第99話
「ユーマ殿、此度の件感謝してもしきれぬ」
「気にしないで~、王様」
「ユーマ殿、これをそなたに授与する」
ユーマは国王からメダルを受け取った。
「お~?何これ~?」
「何か困ったときに使うがよい。私が後ろ楯になろう」
「お~?」
ユーマが困ってるとチュウ太が出てきた。
『権力で王様が守ってくれるんすよ』
「お~!王様、ありがとー♪」
「礼を言うのは私の方だ」
するとバン!と扉が開かれた。
「ち、父上!母上が!母上が!」
「落ち着きなさい、フローラ」
ドレスに着替えたアネネがフローラの後ろからやって来た。
「母上が元気になられてるのに、落ち着いてなどいられません!一体…どうして」
「ユーマ殿がエリクサーを飲ませてくれたのだ」
「ユーマ殿!感謝するのじゃ!」
「お~!」
フローラはユーマを高い高いした。
「あらあら。フローラ、落ち着きなさい」
「これが落ち着いていられますか!母上が元気になられてるのですぞ!」
「お~?ボク、そろそろ帰るの~」
ユーマは突然帰ると言い出した。
「何故じゃ?」
「後は家族水入らず~」
ユーマはフローラに降ろして貰うとブレイドカノンに乗って村に戻った。
「お姉ちゃ~ん!」
「ユーマ?お帰り」
「ん~♪」
ユーマはセレーナの足に抱きついていた。
「どうしたの?甘えん坊さんになって」
セレーナがユーマを抱き上げると更にくっついてきた。
「お姉ちゃ~ん♪」
「こら♪くすぐったいよ♪」
ユーマは甘え続けた。
「すぅ~…」
「寝ちゃいましたね」
「どうしたのかしら?」
ユーマを寝かしつけると一部始終見ていたセリーと首を傾げた。
『旦那もまだ親の温もりが欲しいんじゃないんすか?』
「チュウ太?何か知ってるの?」
『実は…』
チュウ太はお城での出来事を説明した。
「…そう。そんなことがあったの」
『姐さん、旦那を怒らねえでくだせえ』
「怒らないわよ。むしろ褒めるべきよ、病気で伏せっていた人を助けたのだから」
セレーナは少し誇らしげな表情をしていた。
「お婆ちゃんの温もりが懐かしいのね」
『どういう事っすか?』
「ユーマはね…」
セレーナはユーマの過去の事件を話した。
『旦那にそんな過去があったんすね…』
「なるべく触れないでね?その話題には」
『ガッテン!』
チュウ太はユーマの過去を胸にしまった。




