一話目
時代は西暦2800年くらいのとっても遠い未来で、人類の技術がどっかん進んでる世界。
そんな世界で天才科学者があるクローンを誕生させたところから物語ははじまりる。
……暗い闇の中、何かに包み込まれるような温かい感じ、それを受けとりながら[ワタシ]の意識は覚醒していく。
身体に僅かな抵抗と浮遊感とみずの音、意識がはっきりしないまま<<コンコン>>と音が響いてくる。
音の伝わり方、ひふに触るように流れてきて、ここは水?液体の中にいるのかなと思う。
「起きたかな?起きてるかな?聞こえたらこっちを向いてね~。」
また肌を震わすように今度は声が流れてくる。[ワタシ]は瞼をゆっくりとあけ、響きの方向を見る。
そこにはガラス越しに誰かが立っていて、[ワタシ]のことを見ていた。
「あ、起きたね。おはようっ そして初めまして、私はM。Dr.M、君のおかーさん!いや、おとーさん?…まぁそれはどうでもいいや。」
「大事な事は2つ。君はある人のクローンということ、それとこれから私のお手伝いをしてもらうこと。かな?もしかしたら増えるかもしれないけど!そこは追々伝えるよ。」 とりあえずこんなところかな?
Mがしゃべり終わると[ワタシ]の入っている水槽が振動し始める。
<<ゴポゴポ>>たくさんの泡をだして、液体が水槽から抜けていく。少なくなるにしたがい身体の感覚、重さを感じるともに。
自分の周りの状況とMの言葉をだんだん理解してくる。
これはクローンに組み込まれている教育プログラムの一つで、覚醒する間
身体の成長と共に知識も記録データや職業に応じた技能を修得。
生まれたその時から即戦力になるよう設計されている。
すべての水が水槽から抜けた時には[私]がそこにいた。
「おはようございます、Dr.M。『YDK-01』起動しました。今後の指示をお願いします。」
がばっと視界が白に覆われ「まずは服を着ないとね!風邪ひいちゃうから」と私の全身を大きなタオルが覆う。
タオルから顔を出した先にいる人物、ひまわりのような黄色い髪に白衣を着た人物、彼女がDr.Mだ。
私はなすがままに拭かれた。
拭かれながら隣の部屋まで誘導され、簡単な問診を行いつつテキパキと服を着せられる。
「やっぱりその服だよねー、うんうん。バッチリお似合いだねっ。」Drが着せた薄い紫色のワンピース。
私の髪の色と同じ色合いでサイズも丁度、そしてこの服を着たことのある感覚を覚える。
感覚の思うままに、その場でくるりとまわる。裾がふわりと絶妙な高さまで浮かび、落ちる。
その様子に喜んで抱きつこうとするDrを避けて次の指示を求める。
「ああん、いけずー」「お触りはダメです。踊り子には触れないでください。」
記録データから何世紀も前のフレーズを引っ張り出し、悔しそうなDrを見つめる。
「むあーん、君のオリジナルは抱きついて、そのままベッドにゴー!で相手してくれたのにー」
「私の記録データにはそのような行為はしてないようですが」
「そういうところも彼女そっくり!」
「そういうあなたの行動は変わらない、と言った方がよろしいでしょうか?」
「………」
「………」
「……じゃあ本題に入るね。」
「最初からそうして下さい」
Drは気を取り直して自分の白衣から何かを探しつつ「本題は、さっきプールの中に居た時にも言ったんだけどー、一つ目はいいよね。」
「君は私の親友8z@g5idちゃんのクローンです!」満面の笑みの言葉にノイズが掛かる。
人名部分にフィルター…?エラー?その事をDrに伝えると「えっなにそれ!知らない!えー…まさかの誤作動、バグー?」
ぐおー!と悶えているDrをよそに「Dr、人名部分が理解できないだけです。私が誰のクローンであるか、Drとの関係、記録データは無事ですから」
「ほんとにー?ま、まさか他にも「大丈夫です、本当に大丈夫ですから話を進めて下さい。」
一つの事が気になるとそれに集中してしまう…困った人だからこの人は、ここで話を切り替えないともう一つの事が聞けなくなってしまう。
「うーん…分かったもう一つの話をしたらちょっと検査するからね?原因も症状もちゃんと分からないから」私は頷き続きを聞く
「もう一つのーお手伝いの話だね。」Drが白衣のポケットから透明な立方体を取り出しボタンを押す。立体映像が浮かび一つのモデルが現れる。
「この未開拓の惑星の調査を手伝ってほしいんだ、まだ未知の惑星で何がいるか分からないんだけど」
……クローンは人間に代わって様々なことをしてくれる代理人間だ。それは科学者だったり兵隊だったり家政婦だったりそして
「ここに私達の『ワクチン』があるかもしれない。君にはその『探索者』になって欲しいんだ。」
そして私には探索者としての役割を与えられた。




