表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/57


 馬車の用意が出来たので、私はリオンの屋敷へと向かう事にした。少し時間はかかるが、決して遠い訳ではない。一応令嬢だから、何かあってはいけないとお父様が配慮し、馬車を使う事になったのだ。


 私とお付きの人で行くのも考えたのだが、何せ歩きは時間がかかる。足も疲れるし、綺麗なドレスを着ているのに、汚れたりしたら大変。これが街に出かけるだけだったのなら、歩きを選択するけど、今日は違うから仕方ない。


 お付きの人は誰になるのだろうと思っているとなんとメイドのルビーだった。彼女の仕事はお付きじゃないのに、今回はどうしても私に付き添いたいと申し出たらしい。社交界や伯爵達と関わる事がない彼女からしたら、未知の世界なのだろう。


 「ルビーが付いてくるのね」

 「はい。「お嬢様」のような立派なドレスは持っていませんが、私なりに身なりを整えてみました」


 いつも黒がベースで白フリルのメイド服を着ている所しか見た事がなかったから、別人のように見える。私のドレスの色に合わせて「ブルー」のスーツを着ている姿はしっくりしている。


 「似合っているわ」

 「ありがとうございます。色を合わせてみました」

 「でもどうして男性のようなスーツを着ているの?」


 私は彼女の姿を見て、ズボンではなくスカートを選べばよかったのに、と指摘した。するとルビーは主役は「お嬢様」ですから、ときっぱりと言い切り、背筋を伸ばして、私をエスコートする。


 その姿はどんな男性よりも頼もしくて、力強く感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