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回想~中学生編

俺は、東京で働く30歳サラリーマン(独身)。

彼女はいたりいなかったりの、繰り返し。今はいない。年収は、人並み、趣味はギャンブル。長所は特筆するものがないが、広い範囲でそれなりにできる、よく言えばオールマイティ、悪くいえば器用貧乏ってところかな。あとは、強いていえば、善悪の判断は出来てというどころだろうか?当たり前のことかもしれないけどね。人間性は、おいおいね。。短所は、この話の肝なんだが、金がない、計画性がない、理解されにくい、ずぼら、など、キリがない。。そんな俺が、人生を振り返り、ターニングポイントと、なるまでの道程がこの物語だ。

書き忘れてたけど、俺の名前は、前田賢治。


ー2016年3月ー

賢治「俺らも、もう30になっちまったな、おいよー。嫁も、子供も、夢も希望もありゃしねーよな。ははは」。中学の同窓会の2次会の風景だ。

康成「俺もだよ。全く、二次会にこれるのも、そういう奴しか、あつまんねーよな。マジやんなるよ。あ、ビールおかわり!」

豊「超いいづらいんだけど、俺さ、来月結婚すんだよ。会社の同僚とさ。賢治みたいな、土日は競馬パチンコ生活してて、金がないから、式はすぐはあげれないけど、まぁ、地道にやっていずれあげるから、そのときはきてくれよな??」

二人「なに~~!!」

賢治「マジか、笑えねー、お前が?あのデブで、しょうもないお前が?うわー。へこむわ。。まぁ、良かったな。今度嫁みして、そして抱かせて。」

康成「言いすぎ言いすぎ」

賢治「やるわけねーだろ、こいつの嫁と。」

豊「うるせーな、超かわいいから!」

賢治「マジ?一回一回、はっはっは。」


康成と、豊は俺と、似たような感じで馬があうやつらだ。康成は俺と、違い少し固い、生活にはマジめだ。ただ、悪乗りするときは、女子の前でフルチンになる馬鹿。根はいいやつだ。基本は温厚だ。

豊は悪ぶりたがるが、実際はマジメの塊、嘘をついて、しょうもない武勇伝をふれまわるが、簡単にバレる為、嫌われないタイプ。


そんなやつらが集まって、二次会の一部テーブルを囲ってた。


賢治「あー、しょんべんいってくらぁ。」

豊「横のとこな!」

賢治「あいあい。」

トイレにいく賢治。少し酔いが回っている様子。


トイレから、出ると席替えがされている様子だ。

賢治の戻る席には、中学時代のアイドルの京子と、サキと、ヤンキーだった、和也がいた。

当時のヤンキーは、なんかモテた。こいつも例外じゃなく。賢治(なーんか、いけすかねー感じだったから、微妙な席だ。)と、思いつつ、座る。


和也「京子~。女紹介してくれよ~。俺の下のやつらが、彼女いなくて、かわいそうだからよー。」

京子「やだよ、あんたの後輩、強面しかいないじゃん。やーだやだ。それにもう、30なんだから、そんなことしてる場合じゃないでしょーが。わたしが。」

和也「あ、ああ。。」

京子は、普通のOLで未婚、どうやら焦っている様子。当時の輝きは、まぁ消えてる。。それでもかわいいは、かわいいが。

サキ「賢治君は、今なにやってんの?全然集まりにも来ないし、一人だけ、経過が、謎なんだよ?」


それも、その筈。賢治は、成人式以降、集まりに行かなかったのだ。


賢治「あー、わりーわりー、色々あってね。タイミングが悪くて。色々よ色々。」

サキ「色々ってなに??」

タバコに火をつけ、言うことを考える賢治。


賢治「あー、、会社が忙しくてさ、土日が、入ったり、当時の彼女と予定いれたりね、たまになんで合わないとでしょ?」

サキ「ふーん。」なにか、感づいた様子のサキ。

サキ「どうせ、高校で野球辞めて、普通の学生になって、普通の大学いって、普通のサラリーマンやって、それをみんなに見られんのが、嫌だったとかの、理由じゃないの?昔から、皆と逆に行きたがるもんね。あまのじゃくだから。」

