特色と型と
温泉から上がった後に、景観も考慮した、涼めるような場所を、幾つか作ってあるのですが、その一つでオウディードさんの講義です。
「まずは、北からか。北はスウが知っているように、内包型の変化が多いな。これは北の気候風土が厳しかったことに由来すると言われてる。俺たちのいる西は海があることもあって、商売が盛んだな。型は海の方へ行くほど魚系の内包型が、海から離れるほど放出型が増えるな。まあ、北と一緒で自然環境に適応しやすいのが内包型なんだろうな」
「へー」
感心しつつ、海では魚系の方が多いとのことで納得します。さらっと言われましたが、シウキアードさんはもしかして、魚系の方だったのでしょうかね。陸で見掛けるのがまれだと、声を掛けられていましたし。分っていて口にしたのか、ただ自然と出ただけなのか、心地よい調子でオウディードさんの説明が続きます。
「東は穀倉地で、牧畜も盛んだ。放出型が多いな。中央もそうだ、放出型が多い。南は・・・。スウ?寝たのか?」
いえ。聞いていますよ。オウディードさん。大丈夫。ああ、なんだかゆらゆら揺れる。
朝、でした。寝ちゃった。オウディードさんの説明の途中だったような。さあ、謝りに行きましょう。
「スウ様、おはようございます。昨日は、ライ様がご馳走さまです!」
「先輩」
はい。ケリーの指導案件です。でも、ご馳走さまって何?何か寝ながら料理を作った?そんな、まさか。料理したことないのに。そうだ、ないなー。
朝御飯を心なしか頬が赤いライ様と食べると、今日のお互いの予定を確認します。
「今日は、朝一番にオウディードさんへ謝罪に行き、お許しを頂ければ、そのまま昨日の続きを聞いて、午後は北の魔法研究所でリート君を迎える準備を始めようと思っています」
「あ、オウディード、さんは余り気にしていないようだったから、昨日の話の続きは聞けるだろう」
「そうですか?ライ様が私を回収して下さったのですか。ありがとうございます」
「ん、いや。いい。魔法研究所ではとうとう魔道具か?」
「はい。無理を言って魔力を吸う魔道具を譲って頂きましたから、そこから何とかしようと思っています」
「ああ。ソタンとキイトに言うくらいは何ともない。だが、体調には気をつけてくれ」
「ありがとうございます」
魔力を吸う魔道具ですが、厳重な封印で手元に届いたのです。ライ様がソタンさんとキイトさんに掛け合って、譲って頂きました。オウディードさんとミカシシイさんの次は、私たちの二人目だという予告状と共に、無料で。
さあ、魔力を吸う力を弱めるか、まったく違う形を研究するか、また実験をどうするかですね。早い。もう、学校を卒業して一年がたちますよ。リート君は更に勉強していましたが、今年、卒業して北の魔法研究所に来てくれるとのことです。魔道具の研究が捗ります。
ヒユマ君とスンマーモさんは家業を継いで、頑張っているそうです。イサ先輩は北の医療研究所に勤めていました。「北の」と付くからには、そうです。関連施設です。いつの間に、というか気が付いたら、できていました。押しかけ施設?開業したら、くっついちゃったという感じです。まあ、先輩が良いならいいのですが、魔法研究所でも同意をもらって、使える資料を開示してもらったりしていますし、こちらも医療に役立てる魔法研究、今はほとんど美容系ですが、それでもイサ先輩も助かっていると言って下さったので、お言葉に甘えています。




