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「……かげ、大丈夫か?」

「……大丈夫じゃない」


 優に僕は短く返す。


「ひかりさんも大丈夫じゃなさそうですね……」


 リーナは、僕の隣に座り込んだひかりのことをちらりと見てそう漏らす。


 予定通り僕たちは、集合場所に集まったのだが、僕とひかりが死にそうな顔をしているので、優とリーナが心配してくれているのだ。今日は本来ならリーナに対する罪滅ぼしで企画したはずなのに逆に心配してもらうという状態になってふがいない限りだ。


「……どうしたらそんなことになるんですか?」


 リーナが呆れて聞いてくる。


「う……思い出したくもない……」

「……本当に何してたんだよ」


 優まで呆れた顔をしてくる。


 お化け屋敷から出た後、ひかりが「……私だけ怖がってるのはおかしい!」とか言って僕をジェットコースターのところに連れて行ったのだ。そこで僕は非常に怖い思いをした。

 だが、問題が一つあった。僕は、怖くなると声が出なくなる系の人なのだが、ひかりは悲鳴を全く上げない僕を見て怖がってないんじゃ……と疑ったのだ。そして、僕を怖がらせようともう一度ジェットコースターに乗せようとした。しかし、やはり僕は悲鳴など上げることができない。そしてもう一度……


 不幸なことに、この遊園地は人はある程度いるがとても多いというわけではない。そのため、そこまで並ばずにアトラクションが楽しめてしまうのだ。


 永遠に悲鳴を上げない僕をひかりは様々な絶叫系アトラクションに連れまわした。途中からひかりの顔も青くなりだし、楽しいはずの遊園地は我慢比べの会場となってしまったのだ。しかも、すでに我慢の限界がきているのに悲鳴をあげれない人が一人……拷問に近かった。


「もう……無理……」


 隣に座るひかりがそう言ったのが聞こえた。


「……⁉」


 肩が重くなる。ひかりの髪のふわりとした匂いが鼻腔をくすぐる。


「かげくん……」


 ひかりの声が耳元で聞こえる。消えてしまいそうな弱弱しい声だ。


「かげくん……私の負けでいいからしばらくこうしてて……」


 そんな声で言われたらもうどうしようもない。

 やっぱり我慢比べの勝負になっていたのか……とか突っ込みたいが、あいにく僕もかなり限界だ。何とか自分の体を支えながら優を見る。


 優はいつものようにジト目で見てきているのかと思ったが、今回はじっと見つめてきてはいるものの、頭では何か考え込んでいるようだった。

密です。

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夕方にもう一話投稿します

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