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端っこに住むチビ魔女さん。  作者: 夜凪
旅立ち

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お久しぶりです。

第2部のスタートとなります。

この世界は大きく3つの大陸に分けられている。

南の大陸、アイリス。

東の大陸、サリバン。

そして、西の大陸カーマインである。


3つの大陸で最大の面積を誇るカーマインは、幾つもの国に分かれ、それぞれの覇権を争っている。

ミーシャの住む国、ブルーハイツ王国もその中の1つであり、国としては中規模ながら、そこそこに歴史は古い。

かつては、覇権争いの中にいた時代もあったのだが、ここ200年ほどは穏健派の王の元、綱渡りの外交ながらどうにか平和を保っていた。


が、ここ最近代替わりした王の下で力をつけた隣国のシルバ帝国に突然難癖をつけられ攻めいられたのだ。

長い平和の中、国軍の兵力も落ちていたブルーハイツ王国はなす術もなく、蹂躙された。そして、王都に攻め込まれる一歩手前まできた所で、どうにか対極の位置にある大国レッドフォード王国と協定を結ぶ事で難を逃れたのである。

今後いろいろ口出しされる危険はあるものの、隣国に飲み込まれ全てをなくすよりはよっぽど良い、との選択であった。


レッドフォード王国としても野心溢れる新国にすぐ隣まで迫られるよりは、自分達に有利な協定を結んだブルーハイツ王国が間にある方が何かと都合がいい。

下手に自国として取り込んでしまうよりも、1つの国としての形を残しておいた方が国防にかける労力も少なくて済む。

その為なら多少お荷物になる危険はあるものの、協定を結び国交を増やした方が利益が多そうだ、との判断だった。


お互いの思惑が一致した上での協定は表面上は穏やかに結ばれ、大国の後ろ盾を得たブルーハイツ王国にシルバ帝国もしぶしぶ矛を収めた。

カーマイン大陸一の大国であるレッドフォード王国を敵に回すのは時期尚早と手を引いた形だった。

また、急激に領土を広げた為、国内でも問題が浮上してきた所だったらしく、暫くは内政にかかりきりになるだろう。




そんな中での、新しい協定の元、より国交を深めようと「側室に自国の姫を娶ってほしい」とのブルーハイツ王国からの申し入れであった。


「そんなもんいらん」と突っぱねるのも角が立つし、面倒なので、とりあえず後宮にでも放り込んでおくかと諦めつつの了承をした所で、面白そうな情報が飛び込んできた。


カーマイン大陸の東の果てにある小国オーレンジ連合国。

幾つかの部族が集まってできた国で王は持たず、それぞれの部族から出した代表が集まり国の方針を決めるという不思議な形態を持っている。

その中にあって更に神秘と謳われる一族「森の民」。

他と一線を画した高度な医療秘術を有し、神出鬼没な「戦場の救世主」。

かの一族に命を救われたものは多く、多くの国が長きの滞在を望んだが叶えられる事は無く、また、力で押さえつけようとしたものには手痛いしっぺ返しがくる事でも有名である。


そんな幻の一族の血を引く娘が彼の国の公爵家にいるというのである。

真偽の程は不明だが、元々側妃が送られてくるのは決定事項だ。

本物だったらラッキーだ、と、その娘を寄越せと使いを出してみたのがひと月ほど前の事だ。


昔、「森の民」に命を助けられた事があると言っていた側近を「本物ならどうにかしてでも連れて来い」と命を下し、嫌そうな顔をされたのも記憶に新しい。


そんな男からの速馬で送られてきた手紙に目を通して、レッドフォード王国の王であるライアン=リュ=レッドフォードは面白そうに目を細めた。


「良い知らせですか?王よ」

執務室の机の向こうから声をかけられ、ライアンはニヤリと笑いながら側近の1人で宰相補佐のトリスへ手紙を差し出した。

「側妃を迎えに行ったはずのジオルドが何故だか遊学の少女を1人連れてくる事になったらしいぞ。白金の髪に翠の瞳の美しい少女だそうだ」

「………それは」

呟きつつ手紙に目を通したトリスの流麗な眉が不快そうに顰められる。


「またあの男は勝手な事を」

苦り切った呟きにライアンは今度こそ声を出して笑った。

真面目な文官であるトリスと傭兵上がりの武官であるジオルドはどうもそりが合わないらしく何かといえば対立している(正確には小言を言うトリスにジオルドが面倒くさそうに適当な返事をして更に怒らせるという感じだが)。


