始まりの赤
白いはずの月は照らしている。僕を…。私を…。
僕の手には、月の光に照らされた血が赤く、宝石の様に輝く。
私の手には、綱の縫い目のように捻れた腸が。
風は臭い、体にベットリと張り付いてくる。
血で濡れているのか僕の鼻を鉄が刺激する。
空は濁り、叫びたがってるように暗くなっていく。
声と思えない呻きは私の耳に流れてくる。
「あぁ! なんて美しいのだろう。 人の死は!!」
また僕は…。また私は…。死に憧れを抱く。
とある月に僕は出会った。体の至るところに"命"の証をつけた君に…。それはそれは美しく、生々しさを魅せていた。
その証は1日毎に増えていた。足や手、腹や背中、でも決して顔にはついていない。それは君の顔が綺麗だからなのか。その頃の僕は知らなかった。
高校三年になり、生徒は皆、勉学に励む。
僕達を見下すように教壇で問を出している教師の言う事を、
機会人形のように同じような動きをして薄い紙に写していく。
その中で唯一、一人だけ外を見ている女の子がいた。いや、外を見るとゆうよりもまるで、目の前にいる死を見ているような…。
銀淵の眼鏡をかけた教師は、その態度が気に食わなかったのか、
「おいっ! どこ見てるんだ? 莢中。 外に教科書でもあるのか? えぇ?」
「はぁ、外に教科書ってあるんですかね? 私には見えませんが」
わざとらしい口答えをする莢中に対し、
「お前はふざけているのかァっ!! 教師をなんだと思っている!
大体、他のヤツらは進路に向けて頑張って勉強してるんだ! お前一人のせいで! しかも、こんなくだらん事で授業を止めるな!!」
「分かりました、でも授業を止めたのって先生ですよね? 一応しっかりとノートは写していますし、話だって聞いてます。」
反省の態度を見せなかった為なのか、
「めんどくせぇなお前。 放課後、指導室に来いっ! 今日の授業はもう終わりだっ! ほんとめんどくせぇ。ちゃんと来いよ、莢中」と言って教室を出ていった。
何故か最後教室を出る時にあの男が笑っていたのか、それは後から知ることになる。
とある月に私は出会った。私と同じ匂いを持つあの男に。いや、同じといっても、あの男は今まで人を"コロシ"た事なんてないだろうが。只、あの目は鏡に写る私と同じ目だった。黒く、黒く沈んでいる目。
何故、"ニンゲン"以外の生物が同じ種に惹かれ合うのか分かった気がした。惚れるとゆう意味ではなく、魅力を感じるとゆう事だ。
まぁ、この先に私の生まれた意味と、この男と出会った意味を知るのだが…。
高校三年になった私は、夢もなく、欲もなく、心もない。
私を蔑むような視線で見る"コドモ"たち。私を性欲のままに見る教師。毎日のように浴びる視線中で一つだけ違う視線があった事に
今は気づかない。
「じゃあ、次の問題を~。 小鳥遊いけるか?去年のK大学の難問だが…。」
教師はあの男に信頼とゆう形と圧力とゆう形で問を投げた。
「はい、大丈夫ですけど。 えっと…。 アが3でイがマイナス、ウが2です。 (これってホントにK大学の問題かな?簡単過ぎる…)」
「正解だ。 よく出来たな。流石、毎回学年トップなだけはある」
こんなのは私にも出来る。まぁ、そんなことを言っても意味無いのだが…。外でも見てるか。あ、ここはいい隠し場所だな。"ヒト"の。世間曰く、そんな物騒な事を考えていたら、教壇から叫び声が聞こえた。
「ぉぃっ…! ぉいっ…! なかぁっ!莢中ァっ!・・・・・・・・・・ぇ?」
こいつ何を言ってる?外に教科書なんかあるはずないだろ。
思った事をそのまま口に出す。何を怒っているのか分からない。
いや、授業止めたのはアンタだろ?あれ、違うか?まぁ、いいや。
「ゃんと、来いよ、莢中ァ」とだけしか聞こえんが、どうせアイツの処理部屋だろう。面倒臭いが行くか。その後の出来事を知らないまま私は夕方を迎えに行った。
「小鳥遊君って相変わらず頭いいよね。あ! ちょっとここ教えてくれない? 公式に当てはめる所までは出来たんだけどね…。ここから計算がおかしくなってきちゃって」とクラスの一人が僕に近づいてきた。僕は"ヒト"が嫌いだ。だが、この社会の中で上手く生きていく為には、関わりは避けては通れない。だから、仕方なく上っ面だらけの顔で僕は人と関わる。
「あぁ、ここはね。確か…。あった! ここに載ってる方法で解けるよ。このaに代入してからyと合わせて計算すると…。ほら、解けた。あ、このページに付箋貼っとくよ。はい」
そう言って僕は目の前の"ヒト"に教科書を渡す。こんな簡単な事も出来ないのか。面倒くさいな。と思っていたら、
「ありがとう! あ、あのね。今度遊べる?皆で遊びに行こうとしてたんだけど人が足りなくて…。来れる?」
またか。懲りないな、この"ヒト"も。断るに決まっているのに。
「ごめんよ。いつも誘ってくれてるのに。休日は遊べないんだ。
祖母の面倒を見なきゃいけないから。良かったらまた誘ってよ」
断るのってこれで何回目だろうか。そろそろ諦めてくれると助かるのだが。
「うん、分かった!忙しいのにごめんね。じゃあ、き、今日一緒に帰ってもいい?」
は?これだけ断ってるのになんで誘おうとするんだ?意味がわからない。どう返そうかと考えていたら、
「おーい。小鳥遊いるか?あ、おった。ちょっと俺用事があるから職員室前にあるテキスト教室まで持ってきてくれないか?」
用事?あぁ、あの莢中さん?の指導だっけ?この場から逃げる為の口実ができたから行くか。
「分かりました、すぐに行きます。じゃあ、そうゆう事だからまた、明日。時間が合ったら一緒に帰ろう。今日は遅くなりそうだから、ごめんね」
そう言って僕は、廊下に出て表情を消した。
「職員室の前のテキストだっけ? あれ?どこだ? 先生に聞いてみるか」と思い、生徒指導室に向かう。
すると、部屋の中から母のカレーの様などこか懐かしさと落ち着きを混じらせた臭いがした。その臭いの正体はいや、これは彼女から聞くべきだ。
「やっと来たなぁ。莢中ぁ、待ちくたびれたぞ。そこ座れ」
教師いや、目の前にいる発情した男がそう言った。
「分かりました。それで、話とゆうのは何でしょう?」
分かっているのに、わざと挑発するような口ぶりに、
「お前なぁ、いい加減にしろよ!成績はいらんのか?えぇっ」
なぜ、成績の話になる?さっきの事じゃないのか?
