戦闘
ジンさん達がゴブ共目掛け剣を振るう。
一匹目のゴブラインの胴体が、ジンさんの横凪の剣で真っ二つに斬られる。
さすがジンさん!
後衛のリーノさんの魔法でゴブの足を止めて、前衛メチルさんが仕留める。
洗練されたパーティーとは、こういう感じなのだろう。
もう十匹くらいは斬り伏せただろうか。
だが、ジリジリと劣勢になっていく。
ゴブが多過ぎるんだ。
「くっ、数が多いっ」
メチルさんが声を漏らした。
俺だけ見てるわけにはいかないよな。
よし、力及ばずながら参戦しよう。
とりあえず何か投げるものは? あの石でいいか。
当たれっ!
よしっ! ゴブの頭に当たった!
「石っ?」
ゴブの頭に当たった石に、メチルさんが俺のほうを見て言った。
「こっちだ、カスゴブ!」
その後、何匹かのゴブラインに石を投げつけて、俺の方に注意を引く。
「アレス?」
ジンさんが俺に顔を向けて、声をかけてくる。
「何匹か引き離しますので、その間に残ったゴブの処理をっ!」
そう言ってゴブ共を引き連れて駆け出すと、低脳なゴブ共は俺を追いかけてきた。
「助かるっ!」
ジンさんがそう言ってくれた。
役に立てるなら良かった。
俺はゴブに追いつかれず、だが離れすぎてゴブ共がジンさん達の方に行かないような、ギリギリのスピードで、木々の間を走る。
「アレスッ! こっちは処理できた!」
と、ジンさんの声が聞こえた。
よし!
「はいっ! 引き連れて戻りますので、準備をっ!」
と叫ぶと、
「任せろっ!」
と返ってきたので、ゴブ共を誘導してジンさん達の方に向かう。
待ち構えていたジンさん達が見えた。
「お願いします!」
「任せろ!」
俺が引き連れていた8匹のゴブラインが、瞬く間に斬られていく。
やっぱり凄い。
「ふう。なんとかなったな。しかし多過ぎだろコレ」
足元に転がるゴブラインの死体を見渡しながら、ジンさんが言う。
「アレス、助かったぜ。お前が居なきゃ全部を一度に相手にしなきゃならなかった。確実に怪我人が出たぜ」
メチルさんに褒められた。
「私はスピードしか能が無いので、いつも何匹か引き剥がす役目だったんですよ。私の腕ではゴブすら斬れないので」
ゴブラインの皮膚は結構頑丈で、ある程度力がないと斬り裂けないんだよなぁ。
「それでも助かったのには違いないぜ? この数はヤバイわ」
数えると50匹もいた。
引き剥がせたのは8匹だけだったし、本当に役にたてたのかな?
「群れがいくつか統合したんでしょうか?」
「だろうな。何匹か大型個体がいたから、あのまま放置していたらキングに変わっていたかもな」
大型個体の優劣が確定すると、群れの中のキングが決まり、より凶悪化して強くなるのがゴブラインだ。
キングに変化していたなら、五人では倒せないだろうから、その前に倒せて良かった。




