1 作戦:程よく蹂躙
作戦はいたってシンプル。
人間の村があるから襲おう。
男は殺せ。
女は犯せ。
食べ物は食べつくせ。
この3つだけだ。
俺は配下のオーガたち100名と共に、その蹂躙に参加していた。
と言っても、村の人口はたかだか300かそこら。
兵士は秒殺、男たちもろくな抵抗もできないままひき肉同然と化した。
俺たちは逃げ惑う女たちを捕まえ、思うがままに貪った。
俺が満足するまでに10人の女たちが息も絶え絶えの状態に陥った。
まぁ、本当に満足するまでとなったら村中の女をかき集めないといけないが、それだと部下の分がないからなぁ。
俺は女たちの身を清めた後、食べ物の一部を置いて村長の家を出る。
ちなみに、家主である村長は表でひしゃげている。
爺さんだったし、弱かったなぁ。
俺は元人間だからと言って「人間と共存するんだ。平和に過ごすんだ」などとは思わない。
女を犯し放題?
いいじゃないか。
ただ、俺の考えはこうだ。
戦争だから殺すべき連中は殺すが、女は殺すな。
これには理由があるし、他の魔族の連中も納得している。
俺らオーガ種やトロール、ゴブリン、その他数多くの種族が存在するわけだが。
雄しか生まれない種族、雌しか生まれない種族は決して少なくない。
オーガ種は、雄しか生まれない。
だから他の種族の雌がいなければ子供が生まれないのだ。
かく言う俺も、猫獣人から生まれてきた。
彼女が今どうなっているかは、わからない。
最初に顔を見たときは狂気と正気をさまよっていた。
オーガ種には雌を生かすという考えがないため、俺が何もしなければ確実に死んでいただろう。
一応は家に残してきているはずだが、さて。
戦争ばかりして来たので、今どうなっているのか全く分からない。
今度国に戻った時は様子を見ないといけないかもしれない。
「あ、おい。そこのお前は止まれ」
ハッスルし過ぎている部下の一人の肩を叩く。
反応が鈍いので殴り飛ばす。
オーガでは基本、何も言わずに殴るもんだ。
俺は一応声をかけてから殴るからマシな方だが、オーガ連中にはあまり関係がない。
基本、止める必要がある時は声をかけても止まらないからだ。
「まったく。何度言えばわかるんだか」
俺は倒れている若い娘に水筒の水をかける。
水をかけられた娘が微かに体を動かす。
「加減をしないと死ぬって、何度言えばわかるんだか」
俺は従軍している数少ない治療師を呼び、娘の手当てを任せた。
オーガ種は頭に血が上ると我を忘れる。
興奮しすぎると暴走するわけだ。
だから仲間同士での喧嘩が殺し合いに発展するのは当たり前。
他の魔族同志との諍いだと村単位での殺し合いになることも多い。
オーガ種は元々が強いため大抵は勝つが、たまに狩りで頭に血が上りドラゴンに丸焼きにされる馬鹿どももいる。
本当にどうしようもない脳筋連中だ。
オーガ種存続のためにも、あるいは雄しか生まれない種族のためにも、より多くの雌がいる。
慰安のために犯すのはありだが、使いつぶしてはいけない。
そんな自論を展開してきたこともまた、4魔将にまで上がることができた理由なのかもしれない。
魔族の連中って基本的に自分勝手だからなぁ。
何でオーガ種の俺がこんなことで頭を使わなきゃいけないんだか。
もっと単純に生きたい。
俺一人だけならもっと気軽に好き勝手できるのに。
俺が4魔将になった最大の原因に恨み節を心の中で積み重ねながら、ほかにやりすぎている部下がいないか見て回った。