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 ある意味地獄の日曜の次の日の放課後、僕はひかりと一緒にに学校から帰っていた。今日から6月に入り、ほんのりと雨のにおいが漂い始めている。


「かげくんは体育祭、何に出ることになったんだっけ?」


 ひかりがそう聞いてくる。


 この学校では体育祭は6月の上旬に行われる。今年は来週の火曜日だ。


「僕は、100m走と玉入れかな」

「100m走って足速い人が出るんだよね? 流石かげくん」

「いや、ひかりも速いじゃん……ひかりは100m走だけじゃなくて、リレーも出るんでしょ?」

「ま、まぁね……」


 僕の言葉にひかりはわかりやすく照れた。


「……て、何に出るか知っててくれたんだ」

「うん。そんなにクラスに友達が多くはないから、友達の分は全部確認しといた」

「……友達、ね」


 ひかりが複雑そうな表情を浮かべる。時々ひかりが何を考えているのかわからない時がある。


「ちゃんと応援する予定だから、頑張って」

「……ありがと」


 ひかりがそう言うと会話が一度途切れる。


 人と話をしているとどうしても話が途切れる時がくる。そこをいかに繋ぐかで苦心する人も多いと思う。だけど、僕はひかりと話してる時に訪れるこの沈黙が嫌いじゃない。なんだか、言葉以外で伝わってくるものを感じれるのだ。


 例えば、ひかりが耳に髪をかける動作。肩のあたりで切りそろえられたさらりとした髪から、綺麗な形をした耳が現れる様子はどこか色気すら感じさせてくれる。普段のひかりからは感じられないものをそこから感じる。話に夢中になっていたら、見逃してしまうかもしれないようなこんな小さな動きに気づくことができるのだ。


 だから僕はこの沈黙が嫌いというより寧ろ好きだ。しかし、今回は話さなければいけないことを思い出した。


「……えっと……ひかりが嫌だったらそれでいいんだけど……家に来ない?」

「……へ? ……急にどうしたの?」


 ひかりが僕の言葉にびくん、と反応する。


「いや、流石に今日ではないんけど……」

「……そういう急じゃなくって……急になんで家に誘うの?」

「……あぁ。実は……妹がひかりに会いたいって言っていてね」


 そう。僕は美夜との約束を思い出したのだ。

 本当なら昨日言えば良かったのだが……あの時はそんなことを言える状態じゃなかった。


「……そうだよね……流石にかげくんが急に私を家に呼ぶなんてことするわけないもんね……」


 ひかりは僕の答えによほど納得したのか何度も頷いている。


「……それで、今週の日曜とかにきて欲しいな……と」

「もちろん行くよ!私も美夜ちゃんには会いたいと思ってたし……」

「ありがとう。美夜も喜ぶと思う」


 こうして学校のアイドルが僕の家に来ることが決まった。

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