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 夏休み前最後の日。僕たちは手に汗を握っていた。


(……大丈夫だよな?)


 昨日までは安心しきっていたのだが、いざ当日になるとまた不安になってくる。


(総合20位以内だもんな……この学校200人以上いるし……)


 改めて考えると非常に困難なことに思えてくる。いつも100位前後をうろうろとしている僕には厳しすぎる目標だったかもしれない。


(いやいや、何を弱気になってるんだ……できることはやってきただろ?)


 僕は自分を奮い立たせる。


「じゃあ、テストを返していくぞ」


 木野先生がそう言う。テストはまとめて封筒に入れられている。僕は自分のテストが返ってくる順番を待った。


(もう次か……)


 僕は木野先生の前に立つ。木野先生が口を開いた。


「月野……」


 なんだろうか? 木野先生が難しそうな顔をしている。


(……もしかして、悪かったんじゃ)


 木野先生の雰囲気に僕は不安になる。木野先生は続けた。


「月野……頑張ったみたいだな」


 その一言で僕の不安は和らいだ。僕は少しほっとして先生から封筒を受け取った。しかし、まだ安心は出来ない。20位以内に入れていなければダメなのだから。


 僕は自分の席に戻り、封筒を開いた。1番上に得点表が入っていた。僕はもう一度心を落ち着ける。そして、得点表に目を落とした。


 国語は……15位。


(よし!非常に良い滑り出しだ。)


 数学……16位!


(っ!めちゃくちゃ嬉しい。苦手な数学でこの順位が取れるとは!)


 その後も順調だった。英語、21位。化学、25位。物理、22位。地理、13位……


(次が本当の勝負だな)


 僕は、気を引き締める。全体的に良い結果だが、総合が20位以内かは微妙なラインだ。


 心臓が早鐘を打つ。手が震える。しかし、いつまでも見ない訳にはいかない。僕は覚悟を決めて今まで見ないようにしてきた総合の欄を見た。


 総合……………16位。


(っ!よしっ!!)


 僕は思わずガッツポーズを作ってしまう。ここまでの達成感は味わったことがなかった。しばらく僕は余韻に浸ってぼーっとしてしまう。


(っ!そうだ!優は……?)


 僕は思い出してすぐに優の方を見た。

 すると、僕が見ているのに気づいた優は親指を突き出してニカッと笑った。



 ◆◆◆


 テスト返却後僕は優と少しだけ話をした。


「よし。これからが本当の勝負だ」

「うん」

「お互いベストを尽くそうぜ」


 優は真剣な顔をする。


「もちろん」

「良い報告をしよう」


 そう言って優が差し出してきた手を僕はぎゅっと握り返した。

本日2話目は13時くらいになると思います!ブクマしてお待ちを!!

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