はじめまして
知らないのもまずいだろうということで、渋るケリーを説得したトマスラルさんが、簡単に言い放ちました。フロロウクさんも仕事に戻ったようです。
「北にいる者は姿形が人ではないものがほとんどです」
わー。トマスラルさん、ケリーを説得できたんだ!見直した。こちらの方に驚きましたよ。
「そうなのですね」
「え?それだけでいいんですか?もっと、こう」
「私が見て、実感できる機会はあるでしょうか?」
そこなのですよ。トマスラルさん。話に聞いて、そうなのねとしか言えないのですよ。
「あー。それは・・・なさそうですね」
「そうなると、どう反応していいのか・・・」
登校してくる子、してくる子、皆、不思議そうに、初めて目にする光景のように、周りを見回しています。名前を確認しあって、また目を丸くして。
四人で窓からその光景を見守っています。ライオネル様が思わずという感じで口を開きます。ケリーは淡々と答えて、トマスラルさんはまた溢しています。
「これが、北以外での光景か」
「はい」
「凄いですねー。皆、驚いていますし、今日は遅刻者が多そうですね」
「どうしてですか?」
「皆、自分が能力を発揮できるのを当たり前だと考えているからですよ」
「そんなに、ぎりぎりの人が多いのですか・・・」
「嘆かわしいことですが、力に自信がある者ほどその傾向が強いんです」
まず、全校生徒を集めて、説明とご挨拶だそうです。ライオネル様が。
「私の婚約者がこの学校で学ぶ。非常に珍しく、皆、実感していると思うが、強い特性を持っている。また、北に益をもたらしてくれる者だ。大事にするように」
短く、簡潔な挨拶で素晴らしいですが、大丈夫でしょうか。こんなに強い感じで。おや。北は力のある者が強く、受け入れられやすいというのは誇張ではないようです。大変だ。私自身に力は無いですからね。特性が強いだけで、それを純粋な力とは言えないと思うのです。ここは婚約者の威を借りますよ。
でも、利益ってなんでしょう?私の特性の扱い方は子宝成就ですから、新婚旅行でそのまま滞在できる宿泊施設的なものが考えられるでしょうか。その宿泊施設に色々な方向性を持たせることができれば・・・。後は本当に特性を道具化できればいいですよね。
「スウ様。ご挨拶を」
え?私も?
「スウと申します。よろしくお願いいたします」
他に言えることは無しですよ。子供たちにとっては力が発揮できなくて面白くない部分もありますし、子宝はまだ先ですしね。徐々に仲良くなれれば、無理せず行きます。歩み寄れなかったらまた、違う場を探しましょう。