「まぁ、あながち間違った対応でもあるまい。側妃になるのを躊躇っているものを無理強いして、本物だった場合、下手したらこちらの命が危うくなるのだからな」

今にも舌打ちしそうなトリスにクツクツと笑いつつライアンは取りなした。


こよなく自由を愛する「森の民」に無理強いをしいた者達の末路は様々あるが、どれも経験したいものでは無かった。

本当か嘘か国が1つ滅んだとの噂すらあるのだ。


「だとしても、まだ幼い娘1人。どうとでも丸め込めるでしょう」

怜悧な美貌を僅かに歪めつぶやく様に、ライアンは肩を竦めた。

「まぁ、この件に関しては全権を委ねるとジオルドにすでに言っている以上、あいつがどうにかするだろう」


あっさりと言うと、手元の書類に目を通し始めたライアンにトリスは小さくため息をついた。

良く言えば鷹揚。悪く言えば適当なライアンがこういう以上、この件は追求するだけ無駄だろう。


(まぁ、実際に会って本物か否かは自分の目で確かめるとしましょう。取り込む価値がありそうなら、そのとき動いても遅くはないでしょうし、とりあえず、手元にはやって来るのですから)

自分を納得させるために心の中で呟きつつ、最後の疑問とばかりにライアンに問いかける。


「それで、件の姫君はいつ頃到着されるのですか?お部屋の準備などあるのですが」

「遊学」という以上、当初の予定通り後宮に放り込む訳にもいかないだろうと問いかければ、ライアンは首を傾げた。


「さぁ?俺には分からん」

「………どういう事です?」

あっさりとした否定にトリスも首を傾げる。

隣国より街道を辿り最短で7日程だ。

旅慣れない少女を連れているにしても、大体の予定は立つだろう。


「もう一枚、コッチはジオルドの手書きだな」

ポイッと渡された手紙を目で辿るうちにトリスの眉間のシワが刻々と深くなっていく。

「あの馬鹿男が〜〜〜」

そうして響く怨嗟の声の元、トリスの手の中で握り締められた手紙がしわくちゃになっていく。


そこにはジオルドらしい奔放な文字でミーシャが楽しそうなので、観光しながらのんびり戻る旨が記されていた。





「ハックシュン!」

「ジオルドさん、大丈夫ですか?」

都合が良いからと早めに宿をとった後、のんびり市場を冷やかしていたミーシャは、一緒に付いてきてくれたジオルドが盛大にクシャミをした事で心配そうに眉を寄せた。


「あ〜、大丈夫。誰かが噂でもしてるんだろ」

覗き込んでくるミーシャに笑顔を返しながら、ジオルドは内心で舌を出した。

そろそろ速馬がついた頃だと思えば、噂している相手もその表情すらもあっさりと思い浮かぶ。

きっと1人は面白がって笑い、もう1人は人でも殺せそうな渋い顔をしているに違いない。


堅物の友人(なんて呼ばれている事を知ったら更に怒り狂いそうだが)の綺麗な顔を思い浮かべればにやにやと笑いそうになる。

些細な事で突っかかってくるトリスの反応が実はジオルドはかなり好きだった。

いつも澄ました顔の男が、表情を変えてなんやかんやと言い募る様はかなり面白い。


(帰ったら怒り狂ってるんだろうな〜。さて、どうやってごまかそうかな)

