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アケボノシナリー  作者: じんむ
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アケボノイズアンダーウェイ

まだまだ至らないところが多いと存じますが、どうかお楽しみいただければうれしいかぎりです(*'ω'*)

 春とも夏ともつかない五月二日。

 

 クラスの雰囲気はあと少しで連休ということとその明けにある校外学習とは名ばかりの遠足のせいか、どこか浮ついている気がする。いつもに増して騒々しい。つい先ほどののHRの時間に校外学習(笑)の事を話していた。


 校外学習(笑)はともかくだ。正直なところ連休というのは俺もなかなか楽しみだ。なにせ忌々しい檻にわざわざ収容されにいく必要がない。

 

 さて今日はあとどれくらいこんなところに収容されるのかなと思い、教室の後ろの方に書いてある時間

割を見てみた。

 あと二限、三限……おいおいまだ一限目だったのかよ。これから先が思いやられる。まぁ移動教室がない分マシではあるが。移動教室ってあれなんだよな、一人で移動してると他の人の目線が痛い。

 でもまぁ俺は交友関係が無い分授業くらい真面目に聞く―――


―――あれおかしいなぁ。

 いつも真面目な俺は授業はちゃんときく人なのになんでだろう。今日は頭に何も入ってきてない上になんでかもう帰りのSHRも終わってるぞ? 他の奴らもぽちぽち教室をでていっている。

 所謂例外というやつだろう。太田攻の映画『時をまたぐ少女』でも主人公が自分はそれなりの人間だと視聴者に自己紹介していたが失敗ばかりやらかしてこれも例外これも例外と何回言っていたことか。まぁ話は面白いからみてみるべきと思うが。

ようするに、俺が寝てたであろうがそれは例外だ!

 いやそんなことはどうでもいい。常に暗い空気をかもし出す俺がこんなところに一人いたら悪い意味で目立ってしまう。

 俺はそそくさと帰り支度をすませ席を立つ。

 

 

 下駄箱まであと十メートル、九、八……もうすぐこの忌々しい檻から抜け出せると思うと自然と足が速くなる。

 しかしさすがは檻なだけあってすんなりとは帰してくれない。

「うーわ……暗黒。何ニヤけながら速歩きしてんの? まじきもいわーないわぁ」

 声の主は「うざい」の三文字に尽きる人間、芦木 信だ。こういう奴は無視に限る。でもなんでこいつ、会って一ヶ月たってるかたってないかなのに俺にちょっかい出すの。意味不明だわ。あ、てか俺にやけてたの? それは反省。

「はぁ? 何無視してんだよ暗黒」

 俺は暗黒ではない。安国寺春太郎という名前がある。

 なおも無視して歩き続けると、とうとう肩をつかまれた。ちょっと痛いから! もうちょっと優しくしてよねっ。

「てめぇ暗いくせしてシカトってんじゃねぇよ」

 肩をぐいとひかれ、無理やり芦木の方を向かされる。

 何そのこじつけの理論……あぁもうほんとうに面倒くさい。

 今透明人間になれたらなんて楽なんだろうか。

「あ、あれ?」

 こちらを振り向かせたくせに芦木は戸惑ったように声を上げる。

「だ、誰? あぁまじ悪い。まじ人違いだったわ。まじごめん」

 何まじ連呼してんの? マジカル? てかお前の脳みそがどうしようもなくマジカルなんだろうね。

と、くだらん皮肉は置いといてだ。こいつなんて言った?

 あっれぇ? と呟きながら芦木はその場を離れていく。

 こいつは今「誰?」と確かに言った。

 それはどういうことを意味するのか。

 急に俺に構う気がなくなったのか? いや、あの雰囲気からしてそれはないだろう。じゃああの反応は一体。

 

 とりあえずあまりこんな檻に長居はしたくないのでとりあえず一旦考えるのをやめ、帰路につくことにした。歩きながらでも考えればいいさ。

 

 その後、下校しながら俺は長年培ってきた想像力と妄想力をフル稼働させ、今起きた出来事について考えてみた。

 そこで俺はあるワードにたどり着く。それは、

 超能力。

今笑ったな? え、もう笑うどころかこいつだめだとか思った? 俺は中二病ネタをしたんじゃなくてけっこう本気なんだぞ!(むしろ痛いかこれ)

そしてその能力の内容はおそらく存在を消すというか認識を消す、ってところだろうか。

もっと他にマシな答えがあるだろうとか思うだろうが、実際この現象を目の当たりにしたらそれしか考えられなくなるから。いやまじで。証拠に俺が願った時に発動したしな。

 というか何、俺、誰に語りかけてるの。我ながら怖いんだが。


 まぁいい、とりあえず明日からの連休明けにはすぐに校外学習とは名ばかりの遠足、称して校外学習(笑)がある。 この超能力をためすのには絶好の機会だ。

 あんなにだるく思っていた校外学習(笑)が少し楽しみだ。




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