3.物色のやつ
秀樹「・・・?」
大輔「・・・?」
2人は突然脳内に響いた声に訳が分からず顔を見合わせる。
秀樹「今さ、何か聞こえた?」
大輔「・・・おう、聞こえたな」
2人が混乱していると、遠くの方でギャアギャアと気持ち悪い声が聞こえてきた。
大輔「!!ヤバイ、またあいつ来るんじゃね!?」
秀樹「だな! しかも声が1人?じゃない!」
何人もがギャアギャア鳴きわめく声がこちらへ近づいてきている。
秀樹「大輔、いったん隠れよう!こっちだ!」
2人はマンションの階段へ走り
今度は3階へと登っていった。
大輔「ふう、いったいあの緑の化け物は何なんだよ?っつかレベルアップって聞こえたんだけど。」
秀樹「わからん! あの緑の化け物がいきなり炎の玉みたいのを飛ばしてきたんや!まじで死ぬかと思ったわ。」
2人は3階フロアーの物陰に隠れて、化け物の様子を伺いながら冷静になるのを待つ。
大輔「まじかよ、化け物が火の玉飛ばすとか怖すぎるんですけど。」
秀樹「まあ、オレはシックスセンスで躱す事ができたけどな。」
と、秀樹は化け物を突きまくってボロボロになった傘を見る。
傘には緑の液体みたいのがこびり付いていた。
秀樹「うえー、気持ち悪い! 傘も新しいの取りに行こう!」
2人は3階フロアーで傘か何か武器になりそうな物を探すことにした。
大輔「やっぱ傘くらいしかねえな」
秀樹「んだな、金属バットくらいは欲しいとこやな」
2人は傘を装備した。
秀樹「なあ、レベルアップしたって聞こえたけども・・・ゲームみたいやな」
大輔「確かにな、緑の化け物にレベルアップか・・・これってラノベとかで良くある展開だなw」
2人は緊張を和らげるためになるべく明るく話しをする。
すぐ下の階からはギャアギャアとやかましい喚き声が聞こえてくるのだ。
秀樹「ふう・・・マンションでギャアギャア騒ぎやがって・・・
住人達が起きてきたらパニックになりそうやな」
大輔「うん、今みんなが外に出て来たらまずいな。特に老人や女や子供を守りながら戦う何て無理。」
秀樹「だな、よし! オレ達でヤレるだけやっちまうか!」
おっけ〜♪と、大輔は親指を立てる。
そして2人は再び化け物のいるであろう階段へと向かう。