賢治「う、うるせーよ!でも、そうかもしんねー。

確かにな。」

サキは、キャバ嬢だ。金が欲しくてキャバ嬢になった。元々優しいやつだったから、金を搾り取るよりも、人間を見ることに徹してたようで、観察力は凄い。ただ、経済力も見抜いて、客の無い袖を振らせないから、キャバ嬢としては、稼ぎは並以下とのこと。


サキ「賢治はさー、知らないかも知れないけど、皆のヒーローだったんだよ?ヒーローらしく振る舞ってよ!」

賢治「どうしたよ急に」にやける賢治。

サキ「今だって、皆、前の賢治が、みたいって人一杯いるよ?京子も和也もそうだよね?」

京子「まー、当時は、和也みたいなのに、憧れてたけど、振り返れば、前田君みたいな人が、一番良かったのかもね。」

和也「そうだな。俺も、お前みたいにって思ってたよ」

賢治「サキを立てて、そういうこといっても、なんも出ないぞ??」

サキ「わたしは、ガチだって、思ってるよ!」

賢治「へへ、じゃあさ、今から、抜け出して家くる?憧れの俺んちに。」

サキ「は?」

賢治「嘘、嘘、ジョーダンジョーダン。ジョーダンず」

サキ「もういい。うざい、しね。こっちくんな。」

かなり、真剣な顔になるサキ。

賢治「やべー、マジ悪い、本当にごめんごめん。」

完全に聞く耳を持たないサキ。


その空気のまま会は、解散。


豊「あー、ひさびさに皆と話したせいか、酔っちまったな」

康成「あー、そうだな。豊、幸せに」

賢治「んじゃまたな!」


各々電車に乗り別れる。


サキと京子は、別で飲んでいる風景。シャレタバーだ。


京子「サキどうしちゃったの?」

サキ「よくわかんない。。あたし最近さ、キャバ嬢辞めて、マシな人間になろうと思って資格取って、就職して、結婚してー。的な考えになってさ。」

京子「サキは昔からまともだよ?キャバ嬢やってたのだって、びっくりしたもん。自分らしくて、いいと思う。」

サキ「ありがとう。でね、今日賢治みたら、普通のサラリーマンやってた風だったけど、パチンコ生活とか、競馬、風俗みたいな話も、聞こえてきてさ、あいつも変わったなー。って思って、話してみたら、なんか、寂しそうな目しててさ、いかにも、俺はこんなんじゃない、こうなっちまったんだ。って顔してたから、本当は昔みたいな自分に戻りたそうだったから、突っかかっちゃった。才能も、まぁ、見た目もあるくせに、この野郎。って。わたしも、悔しかったんだろうなー。阪神ファンのヤジみたいなもんかなー。」

京子「サキ。。。」

寂しそうな、サキを見つめる京子。


賢治サイド

アパートに到着し、サキの話と、自分の今に至るまでを振り返る賢治。


寝タバコをしながら、中学時代の思い出を振り返る。


賢治「ああ、そうだ。中学んときは、色々あったなー。少なくても、今より濃い人生やってたわ。」


中学回想シーン

中学3年の夏

賢治は、野球部に所属していた。

監督は自分の好みの選手だけを使う、典型的な権力者。賢治は野球部の誰よりも練習し、実際に結果も出し、後輩指導も積極的にやっていた。

当時の補欠メンバーを一向に使おうとしない監督の考えに真っ向から立ち向かっていく描写が想像されていた。


当時の練習風景を思い出す賢治。


ノックの風景。


カーン、カーン。

レギュラーメンバーがエラーをする。

部員「ドンマイドンマイ!打球難しいよ。次取ろう!」


カーン

補欠メンバーが難しい打球を処理する。

部員「まぐれまぐれ!つーか、簡単な打球なんだから、調子にのんなや!」

賢治「おい!てめーら、良いプレーと、悪いプレーの判別できねーレベルだったら、辞めたほうがいいぞ!」

声を立てる賢治。

だまる部員たち。


練習後の反省会


監督「最後の大会のメンバーに気持ちよく、させるべきなのに、一名、場を乱すやつがいるな。モチベーションはスポーツにおいての結果を左右するから、そういうことは、やめろよ。前田。」

