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 「クベルト伯爵のご子息なのね」

 「はい、そうですよ。奇抜な髪色の方ですね、社交界では有名です」

 「……知らなかった」

 「「お嬢様」は興味を持たないと話を流す癖がありますからね。以前わたくしがお伝えしたのですが、覚えていないでしょう?」

 

 どうせ、と心の声が聞こえてきた気がした。私は言い返す言葉が見つからず、話を逸らそうとする。


 「そういえば以前から思っていたのだけど、その「お嬢様」ってやめてもらえないかしら?」

 「……何故です?」

 「私、今年で30よ?」

 「それが、何か?」


 キョトンと首を傾げるルビーを見ていると、この年齢でお嬢様はないでしょう、と言ってやりたくなる。それに私とルビーの付き合いは長い。お父様の目がある訳でもないし、もう少しフランクに関わりたいのが本音だもの。


 「では「シャデリーゼ様」がよろしいのですか?」

 「それも嫌ね」

 「では何とお呼びになればよろしいのですか?」

 「呼び捨てでいいわ。私とルビーの仲じゃない」

 「それは難しいですね。私と「お嬢様」は立場が違いますから」


 ガクッと肩を落としながら、ジトーとした目でルビーを見つめる。しかしルビーは表情を崩す事なく「メイド」として仕事を全うしようとしている。


 「はぁ……もういいわよ」

 「そうですか「お嬢様」」

 

 今まで提案をする事を躊躇っていたのに、勇気を出して伝えると簡単に玉砕された。元々真面目だから、仕方ないのかもしれない。

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