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諸事情で少し早めの投稿になります
「優、ちょっといいかな?」
6月15日の放課後。僕は、部活に行こうとしている優を呼び止めた。
「ん。なんだ?」
「優、今日誕生日だよね?」
「ああ、そうだが……まさか祝ってくれるのか?」
優が不思議そうな顔でこっちを見てくる。
「そのまさかなんけど……なんでそんな顔でこっちを見るんだ?」
「いや、かげが誕生日祝ってくれたことなんてなかったからつい、な」
言われてみれば確かにそうだ。小さいころから一緒に過ごしてきたせいか逆に誕生日だからといってお互い特に祝ったりはしてこなかった。
「……まあ、気分が変わったからかな……」
そして、僕は紙袋を差し出す。
「……お誕生日おめでとう」
「お、おう」
面と向かって言うのは少し恥ずかしい。
「あ、私からも」
「え、日野さんもくれるのか?」
「もちろん。仲良くしてくれてありがとね」
「……いや、ありがとう」
優はひかりが差し出したプレゼントを申し訳なさそうに受け取る。
そこにリーナも紙袋を渡す。
「優くん……ワタシからも。……どうぞ」
「……あ、ありがとな」
僕たちから受け取った時と違って、優は少し顔を紅潮させて言った。リーナも顔が赤い。
「……開けていいか?」
「もちろん。優が気に入ってくれるといいけど……」
優の好みは長い付き合いの僕でも把握できていない部分が多いから不安だ。
優が三つの紙袋ごそごそと開けていく。まずは、僕があげたやつからだ。
「お、シャーペンか……俺はそこまで勉強しないけど……ありがとな」
「いや、勉強をさせるために買ったってのもある」
「……かげはいつの間に俺の保護者になったんだ?」
優が呆れたような顔でこっちを見てくる。まぁ、予想通りといえば予想通りの反応だ。
次に優はひかりのあげた袋を開ける。
「ハンカチ、だな。俺はいつも持ってくんの忘れるけど、これからはこれを使うようにするよ。ありがとな」
「うんうん、どういたしまして。それよりも、早くメインディッシュを見て!」
「メインディッシュってリーナのやつか?」
「うん!」
リーナの紙袋はなんていうか薄っぺらい。ハンカチよりも薄っぺらいのだから相当だ。ちなみに、僕もリーナにアドバイスは少ししたが、結局、僕の思いもつかなかったものを購入した。だが、優も気に入らんじゃないだろうか、と思う。
「気に入ってもらえるといいんだけど……」
リーナは少し不安そうだ。
優が紙袋から薄い紙のケースを取り出す。
「……チケット、か」
「はい。少し先のことになるんですが……」
「プール、か……」
「気に入らなかったんでしょうか?」
リーナがさらに不安そうになる。しかし、すぐに嬉しそうな顔に変わった。優が、その顔が嬉しそうに崩れたからだ。
「……ありがとうな。めちゃくちゃ嬉しいよ」
「いえ、ロシアにいた時はプールにあまり入ることもなかったので、あまり泳ぎは得意ではないのですが……日本の夏といえばプールなのでしょう?」
そこでリーナは一度言葉を切って優を見つめる。頰が赤い。
「それに……優くんと二人でならプールで楽しい思い出が作れそうなので」
優はそう言って笑ったリーナの顔を見つめたまましばらく動かなかった。
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