「何か、楽しそうですね?」

帰ってからの計画を立てていると、隣を歩くミーシャが不思議そうに首を傾げている。


「あぁ。友人に何か買っていこうかとおもってな。何が良いと思う?」

にっこりと笑いながら問いかければ、どんな人なんですか?と真面目に考えてくれるミーシャ。


何を見ても食べても驚きに目を丸くして嬉しそうに笑う様子は素直でかなり可愛らしい。

もっとそんな顔を見てみたいと、必要もないのにちょこちょこ休憩を挟んだり、早めに宿をとって観光する為、旅路はいっこうに先に進んでいなかった。


反面、親子連れとすれ違うふとした瞬間に今にも泣き出しそうな顔をするミーシャに、胸が痛む。

そして、少女が母親を亡くしてまだ1月足らずしか立っていない事に気付かされるのだ。


明るく振る舞った夜に1人ひっそりと泣いているのも知っていた。

隠しているつもりでも旅館の壁は意外と薄いのだ。

うっすらと腫れた瞼に気付かないふりで明るく話しかけるのは(ジオルドはそんなに繊細なタチでもない為)けっこう骨が折れたが、面倒だとは思わなかった。

そんな自分に、この健気で素直な少女を相当気に入っているんだと気付かされた。


(娘がいたらこんな感じなのかね)

