出産できるお二人なので、特性範囲内からリート君と出たり入ったりして、考えてくれました。勿論、私は参加できません。副所長なのにー。他のことで頑張ります。




