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最弱ジョブからの道のり  作者: ponpoc
2/6

異世界ですか?

 「夏の終わり、それは黄昏、あぁ、おれは、なんでしょう?」

 アイスキャンディーをガリガリ食べながら、そんな独り言をつぶやいてしまった。まったく、高校を卒業してもダラダラ過ごしてしまっている自分が、情けないといえば情けないよ・・

 そう物思いにふけっていると、となりでは煙草をくゆらせる、同種がいる。つまりはあれだ、厨二という仲間分けされている奴だ、もちろんおれも人のことは言えないが、

 「おい!黒鉄くろがねー、お前は高校卒業してんだから、厨二も卒業したほうがいいぜ!」

 寺本てらもと つかさ19歳、おれとは小中高一緒だった、下衆友だ。そんな寺本も厨二を卒業しているかと言えば論外だろう。

 「寺本よー、お前には言われたくねぇよ。」

 「・・・」

 「・・・」

 お互いの沈黙もなぜか心地よく感じてしまう。それが腐れ縁の特許とも言えるかもしれないけど。

 おれもズボンのポケットにしまった。煙草を取り出し、火をつける。あぁ、うまいわー。これだよね、未成年、煙草、黄昏時、超絶最高なシチュエーションじゃないですか。

 「とこれで、寺本ー、もし俺がRPGのキャラだったら何の職業だと思う?」

 唐突な質問だろうけれど、しょうがないと言わせて欲しい、なんてったって、話すネタがないんだ。だから最近始めたRPGゲームの話題をふるしかなかったんだ・・

 「あぁーお前はあれだな、勇者が魔王から姫様を助けた後の、宿屋でニヤニヤしながら、今日はお楽しみですね。とか言ってる宿屋の店主しかないだろう。」

 こつの今の発言はあれだ、某有名RPGの小ネタを引用したとしか思えないが、否定はしない。なぜなら、人類の繁栄のためには、そういった下衆発言をする人間も必要だろう、だけどなぜだ、この頬を伝わる涙の感触は、どうしてだろう、涙が止まらない。

 「おれは、本当は、姫様を守る騎士とかになりたかったんだ・・」

 おれは涙をながしながら必死に友へと訴えかけることしかできなかった。

 「それは、無理だ。」    優しい言葉を期待していた。

 「寺本はなんなんだよ?なんのキャラになんだよ!」

 キレた、おれは怒鳴った、この不甲斐なさをぶつける他にはなかった、けれど寺本は冷静に口を開く。

 「おれは、遊人とか商人とかでいいよ、いや、むしろそれがいい。だってよー、一見最弱そうに見える職業、ゲームの中じゃジョブかな、そういうのって、案外最強の魔法とか力とか手に入れたりできるだろ。普段は弱いけどよ、ここぞって時に役にたてたりするもんだろ。」

 そうだ、確かにこの男の言っていることに間違いはないけれども、腑に落ちないのだ。自分は、まだまだ子供なのだろう。おれは黙ることしかできなかった。

 寺本は今度はおれをなだめるように語り始めた。

 「黒鉄・・お前はハーフでルックスレベルも上の下にはいると思うんだ。だからよ、頑張って生きてりゃ彼女もできるだろうし、バリバリ仕事も就けると思うよ。だからさ、黒鉄くろがねルキアの人生はこれからだろ?違うか?違わねぇーだろ!必死になれよ・・」

 「寺本・・大人に・・なっちまったんだな・・・」

 黄昏にふける二人の男にそれ以上の会話はなかった。


               *===*===*===*===*===*


 黄昏た後、寺本と飯を食って別れたおれは、自分の部屋から、暗い夜空を眺めながら煙草をくゆらせていた、時計の針は0時をとうに過ぎていた。

 (あぁ、おれは自分がこれからどうして生きていけばいいのか分からない。夢もない、趣味も、まぁ、今はない。自殺したいとは思わないし、勇気もない。おれは、自宅を警備しようかな。あれ、また涙が、とまらないや)

 黒鉄ルキア(くろがねるきあ)19歳、人生に終を告げる時がきた。

 「さよなら、おれの人生、さよなら、世界・・・」

 その時、黒い光がルキアを包み込んですべてが闇につつまれた。その光は数秒のうちに霧のように霧散し、数分もしないうちに消失した。そこには、ルキアの姿はなかった。


               *===*===*===*===*===*


 目を覚ますと目の前には、ロリが仁王立ちしていた。タイプかもしれない、けど目つきが鋭すぎるのが、悩みどころだ、。まぁ、おれを蔑むような目で見やがって。そういった性癖は持ち合わせてないぞ、それで興奮すると思ったら間違いだぞバカヤロー!けど、今週一のいい夢だったよ、ありがとう!おれの脳、そう思いながら再び目をつむった瞬間だった。


 バチンッ!!!


 (いてー、夢なのに、いたい。おれの脳は画期的な進化を遂げたようだ。痛みまで鮮明に表現してくるとは!)


 ドゴッ!!!!!!


 「いっっっってーーーーーー!!!!!」

 脳が一気に覚醒しめざまるのがわかる。

 目を開けるとロリが仁王立ちしていた。握られた拳に血がついている。すぐさま自分の口を手で覆って分かる。口の中が切れている。痛いわけがわかった。夢じゃないということだ。

 周囲を見渡すと。石で造られている部屋だった、とりあえず何もない、ロリの後ろに扉が見えるのと、自分の周囲の床に奇妙な模様が書かれているだけだった。

 おれはロリを見上げながら言った。

 「どこですか?」

 質問をしただけだった。なのに、先のとんがった革靴がおれのみぞおちにヒットする。呼吸が一瞬効かなくなる。

 ロリは未だに仁王立ちをしている。おれは恐る恐る言葉を選び発言した。


 「異世界・・ですか?」


 無表情で仁王立ちをしていたロリが微笑んでくれた。天使のスマイルでした。ロリは甲高く幼い可愛らしい声で言った。

 「異世界?まぁ、そうなるかもしれないですけど、この世界はこの世界です。あなたは今日からこの世界で生きてくんです。だからー、いつまでも寝てんじゃねぇよ!ゴミクズ野郎がーー!!」

 ロリの回し蹴りが脇腹に入った。変な音がしたのが直ぐにわかる。絶対折れたね。折れたよ、興奮はしないけど。折れたね。


 おれはロリに連れられ一歩を踏み出した。

ponpocですーー^^

読んでいただきありがとうございます。

前回の話はだいぶあとのことになりますね。

ここからが始まりです。


ぼちぼち投稿していきますので、またよろしくお願いします。

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