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まさかの優視点

「……何か乗りたいものはあるか?」


 かげたちと別れてから、俺はリーナにそう聞いた。俺は男子とはいくらでも話せるのだが、女子と話すことは基本的に苦手だ。でも、リーナだけは何故か気楽に話すことができていた。


「……優くんが乗りたいならなんでもいいです」


 そう言ってリーナは可愛い顔で俺に微笑んでくる。


 ついこの前からリーナは俺のことを『優くん』と呼ぶようになった。俺としても嬉しいと言う気持ちはあるのだが……どこか気恥ずかしい。


「……う〜ん……俺もリーナもあまり怖い系は苦手だからな……」

「優くん……観覧車はどうでしょう?」


 俺が悩んでいたからか、リーナから提案してきた。


「あぁ、いいんじゃないか」


 その提案は俺も良いと思った。見た目に合わないと言われるが、俺はジェットコースターなどの絶叫系よりむしろ観覧車やメリーゴーランドといったゆったりと楽しめるアトラクションの方が好きだからだ。


「では、そうしましょうか。……これで優くんの匂いを密室で堪能できる……」


 最後の方は声が小さくて聞き取れなかったが、リーナもニコニコとして観覧車に乗りたそうにしているので俺は観覧車に向かうことにした。








 ◆◆◆


 観覧車の中。密室空間とも呼べる場所に俺はリーナと二人でいる。しかも、リーナは何故か前に座らず、俺の横に座っているので肩が触れ合うくらいに近い。俺の心臓の鼓動がリーナにも聞こえてしまうんじゃないかと思ってしまう。


 先ほどから沈黙が続いている。リーナとはここ最近気を使わないで済む関係性は築けてきたとは思っているが、今は何か話をしたほうがいいんじゃないかと思ってしまう。


 そこで俺は、先ほどから思っていることを口に出す。


「……ていうか、俺なんかと2人で良かったのか? 自分で言うのもなんだが、俺にリーナみたいな美人と一緒にいれるほどの魅力はないと思うが……」


 リーナは美人と言った時に反応して顔を赤くしたものの、すぐにこちらを真剣な顔で見て言う。


「……優くんに魅力がないわけがありません。少なくともワタシはもうすでに優くんのいい点をいくつも知っていますし」

「……そうか。うれしいよ」


 リーナの言葉に俺は心の底から幸福を感じた。


 そこで、自分の心の中に芽生えつつある気持ちに気づく。


 いや、今日ここに来る前にもうすでに芽生えていたのかもしれない。思えば、普段は服に無頓着だと自覚している俺が、今日くらいは少しくらいおしゃれをしようと親から服を借りることまでしていたのだから。


 しかし、リーナのことを考えるとどうしてもファンクラブ幹部の顔も同時にちらついてしまうのだ。

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明日二本投稿です。ブクマしてお待ちください

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