お土産物屋でいろんなものを手にとっては眺めているミーシャを観察しながらそんな事を思うジオルド、26歳であった。




「坊主、そこまでだ。今取ったもの、お姉ちゃんに返そうな」

露店の品物を夢中で眺めていたミーシャは、ジオルドの声に我に帰り、振り向いた。

そこには、7歳くらいの少年の腕を掴んだジオルドが怖い顔で立っていた。


「うっさいな!おっさん!!何の事だよ!離せ!離せったら!!」

ジタバタと暴れ、どうにかジオルドの手から逃れようとする少年に、ミーシャは目を瞬かせた。

「ジオルドさん?どうしたの?」

「………こいつがミーシャの財布を取ったんだよ」


肩を竦めながら教えられ、ミーシャは慌ててポシェットを探る。

「………ない」

お小遣いを入れた財布が確かに消えているのを確認して、ミーシャは困ったように少年を見つめた。


「えっと……君が取ったの?なら、返して欲しいな?」

「しらねぇよ、バーカ!」

ベェッと舌を出して悪態を吐く少年の頭に、ジオルドがゲンコツを落とした。


「優しくしてやれば、このガキは。さっさと返せ!」

そうして痛みに悶絶する少年のポケットを勝手に探ると、小さな布製の財布を取り出した。そのまま、ぽけっと立っているミーシャに投げてよこす。


どうにか受け止め確認すれば、確かに自分の物だった。

「………よかった」

思わずつぶやくとぎゅっと握り締める。

中身の金額は本当に小遣い程度しか入れていなかったのだが、財布自体に強い思い入れがあったのだ。

無くしたら、きっと途方に暮れていただろう。


細かい刺繍がびっしりと施されたそれは、母親が作ってくれたものだった。

緑の蔦と色とりどりの花が図案化された刺繍は母の故郷の伝統的な図柄で子供の幸せを願う意味があるらしい。

「お守りよ」と渡してくれた時の笑顔を思い出し、ミーシャは泣きそうな顔でギュッと財布を抱きしめた。


「な、なんだよ!あんた達、金持ちなんだろ!それくらい、くれたって良いじゃないか」

物的証拠を見つけられ、未だ腕をジオルドに掴まれたままの少年は、開き直ったかのように叫んだ。


「………フゥン、反省の色、無しか。さて、どうしようかな?足腰立たなくなるまでぶちのめすか、警官に突き出すか」

不貞腐れた顔の少年にジオルドは冷たい目のままニヤリと笑って見せた。

強面のジオルドがそんな顔をすれば、かなり怖い。


心なしか青くなった少年は、それでも口をへの字にしてジオルドを睨みつけた。

その気の強さにジオルドは内心口笛を吹き感心しながらも、さてこの場をどう納めようか、と思案する。


実質的な被害は無いものの、このまま無罪放免ではこの子供が同じことを繰り返すかもしれない。

適度にお灸をすえて、2度とやらないように出来れば良いのだが。


そろそろ、このやり取りに周囲の視線が集まり出した。

あまり注目を浴びるのは嬉しくない。事情を知らない者から見れば、小さな子供をいじめている大人に見えるだろう。

明らかに仕立ての良い服装と腰に差した剣が牽制となって声をかけて来るものは居ないが、怪訝そうな顔はしっかりと向けられていた。


「あのっ!その子がなにか失礼なことを致しましたか?」

そんな中、1人の年配の女性が声をかけてきた。

騒ぎに駆けつけてきたのだろう。

苦しそうに息を切らしている女性は顔色も悪く、今にも倒れてしまいそうだ。

古びた服の袖口から覗く手首の細さにミーシャは眉をひそめた。


「バァちゃん!走っちゃダメだ!」

今にも座り込んでしまいそうな女性の様子に、少年が駆け寄ろうとする。が、ジオルドの腕に阻まれてしまった。

「貴女のお孫さんですか?」


どうにかしてその手を逃れようと足掻く少年を無視して、ジオルドは年配の女性へと視線を向けた。

冷たくさえ感じるその視線に一瞬怯んだもののその老婦人はしゃんと背筋を伸ばし頷いてみせた。


「私の孫でございます、騎士様。その子はどんな粗相を致したのでしょうか?」

今や一重二重と囲む野次馬の中、臆す事なく伸びた背筋は気品すら感じさせた。

よくよく観察してみれば、身に纏っているものも古びてはいるが、元は良い生地でしっかりと仕立てられたものだというのが見て取れる。


(没落貴族の成れの果て、ってところか?)