「成績はほしいですけど、さっきの事と何か関係が…」
「そうだろ!欲しいよなぁ!当たり前だよなぁ!!」
私が話をしている途中で、男は話を遮った。鼻息は荒くなっていて興奮を抑えきれていないのか、男は股間に手を当て何かを我慢していた。それはそれは醜い姿で、まるで家畜にさえ思えるほどだった。
すると男は、「じゃあ、どうすればいいか分かるな?欲しいんだろぉ?成績がぁ?」
あからさまな態度に悪寒よりも、面白さが上回っていた。
興奮しているのは、こちらも同じだから…。
「はい、分かりました。まずどうすればいいですか?」
オトコは鼻息を荒らげ、「じ、じゃあまずは服を脱げ。全部だ。その後に、そこに座れ。この目隠しをしてからな」
私は言われた通り、服を脱ぎ、言われ"なかった"通り目隠しをせずに椅子に座る。それを見たオトコは、
「おいっ!目隠しをしろって言ったよな。なんでそのまま座ってっんだよぉぉっ」そう言って、私の背中を殴る。
何度も何度も、私を殴っているオトコに私は、
「目を隠す理由がわからなかったので。それに隠さないほうがホントはあなた好みだとおもったので…。大丈夫です。睨んだりしませんから」と言った瞬間、普通は見透かされたこと驚くところだが、このオトコはもう、まともな精神ではないのか、「よく、分かったな。俺は、お前と運命的なものを感じゅるよ。んぅ、はぁはぁ、いいなぁ。抵抗するなよぉ。いいなぁぁ」
頭のネジが外れたかのように、行動と言動が狂ってきているのを見て、更に興奮してしまった私は我慢出来ず、制服に隠し持っていたナイフでオトコの喉を切って、蹴り倒した。
「ザァッえァなォごァァ、ナァにを…」と、最近のサスペンスドラマでも聞かないようなセリフを口走ったオトコに、
「すいません、我慢出来なくなっちゃって。ほら、こんなに濡れちゃいました。気持ちよかったですよ。先生の"ニク"の感触。それに、まだ、生きてるんですから、もうちょっと楽しみましょうよ。そうですね、あ、こことかどうです?ココ」、そう言って私は、オトコの性器を右手で握って、左手です根元からナイフで切り落とした。男は泡を吹き、なんの抵抗も出来ずに死んでしまった。
「あ〜あ、やっぱりこんなもんか。つまんないなぁ。暇つぶしに解体でもしておこうかな。時間まで余裕があるし、"コレ"がほかのヤツらが近付かないようにしておいてくれたから助かった。どうやって処理しようかな。んー、昼に見つけた所にでも埋めておこうかな。」そう言って精肉場の"ニク"の様に扱い、私は解体を始めた。いつも通り、頭は最後で、いつも通り、最初は足から始めた。
解体は約15分ぐらいで終わった。3本もナイフを無駄にしてしまったがまぁいいだろう。確か、この辺りに袋があったはずと思い、棚の引き出しを開けて探していたら、扉の方からノック音がした。
「松永先生、教科書ってかどこにありますか?職員室前には無かっんですけど」 あの男だ…。あの男が教科書を任されたのか。元々はもう1人は殺すために、私が隠しておいたのだが、よりにもよってこいつか。どうしようか。私は手にナイフを持ったまま、扉に足を近づけた。すると、扉の向こう側から「"死"の匂いがする」と聞こえてきたその時、私はふいに扉を開けていた。
その時のあの男、小鳥遊とゆう男が死体を見た時の恍惚とした表情と私を見た時の歓喜の表情を忘れた事は1度として無い。
読んでくださったの皆様
誠にありがとうございます
始めてから日が経っておらず未熟な所もありますが、温かく見守ってください(もちろん、直していきます)
再度、読んでくださった事に感謝したいと思います。
本当にありがとうございます。また、次回で…




