始まり3
「パンツ?履いてるわよ!紐が細いのよ!
全く、いやらしいわね!」
マイクロミニのワンピースの裾を引き下げながら、怒ってる。
「あんまり、スカート引っ張ると、無いからいいけど胸見えるよ?」
だって、深いVネックでノースリーブのワンピースなんだ。
「無い・・・から、いい・・・けど?」
声が、かすれて震えている。
「どっか怪我してる?」
唸りながら、こっちに向かってくるかと思ったら、5歩目で転んだ。
シルフィアが、けだるそうな声で
「100回謝って許してくれるかしら?」
という訳で31回言い方を変えて、謝ってる。
「ごめん、本当に申し訳ありません。」
すりむいた少女の膝をシルフィアが水道水を運んできては、かけている。
僕は凍りついた男を放っておくわけにもいかないので、手から割れたビンの凶器を取り、
「えっと、この男の記憶は消したほうがいいんだよね?」
少女に確認した。
コクコク黙って頭を揺らしてる。
「何日くらい前に出会ってる?」
「1週間・・ん、8日前。」
「わかった。」
男の頭の中の時間を10日くらい前に巻き戻した。
ポケットに入れておいた鍵をだして、壁に鍵を刺す。
登録しておいた高級クラブの男性用トイレのドアが現れる。
開けて、凍った男を移動させ、フリーズの解除をして、男を投げ込んだ。
低い音を立ててドアが閉じ、鍵が地面に落ち、元のコンクリートの壁に戻った。
しばらくの後、目を覚まして、男がドアを開けると、来店しただけで万単位のテーブルチャージ料を支払う店内にいる事になる。
「これでヨシと。
僕の名前は、ヒロムだ。」
話しながら、少女から少し離れた位置であぐらをかいた。
シルフィアが小さく叫ぶ、本当は本名は明かしてはいけない。
「階級銀の5号で、日本の警察に正体は隠して協力してる。
警察の人からは、ギンゴって呼ばれてる。」
少女は黙って頷いた。
「何があったか聞いていい?
魔法を使うには事前の許可が要るって知ってるよね?」
「あれは・・クライアントだと思ってたけど、どうも逆恨みされてたみたい。」
「フム。今回は銀の権限で魔法の誤発動と報告しておくよ。
壊れたモノも無さそうだし。
アノ男の記憶も無い。」
シルフィアが
「信用して大丈夫なの?」
心配してる、使い魔の声は少女にはまだ聞こえていない。
「このモヤモヤしてるのは、ギンゴの魔法?」
「いや、使い魔だよ。」
3体の使い魔が了承して姿を見せると、少女は初めて笑った。