東へ
滞在、一日にして東へ出発です。もう、説明も全て車の中ですよ。
晩餐はまた一回り大きくなった弟と妹と家族、五人とケリーで頂きました。部屋に引き揚げた後、ケリーに思わず確認しました。
「ケリーに支障はない?」
「スウ様のご準備に関しては特に支障はございません。スウ様のお気持ちは乱れておりませんでしょうか」
「私は大丈夫なのだけれど、ごめんなさい今までケリーのご家族や友人関係まで気が回らなくって・・・」
「私は北より出て、雇って頂いておりますので、こちらでの交友関係や家族の心配はございません」
「そうだったの。それなら、いいのだけれど、でも、お友達というか同僚もできないなんて大丈夫なの?」
「仕事が違えばそのようなことはままありますので。明日も早いですので、今日はもうお休み下さい」
「ええ。ケリーもしっかり休んでね」
「はい。ありがとうございます」
ケリーは私と一緒で特に気にしていないようです。良かった。
東では大地主の農家さんにお世話になるそうです。側には酪農が盛んな場所もあるようで、今回は食糧事情に詳しくなれそうです。
「ラックさん、ようこそいらっしゃいました。申し訳ございません、夫のシュタは帰りが遅れておりまして、ミリャと申します」
「いえいえ。少々、早く着きすぎたようで。道が綺麗に整備されておりましたので、順調で」
「それは良かったです。夫ですが、このように遅くなりますといつ頃戻るかは・・・」
「構いません。娘のスウと、」
「保護者代理のケリーと申します」
可愛らしい容姿のミリャさんに三人揃って頭を下げる。ケリーが養育係から保護者代理になっています。前々から、直接養ってもらっていないので、表現的には気になっていたのです。間接的には養ってもらっているの言葉の意味としてはいいのでしょうかね。
さて、今回ですが子宝成就のお守りの役割をシュタさんしか知らないために、こんなことになっています。
「この度は、農業、酪農に関する研修ということでお伺いしておりますが、こんなに早くから?」
「はい。中央の早期教育研修制度の活用ということで、お邪魔させて頂くことになりました。両親以外が付き添うことになっております」
大丈夫かなー?何でこんなことになっているのかというと、ミリャさんがかなり神経質になっているそうで、自然な感じでいこうとなったからだそうです。そのため、一月で様子を見て引き揚げる形になっています。
宿泊しても不自然じゃないということで、毎日通うにはちょっと遠いかなり東まで来ています。
食事も別になっています。まあ、必ずしも交流しなければいけないということもないので、それを含めて実験です。どのくらい距離をおいても特性が発揮されるかが分かるといいなと思っています。でも、心理的な距離は、かなり離れていても大丈夫そうな気がしています。逆に、親しくなると料理長のように調整が効くような気がします。そうじゃなければ一律かな。
「遅くなってしまって申し訳ない。今日から、一月よろしくお願いします」
「こちらこそ」
シュタさんがご挨拶に来てくれました。あっさりです。まだ、半信半疑なのでしょう。