賢治「あー、はいはい。補欠メンバーは、気持ち悪くなりますが、いいんですよね?」

監督「!」

賢治を殴る監督。

賢治は鋭い目で、監督を見る。

監督「お前みたいに素行が悪いやつは、試合では使わん。異議あるやつは、言ってくれ」


レギュラーメンバー含む部員たちは、自分の身可愛さに、なにも言えない。


賢治「あーいわんでいい、いわんでいい。言いにくいやつは落とされるし、それ以外のやつらは、監督の犬なんで。勝ちたくねーで、レギュラー守りたいやつは、自由だ。」

賢治は、半分本音で、半分は、勝ちを目指すモノに、発破をかける形で伝えた。言葉の本質を見極められる賢治だからこそ出せた言葉だった。


が、誰にも伝わることなく、反省会は、沈黙で終えた。


賢治は愕然としたが、あっさり受け入れ、帰宅準備を済ませ、バスケ部の康成と、テニス部の豊を誘い、下校した。


康成と豊は、賢治の様子をみて、馬鹿話できる状態でないことを察し、挨拶だけして、別れた。


翌日の朝練は、雨で中断し、登校時間まで、時間があった為、各自他部のメンバーと談笑していた。


そんな中、賢治の昨日の行動をネタに話があった。


部員たちは、賢治をネタとして、扱っていたが、聞き手の大半は賢治の言うことが正しい、度胸ある、カッコイいとなり、ヒーロー扱いだ。


その話を聞いたサキが部員に言う。

サキ「賢治を悪くして、自分を正当化してない?ダッサ。。」

話を聞いた康成と豊も、同様の反応。


サキは賢治を捕まえた。

サキ「賢治のやったことってよくわかんないけど、いや、多分正しいんだろーけど、今それやったら、賢治が試合でれなくなるだけじゃん。もうちょっとうまくやりなよ!」

賢治「アカギって漫画知ってる?」

サキ「?漫画読まないからわかんない!」

賢治「アカギしげるとして、勝ち、負けたいのだ」

サキ「??」

賢治「ま、そーゆーことだ。」

サキ「馬鹿じゃない?」


サキはアカギを調べ、意味を探したが、わからなかった。数年後に、意味がわかり、意味をあわせて、ふざけていることに気がつく。が、当時の会話では、謎のままであった。


数分後の賢治「あーやべ、アカギじゃなくて、天にでてるアカギだったわ。」


数日後、監督の申告とおり、大会メンバーに賢治は入らず、試合は行われ、決勝戦で敗北し野球部の活動は終わった。


賢治は最後の挨拶のときに、皆が泣いている際に、

ふざけようと企んでいたが、自分の三年間を振り返り、また、最終的にはどこかで自分の出番が来ると信じていたこともあり、部員と同様、泣いていた。


野球部は、学校の顔であった為、応援していたメンバーも、じっと眺めていた。


数日後、部室の整理に賢治がきた。


賢治「俺の道具は、全部やるよ。つっても、エロ本も全部置いとくから、後処理宜しく」

後輩「先輩、一番うまかったのに、悔しくないんですか?監督とか、他の先輩になんも思わなかったんすか?」

賢治「ばーか。野球ってのは、一人でできねーだろ?突出した天才がいても、ダメなんだよ。松坂が投げても、とれるやつがいないと試合なんねーべ」

後輩「そこまででしたっけ?」

賢治「うっせーだまれ」


そういって寂しそうに、部室を離れる賢治。


半年後、野球部の恒例行事である、卒業式の日に卒業生が、紅白戦をやる行事が行われる。


全員が試合に出る、レギュラー、補欠関係なく、ランダムに組まれるのが、本来の形式である。


なお、野球部に関係のない卒業生の大半が、この行事を見るのも恒例化しているため、ギャラリーも多くいた。


賢治「チーム分けだけど、補欠対レギュラーで、どうだろうか?」

監督「お前らで、決める試合だから、自由にやればいい。ただ、ピッチャーいねーだろ」

賢治「まぁ、そこは、うまいことやりますよ。」

にやつく賢治。


はっと気づく監督。

