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第30話:慟哭する者



私が、殺した…… ──半熟震術師? リース


僕は君とは違うんだ 君は平気な顔して悪魔を殺せるけど僕は違う ──【銃の王】シャルツ・ディバイト・アークエッジ


だったら俺も殺せよ ──BLADE





 『垣間見る地獄の業火』は散開型の術式だ。


 本来『神へ還す火』すら上回る圧倒的な火力を持ちながらあまりにも強力過ぎてその力を一ヵ所に留めることが出来ずに爆散してしまう。それが空を覆うまでに広がる巨大な炎。


 ──ゼクゥ・フィアレスの炎はそうだった。


 リースのそれは、一端爆散した炎に屈折の力を加え燃焼のベクトルを再び一ヶ所へと集約。

 術者が対象とした一点は一瞬で酸素を呑み込まれ、その場で燻り、追加された術式により外部からの酸素の供給を受けて大規模な爆発を引き起こした。




 リースは不意に辺りを見回した。


 爆発の煽りを受けてほとんど跡形もなく吹き飛んだ墓地。

 墓場特有の据えた臭いは焼け焦げた炭化の匂いに取って代わっている。


「いない……」


 シファ・バルバローネは悪魔ではない。契約者と呼ばれる悪魔を呼び出しただけの、ただの人間に過ぎない。

 そしていかに強力な震術師でも人間がこのレベルの火炎に耐えられるはずがない。


「私が、殺した……」


 自分の産み出した圧倒的な炎の奔流を見つめて、リースは嘔吐した。


 人間を、殺した。


 戦っている最中は、相手が人間だという認識はほとんどないと言ってよかった。

 それは多分それだけ人間離れした力の行使をシファ・バルバローネが行ったからだ。



 だけど、こうして打ち倒してからは、相手が人間だったという実感が強烈にリースを苛む。


「かはっ……、けほっ……」


 涙も何もかも吐き出してリースは口元を拭った。


「行かないと……レグナ達のところに……」


 リースは立ち上がろうとして、地面が揺らぐのを感じた。


「何……、?!」


 刹那遅れて黒い閃光が駆け抜けた。





     ◇




 僕はもう一度【銃の王】になる覚悟をした。

 それは敵を全て殺す覚悟。

 自らの両手を血に汚す覚悟。


 血に染まった両手を『リトル』で見れば『シャルツ』はもう『リトル』に戻れなくなる。


 だから情けはかけられない。それはリトルだから、


 僕は引き金を引いた。

 ──その手を誰かが掴んだ。



「やめろ、シャルツ」


「……、どうして?」


 レグナが、引き金を引かせぬようにシャルツの手を掴んでいた。


「君と僕は違うんだよ 君は平気な顔して悪魔を殺せるけど僕は違う


 敵は全て殺す……!


 そう決めないと……、1つでも例外を作れば僕はもう誰も殺せなくなる」


「こいつは殺しちゃダメだ……」


 レグナのそれは穏やかだが、強い口調だった。


「なんでそんなこと言うんだよ…… 僕に戦えって言っておいて……


 戦ってるんだ 悪魔を殺してるんだ

 それのどこが悪いんだよ……!」


 銃口は危うく震える。


「シャルツ……聴け


 こいつは元々結界を張って人間を守ってたんだ


 お前と何が違うんだ?」


「こいつは悪魔だ」


「半分でしかない」


「それでも…… ベリアルに、悪魔に関わったモノは全て殺すんだよ」


「だったら俺も殺せよ」


「え……」


 シャルツの手からカイン&アベルが滑り落ちた。


「どういう……、意味………?」


 ゴゴ……


「「?!」」


 地鳴り……?!、いや……これは……


「シャルツ!」


「う、うん」


 二人は咄嗟に手を取った。

 刹那遅れて黒い閃光が城の中心部から空を貫いた。


 ごぎゅ


 何かが捻れて潰れる鈍い音、それから二人は地面を揺らぐのを感じた。


(そうか、たしかエヴァンスが地下神殿があるとか……それがあの黒い閃光で崩れだしたのか!?)


「ダメだ、崩れるよ……!」



 ゴォォォンッ!!!




「っ……、レグナ 無事っ?!」


「ああ むしろあれだけの崩落でなんで俺達は無傷で……」


「無事……、サ?」


 弱々しいその声はレグナ達の直ぐ近くの、岩盤の下から聴こえた。


「シーク、何処だっ!?」


 レグナは素手で岩盤を払い除ける。尖った岩が皮膚を突くがレグナはそれを顧みない。


「止すサ…… 俺っちはもう無理サ……」


「ふざけるなっ…… 死んで終わらせようとするなよ、【半神(デミゴッド)!!】」


「放っときなよ、レグナ どーせ

「なんであれだけの崩落で俺達が無傷だったと思う?! シークが風で俺達を守ったんだよ!」


「え……?」


「クソっ…… 持ち上がらねぇ……!」


 いや、自力で這い出せる力がシークには残っていない。元より単に持ち上げただけでは足りないのだ。


「……下がって レグナ」


 カイン&アベルが真っ直ぐに岩盤を向く。


「無傷で済む保証はないよ?」


「頼む」


 引き金を引いた。45mmの圧縮震力弾が岩盤を粉々に散らせる。

 歩み寄ったシャルツは屈んでシークに手を添えた。


 ──これは情けをかけるんじゃない……

 自分はまだシャルツのままだ。


「……借りは返すよ 僕の治癒震術はそんなに強力じゃないけど一先ずは持つはずだ」






「さァて、とォ 最後はやっぱ勇者一行と最強魔王の大決戦…… だよなァ? BLADE!!!」


「「!!」」



 咆哮のようなグラナの声で、伏魔殿は戦場へと還る。





 あと1〜2話でストックが切れます


 ラストバトル、力入れたいけどモチベが低い

 学校行ってるときのが書けるってどういうことだ……?



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