表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/38

第22話:One Moment Flare

わからぬか? 我の能力は“操作(オペレイト)

そしてその対象は生物以外 ──【EMETHの魔術師】


“一緒”にしないでくれるゥ? ──“契約者”シファ・バルバローネ


焔の王は高らかに歌う その躯を、その魂を、その骸でさえも滅ぼすために ──半熟震術師? リース



「子供、と侮ってはいかんだろう 我の力を最大限に扱える場所に移させて貰った」


 リースが薄暗い周囲を見渡すと地面から生えた無数の十字架の群れがあった。


(墓地──?)


 誰の──、

 何のための──、


 最も大きな十字架に視線を向けてリースはそれを理解した。



 『“暴君”ベリアル ここに眠る』


「!!」


「おそらくは悪魔の墓だろう 事情を知る人間によって立てられたのだろうな」


「ここが、あなたの力を生かせる場所って……」


「わからぬか? 我の能力は“操作(オペレイト)

そしてその対象は生物以外──、」


「っ……、まさか……?」


「そう──、死体は生物ではない」


 墓が不自然に盛り上がった。

 片手が這い出す。

 何かを探し出すように這い回り、軈て地面を掴んだ。


 その腕が、自身の身体を引き摺り上げる。

 空間に魔力が満ちて行く。


 戦慄がリースの背筋を貫く。


(ダメだ……あんなのに出て来られたら、勝ち目どころか……っ!!)


 リースは弾かれたようにエメトの方へと駆け出した。


(ほむら)の王は高らかに詠う──」


 距離10mと少し。手持ちの術式の中で最大の物を詠唱しながら、リースは疾走する。


 ──腕はついにその身体を引き上げた。首無しの骸を、同時に顕になったもう片方の腕に己の首を掴んで。


(間に合わない──!!)


 濁った眼球がリースを捉える。それは、竦むような、だけど死者特有の虚ろな瞳。そして、その瞳が──


 ぐるり、と気絶するように眼孔内を回ってベリアルの骸ごと崩れ落ちた。


「ジャミング……?!」


 驚愕するエメトの胸から、


 ぐシュ


「?!」


 誰かの腕が、突き出された。

 その掌には彼の心臓があり、グチャリと嫌な音を立てて握り潰される。


 リースは思わず詠唱途中だった震術を途中で止めた。


「ご苦労様ァ でもォ」


 崩れ落ちるFourthの背後に、


「あんたじゃ役不足よォ エメトォ」


 返り血にまみれたシファ・バルバローネの狂気の笑みがあった。





 《神へ還す火》


 塵になった。それは比喩でもなんでもなく青い炎に焼かれたエメトは灰すら残さずに、リースの目の前で消えた。



「あなたは……、誰?」


「そうねェ あなたたちがシファ・バルバローネって呼ぶ存在よォ」


「人間、なの?」


「あ?」


「あたしは悪魔が嫌い、憎い あたしの故郷──記憶喪失のあたしにはそう呼びたかった場所を滅ぼしたから


 だけどあなたが人間なら、あたしはあなたに“力”を向けたくない」


「……んフッ」


 シファ・バルバローネは小さく吹き出した。


「アハッ アハハハハッ くっだらないわねェ!!!」


 そうして嘲笑をあげたあとに不意にリースに向き直った。


「“一緒”にしないでくれるゥ?」


 無機質な光を讃える大きな瞳が微細な苛立ちを宿してギョロリと動く。シファ・バルバローネは始めて愉悦以外の表情を見せた。


 反射的に、リースは身構えていた。もしレグナが、シャルツが、スティアが。この瞬間にこの場に入れば同じ動作をとっただろう。


 シファの言葉にはそれほどまでに明確な、殺気があった。




「さァて 仕上げにかかりましょうかァ」


 全てはこの瞬間のためにあったかのように、

 シファ・バルバローネは狂喜に表情を染め直す。





 《神へ還す火》


 手のひらの先に小さな青いが生まれ、注ぎ込まれる震力と酸素を呑み込んで一気に膨張する。


  解放。


 膨大な熱量を持った炎塊が解き放たれ、リースに向かう。


「増幅に使ってるのは燐の術式……術名のクリメイションの意味は魔術語で『火葬』 ってことは炎が青くなるほどの高温は温度からじゃなくむしろ色の要素から悲しみの意を持たせて逆に色から温度の方を引き出して……(ぶつぶつ)」