そこまでの観察を終えてから、ジオルドは、騒ぐ少年の手を離した。

この老婦人なら間違った道に足を踏み込もうとする孫を正道に戻す事が出来るだろう。


「連れの財布に手を出したので、諌めていたところですよ。手慣れていないしその様子なら初犯でしょうから、警官に突き出すつもりまでは無かったのですが……」


半分は囲む野次馬に向けての言葉だった。

庇う老婦人の出現で、ジオルドを見る周りの視線が少々どころではなく不穏な事になってきていたからだ。

通りすがりの街とはいえ、子供をいじめる無頼漢の汚名など着たいものでは無い。


「………何て事を!」

ジオルドの言葉に老婦人の顔色がさっと変わる。本当なのかと問いかける視線に、駆け寄っていた少年の視線が気まずそうに逸らされた。

その様子にジオルドの言葉が真実であると判断したのだろう。少年の頭を押さえつけながら自身も膝をつき首を垂れる。


「この子の親は既に無く、私が親代わりです。私の力が足りず貧しい思いはさせてしまいましたが、悪い事と良い事はしっかりと教えていたつもりでございました。

それでも人様の物に手を出すような子に育ててしまったのは私の罪でございます。どうか、お咎めはこの私に」


青ざめた顔で膝をつく老婦人にジオルドは慌てて手を差し伸べ、立たせようとする。

それをなんと勘違いしたのか、自分の頭を押さえつける祖母の手から逃れた少年が、庇うように立ちはだかった。


「婆ちゃんに手を出すな!悪いのは俺だろ!罰するなら俺にすれば良い!!」

睨みつける少年をジッと見つめた後、溜息をついたジオルドは「わかった」とつぶやいた。


険しい表情のジオルドに、勢いで「自分を」と主張したものの、何をされるのだろうと怖じ気付いた少年は、青ざめた顔でそれでも微動だにせず相手を睨みつけていた。

ここを退いて仕舞えば、咎めが祖母に行ってしまう。それだけはどうしても避けたかった。


「お待ち……」

自分の前に立ち尽くす孫を慌てて老婦人が引き寄せようとしたのと、少年の頭にゴンっと鈍い音とともにジオルドの拳が落とされるのはほぼ同時だった。


何が起こるのかと固唾をのんで見守っていた周囲は、響き渡った鈍い音とあまりの衝撃に頭を押さえて声も無く蹲る少年にあっけにとられた。

「………うわっ、いたそ……」

当事者であるはずなのにあまりの展開の早さについて行けなかったミーシャは、声も無く悶絶している少年の様子に思わずつぶやいた。


(たしかに……)

響き渡った音と少年の様子に、周囲の誰もが眉をひそめ同意の思いを浮かべた。

「ガキのイタズラの罰ならこんなもんだろ」

フンッと鼻を鳴らした後、ジオルドは未だ蹲る少年を無理に立たせると、跪いたままポカンとしている老婦人へと向き直らせた。

「いいか。お前が「悪い事」をすれば、お前の大事な婆ちゃんが咎められ、責任を取らされるんだ。この姿を決して忘れるな!」


痛みに涙目になっていた少年は未だ地面に膝をついたままの祖母を見つめた。

自分の所為で、大切な人が地に跪く。

その現実が少年の心を締め付ける。

「………だって………だって………」


少年の瞳からボロボロと涙がこぼれ落ちた。

春先に体調を崩し、それ以来、寝たり起きたりを繰り返す祖母の姿。

医者にかかりたくとも貧しい暮らしの中では、満足に薬すら手に入れる事は出来ない。

このまま、死んでしまうのでは無いかと、たった1人の身内を失う恐怖に、少年は悪事に

手を染める事を決意したのだ。


ほんの少しだけ。

裕福そうな人間から貰うだけだ。そいつらにとっては小遣いが減った程度の額。大した事は無いはず。


罪悪感を言い訳でねじ伏せて街の隅で獲物を物色した中で、ホワホワと楽しそうに笑う自分より幾つか年上の少女を見つけた。

艶やかな髪はよく手入れされていて、指先までアカギレ1つ無く滑らか。身につけているものだって、飾り気は無いが質の良いものだと物知らずな少年でも分かった。


「だって、婆ちゃんが死んじゃうの、嫌だったんだ。医者に……薬……だけでも」

どんな理由をつけたって悪事は悪事だ。

そうは分かっていても、幼い少年が祖母を助けたい一心でやった事と分かれば、同情の心も沸き起こる。

そんな周囲の目をピシャリと断ち切ったのは、スッと立ち上がった老婦人本人だった。


痩せてしまった腕を振り上げ、泣きじゃくる孫の頬をピシャリとうちつけたのだ。

「そのような盗んだお金で命永らえてもなんの意味がありましょうか!お前に罪をおこさせるくらいなら、さっさとこの命、断ち切って仕舞えばよかった!」

青ざめた顔で言い捨てた言葉は凛とした響きを持っていて他を圧倒した。

泣いていた少年すらも、頬を流れる涙を拭う事も出来ず、ただ立ち尽くす。


固まった空気をそっと解したのはミーシャだった。

ただ涙を流す少年の顔にハンカチを押し付け、青ざめた顔で立ち尽くす老婦人の手をそっと包み込むように握った。


「とりあえず、場所を移しませんか?顔色、悪いです。座れる場所へ……ね?」















読んでくださり、ありがとうございました。


隣国までの旅の中でミーシャが成長していく物語となります。

彼女の旅に少しお付き合いください。


そして、今更ながらの少しだけ世界観のお話(笑)

本当に今更ですが、これからミーシャは色んなところへ行くこととなりそうなので、少しだけ伏線の意味合いも込めて、です。

まぁ、私伏線の立てるだけ立てて回収し忘れる名人なので、どこまで生かされるかは甚だ心もとないんですけどね………。

頑張ります。

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