北を知ろう
ひえーと思ったら、寝ていました。
「スウ様。朝でございます」
「・・・あれ?朝?もう?え?」
珍しく、ケリーに起こされました?
「昨日は移動中にお眠りになられて、そのまま朝でございます」
「そんなに、寝てたんだ」
「体調はいかがですか?」
「うん。大丈夫。疲れているつもりは無かったんだけどな」
「お腹の空き具合はいかがですか?」
ぐーと。私の代わりにお腹が答えてくれた。いやー。びっくりしたなー。そんなに寝ちゃっているとは。いつも通りに起きて、初めましてと、車に乗っただけなのに。安心というかやっと落ち着けると思ったからか、張り詰めていた気が緩んだかな。さあ、これからこの北の地で居場所を作っていきますか。
「スウ様、おはようございます。よく、眠れましたか?」
「はい。晩餐も失礼してしまって、すみません」
「いえ。ゆっくりお休みになられたのでしたら、良かったです。ライ様が運ばれたので、居心地の悪さに途中で目を覚まされるかとはらはらしました」
トマスラルさんです。今日も朝から軽い感じです。しかも、また色々ばらしていますけど、いいんでしょうか。
「トラ!」
「あ。ライ様、スウ様のお出迎えに。ささっ」
強引に、話題を逸らされ、お手てを繋いで引率状態です。
「な、っおい!」
ライオネル様の動揺のみを置き去りにして、朝ご飯を食べましょう。
「旨いか?」
「はい。美味しいです。」
「屋敷を取り仕切る者を紹介したい。フロロウクだ」
「ご紹介に与かりました、フロロウクでございます。こちらのお屋敷に関する内外を調整しております。お気付きの点やご要望等がございましたら、是非にお声をお聞かせ下さい」
「スウと申します。ご存知とは思いますが、ケリーと共に参りました。よろしくお願いします」
「ご丁寧にありがとうございます。それでは、今日はご挨拶のみで失礼させて頂きます」
「今日は、屋敷の案内をしよう。荷解きをしたら午後にトラに案内させる」
「勿論、ライ様も一緒ですので、ご心配なく。では、午後に」
「私も、仕事をする」
トマスラルさんはまた軽く、一言おまけに付けて部屋を辞し、それを聞くなりライオネル様は極まり悪げに、すっくと立つと足早に退室していった。
「ケリーは食事を頂いたの?」
「はい」
「これからは、ライオネル様と二人で食事になるの?」
「ええ。そのようです。ご要望があれば承ります」
「ないよ。大丈夫。持ってきた荷物を、仕舞う場所を決めていこう」
「・・・はい」
「もう、終わっている?」
恐る恐る訊ねると、予想通りだった。そうだよね。ケリーにかかれば、数時間もあれば余裕だよね。そう、衣装持ちではないし。午後まで何しよう。ケリーに話を聞こうかな。