 リースはそれを見ていなかった。ぶつぶつと呟く片手間のような動作で手を振り上げた。


 《火龍の咆哮》


 打ち出されたのは悪魔を一撃で消し飛ばす威力を持つ火炎の砲撃──、しかしあっさりと《神へ還す火》に呑み込まれる。


 火力が違い過ぎる。


「“自壊を指示”」


 圧倒的な威力の差にも関わらず、リースがそう呟いた瞬間に青い炎はその場で爆散した。


(屈折術式の応用──《火龍の咆哮》の内部に光属性の術式を詰め込んで《神へ還す火》を内部からベクトル操作したのねェ……!)


 破られてなおシファ・バルバローネは笑う。

 あの方法は《神へ還す火》が高威力の一撃を生み出す物だから通用した──なら、複数型の術式は?


「祖は無慈悲なる光の矢」


「1、3、5、連結(コネクト)

 2、4、6、連結」


 《雷神の弓矢》


 空中に無数の雷撃の矢が浮かび、超速度で放たれる。


 《六柱障壁》


 対してリースは無属性の障壁術を起動する。



 障壁と雷撃が激突し統制を失なった電気の閃光がほとばしり視界を覆い尽くした。


(ヘキサ程度にあたしの攻撃術が防がれた、ねェ……表面に屈折術式を張りつけて緩衝剤にしたのかしらァ? ガードに関してはかなりのレベルねェ)


 なら、次は──


「考え事? 余裕ね」


 ──その声は真横から聞こえた。


「!」


 リースが短剣を滑らせる。障壁を作ると同時に、その防御力を信じて駆け出していたのだ。


 スティアの“屈折”にナタクの“防壁”の組み合わせが負けるはずがないと信じて。



 ガッ と鈍い音がしてリースの腕に間一髪で反応したシファの手刀が叩き込まれる。その勢いで短剣が投げ出され何処かの地面に突き刺さった。


(しまっ……)


 遅い、と『リース』は思う。微笑む余裕すらある。


「至近距離からじゃないとこんなの当たらないでしょう?」


 《紫雷の瀑牢!!》


 いくつかの短剣が共鳴し雷撃の牢獄を形成する。



(まだまだねェ)


 雷の牢に囚われながらシファ・バルバローネは思う。


 この程度の雷撃ならば唇はまだ動く。詠唱が可能ならば術師という職種はまだ戦えるのだ。


 ──…だが、


 タイムラグ。激痛に遮られてシファは不完全な詠唱を、ゆっくりと唱えることしか出来ない。対して、


「焔の王は高らかに歌う その躯を、その魂を、その骸でさえも滅ぼすために」



《垣間見る地獄の業火(One Moment Flare・イフリート)》


 リースの詠唱は速すぎた。








 名前の由来3


 シファ・バルバローネ


 出でよ暗黒の娘、バルバローネ!

 ……わかる人にはわかる

 シファの方はなんとなく着いた


 EMETH(エメト)


 ゴーレムを作れる能力が先についてそれから着いた名前

 EMETHにはヘブライ語だがなんだかで“真理”って意味があるらしい

 ほぼGS美神とマンキンの知識(殴


 ラーシャル


 一番近いのはダイの大冒険のラーハルトなのかな?

 なんかパッと浮かんで深く考えずに着けた

 あとになってなんとなく“トライデント”って家名が浮かんで“雷の槌”のリーダーにでもすればよかったなぁと思いました


 ラーシャル・トライデント、なんか響きが気に入ってる



 ゼクゥ・フィアレス


 多分ガンダムのバクゥって機体だと思う

 携帯の辞典機能によるとフィアレス(fearless)は“恐れない”らしい



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