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「……はぁ」


 ため息をするのはこの数時間で何回目だろう。私は家に帰ってきてから、からベッドに座り込んだまま立ち上がれていない。


 薄暗い部屋の中で私は膝を抱えて丸くなっていた。


 お姉ちゃんは、泣きそうな顔で家に帰ってきて自分の部屋に駆け込んだ私を扉の外から心配して声をかけてくれていた。


 でも、昨日約束したからか部屋には入ってこなかった。さすがに少し前に声をかけるのを諦めたようだが……


「……なんでこんなことしてるんだろう」


 何度この問いを繰り返しただろう……

 答えはわかってる。私は、月野くんが伊東さんのことをリーナと呼んでいたのがショックだったのだ。


 月野くんは、体育館の裏で話をするまでは伊東さんのことをリーナとは呼んではいなかった。だからこそ、そこで二人の距離が縮まる何かがあったのだと確信せざるを得なかったのだ。


 そして、それが私の中でさまざまな感情を膨れ上がらせた。それに耐えれず私は走ってその場から逃げてしまったのだ。


「だめだなぁ……」


 思わずまた、ため息が出る。


 私は、自分の優柔不断な性格が嫌いだ。周囲の人に合わせ、ながされてしまう自分の性格が嫌いだ。どうしても表だけで取り繕ってしまうのだ。

 けれど、小さい頃からの積み重ねで出来上がったこの性格は簡単には変わらない。


 今回は、少し頑張って月野くんと仲良くなろうとした。でも、やっぱりうまくいかなかった。迷っているうちに、急に伊東さんが来て……




 やっぱり、私は自分がいやだ。





 ピコン。


『月野 影から新着メッセージがあります』


 私は、ちらりとスマホを見るが手には取らない。


 ピコン。


『月野 影から2件の新着メッセージがあります』


 ピコン。


『月野 影から3件の新着メッセージがあります』



「……うるさいなあ」


 私は思ってもないことを口に出してしまい、自分の言葉に顔をしかめる。

 私は立て続けに鳴る携帯を手に取り、ラインを開く。


『さっき、急にどうしたの?』

『多分僕が気にさわることをしたんだろうね……』

『何が悪かったのか教えてほしい……

『日野さんとは仲良くしときたいし……』


 月野くんにしては一文一文も長い。


 見ているそばからも、新しいメッセージが届く。

 月野くんはいつも抜けている感じだが、優しいから、私を心配してくれているんだろう。


 でも、その優しさすら、私に今の私には突き刺さる。その優しさが完全に私のものになることはないと思ってしまうから。その優しさが伊東さんに向けられてしまうことを恐れているから。


『ほっといて』


 私は気づいたらそう送っていた。


 既読はすぐにつく。


 あぁ、これを見て、月野くんは傷ついているかもしれない……心配してくれている月野くんは何も悪くないのに……そう思うと胸が痛い。



 休まず送られてきていたメッセージが止まった。

 あぁ……

 私はぼーっとして動かなくなったトーク画面を見る。



 やっぱり、私は自分がいやだ。


 本当はほっといてほしくなんてないのに……

 それなのに、素直になれない自分が嫌いだ。


 私はそばにおいてあったぬいぐるみを投げ飛ばす。


 もう、何もかもがいやだ。


 私の中のさまざまな感情が外に溢れ出そうとする。












 そのとき……スマホが鳴った。








 月野くんから電話がかかってきた。










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明日から夜の8時過ぎに毎日投稿します。

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