第93話
「いらっしゃいませ~♪」
「おう!坊主?この新作のカレー蕎麦って何だ?」
「パスタみたいなやつなの~」
ユーマは頑張って宣伝していた。
「じゃあそれをくれるか?」
「まいど~♪」
ユーマは椀に蕎麦を入れてカレーをかけて渡した。
「どうやって食うんだ?」
「お!お蕎麦とカレーを絡めて食べると美味しいの~」
「お!本当にうめぇ!」
するとその声を皮切りにカレー蕎麦も売れ出した。
「はい、銅貨五枚になります!」
「ユーマ様!麺が茹で上がったわよ!」
「お!カレー蕎麦、お待たせ~♪」
茹で上がった蕎麦を貰い、ユーマはせっせと椀に蕎麦とカレーを入れて売っていた。
「お~…今日もくたくたなの~…」
むしろ忙しくなった。
「ユーマ様?大丈夫ですか?」
「お~…大丈夫~」
へにゃっとしているユーマを見たシャウは…
「がふぅ」
「お~?楽チン~」
ユーマを自分の体によりかかせた。
「ご主人様?売り方を変えて見てはどうですか?」
「例えば~?」
「もう少し値上げして食べ放題にするとかどうですか?」
ファリーの提案にユーマは…
「なるほど~」
納得して試すことにした。
「いらっしゃいませ~♪」
銅貨七枚で食べ放題にして立て札を出した。
「おう!?坊主?食べ放題ってホントか?」
「お~!先にお金を払って貰うとお椀を渡すの。後はテーブルにあるカレーとパンは食べ放題なの」
ユーマは一生懸命に説明していた。
「蕎麦はどうなるんだ?」
「こちらに注文して貰えばすぐに茹でますよ」
ネネが説明に付け足していた。
「銅貨七枚だな」
男はお金払うと椀を貰いテーブルに座った。
「お~♪いらっしゃいませ~♪」
次のお客さんも案内してどんどん迎え入れた。
「グツグツ~♪煮込んで~♪美味しくなれ~♪」
ユーマはカレーが減ってきたのでカレーを追加で作っていた。
「はーい、パンの追加ね!」
「お蕎麦、茹で上がりました!」
ナナとネネも厨房で慌ただしく動いていた。
「お~?今日は少し元気なの~」
『チュウ~!』
ネズミ達は溜まった椀を丁寧に洗っていた。
「ネズミさんもお疲れ様~」
『チュウ!』
「これなら楽出来そうね」
「お~!明日もがんばるの~!」
鋭気を養って眠りにつくユーマだった。




