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優に誕生日プレゼントも無事渡し終え、僕はいつも通りひかりと帰っていた。
「いや、優もうリーナに惚れてたよな?」
僕は先ほどの優を思い出してひかりにそう話しかける。
「うん。そうだよね〜。もうリーナちゃんにベタ惚れって感じだった」
「はぁ。あの優が、もうすぐ付き合い始めるかもしれないのか……」
「うーん……でもそれはどうなんだろう? 水野君って恋愛に関しては奥手そうな感じがするし……」
「あ、なんとなくわかるかも」
確かに優は女子自体にあまり慣れていない感じがする。まあ、それは僕もなんだけど……
「……まあ、優くんはリーナちゃんの好意には気づいただろうから、かげくんよりは、ね」
「ん? 僕がどうかした?」
「……何でもない」
ひかりは何故か少し呆れたような顔をして僕を見た。なんだか、残念な人を見るような顔だ。
「何でもないことはなさそうだけど……」
僕は、ひかりの顔を覗き込む。
「ち、近い……」
ひかりが一瞬で顔をそらす。確かに近すぎたかもしれない。最近少し仲良くなってきたと思ってきていたので距離感が少し近くなってしまったようだ。ひかりが赤くなって恥ずかしがっているのがわかる。僕は、前を向きなおした。
それからしばらく沈黙が続いた。そして、その沈黙を破ったのはひかりだった。
「……そういえば、かげくんの誕生日っていつなの?」
「え?」
「えっと、ね? 水野君の誕生日はわかったんだけど、よく考えたらかげくんの誕生日聞いてないなと思って……」
そう言って、ひかりは僕の顔を覗き込んでくる。先ほど僕がやったことに対する仕返しのつもりかもしれない。実際ドキドキしてしまっているのでひかりの思惑は成功と言えるだろう。
「……6月21日」
「……え? それって今週の日曜日じゃ……?」
「……そうなる」
「……なんで言ってくれなかったの?」
僕を覗き込むひかりの顔が少し怒ったような残念そうな顔になる。
「……いや……優の誕生日プレゼントを買うって決めてからそれを言ったら、プレゼントたかってるみたいでいやだな、と」
「……」
「……」
「……はあ。まあ、かげくんらしいと言えばそこまでだね……」
ひかりはそう言って前を向き直った。
「もう……ちゃんとお祝いしたかったのに……時間がないなあ」
「……いろいろとごめん」
ひかりはそのあと、黙り込んで何かを考えているようだった。なんにせよ、ひかりは僕の誕生日を祝ってくれる気満々のようだ。それは、僕としては非常にうれしかった。
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