夏の事件について、どちらが正しかったか、証明させる魂胆だと。

監督「まぁいい、どうせかてんよ。ピッチャーも、未経験、補欠メンバーだけだしな。」


観客「おい、アレみてみろよ。レギュラー対補欠だぜ?前田が投げるみたいだ。面白そう。」


康成「あいつの差し金だろうな。」

豊「皆注目してんなー。」

康成「あいつ何気にボタン全部渡してるからな。」

豊「俺一個」

康成「俺もだせーー!!」

ガンガンネットを揺らす康成。

賢治「てめーはちんこでも出しとけ!」

康成「打たれろー!!」


観客「康成対賢治のあのバトルも見納めかー。」


試合開始


賢治「いいか?普通に言うぞ?俺らの方が若干弱い」

補欠「いやいや、過ちになってんじゃん、お前のやつ」

賢治「若干。。ね。俺の見立てなら、あいつら9人よりも、3、4人は、こっちのがうまいと思ってるよ。マジで。だから、若干」

補欠「誰が?」

賢治「それいったら、ムカつくでしょ?言わないよ、他がかわいそうじゃん。」

補欠全員心の中「俺かーー!」


ネット裏の和也「あいつ、天才だ。」


聞こえたのか賢治「まー本当だけどな。」


試合は、終始互角。


臨時ピッチャーの賢治がレギュラーをきりきり舞い。どちらも、無得点のまま、最終回裏。


攻撃は補欠メンバー。1番から。


円陣の際


1番「俺がでたら、必ず、ゲッツーはすんなよ。ランナー二塁で、賢治に回せ。」


涙汲む賢治


賢治「自分のやりてーようにやれい!」

2番「俺レギュラーに勝てたら、高校でもやるよ。勝つには、一番高い確率だからな。お前が。」


賢治「へっ。」

さらに涙汲む賢治。


1番が塁に出て、2番バント、3番凡退で賢治に。


監督「まずいぞ。まずいぞ。」冷や汗を流す監督。


さき「打てー」

康成「うつなー」

観客「打てー、打ってくれー。」


賢治「俺はギリギリ一番うまいかどうかだぜ?

スーパースターじゃねーし、プロだって、甲子園だって、糞遠いい、凡人なのに、これかよ。」

緊張する賢治。


カキーン!


賢治「きた!」


ジャストミートする打球、センターの頭上を遥かにこえ、ランナー生還。試合は決まったが、まだ走る賢治。ホームインを狙う様子。外野手もそれに気づき、賢治にあわせて、バックホーム。


記録はセーフ。ランニングホームランである。


1番「なんだよ。バントいらねーじゃん。」

全員で賢治を胴上げ。


試合後、一人ずつ、監督、後輩にむけて、メッセージ。

賢治「あー、お前らへ。おっほん。ちげーや、まず監督か。。監督へ。見たか俺のほうが凄いだろ?と、言いたかったが、今となってはどっちが正しいかなんてどうでもいい。俺は俺が間違ってないことが、今日わかったが、あくまでそれは俺の話、数字じゃねーから、わかんないっす。ただ、俺も目上に対する態度でなかったことは、反省してます。これからも頑張ってください。以上。後輩達~、、、、」


監督からメッセージ「前田、お前のメッセージに返すが、あんなことまで、されて、どっちが正しいかなんて、わかりきったことを濁すな。」


どよめく部員たち。

監督「俺が間違ってたよ、まさか、中学生に理論で負けるとはな。お前には妬いてたのかもしれんな。道を示す側が示される側に劣るということに。すまんかった。」


拍手でしまる、行事。


下校中に、晴れ晴れした顔歩く賢治。


そこに、同級生の美貴が現れる。


美貴「なんか、前田君が好きになった!付き合ってください!」


賢治「!!」


中学生の回想が終わり、アパートで寝煙草をする賢治の描写


賢治「俺、めっちゃいけてんじゃん!これやっちまった系じゃん今。どこだっけおかしくなったの!」


灰皿は満タンだ。


高校編


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