第90話
コンコン
「入るのじゃ」
「失礼します」
「お~!ユーマ殿!」
ユーマが部屋に入ってくるとフローラは嬉しそうに迎えた。
「今日はシャウも一緒~」
「がぅ!」
「入るのじゃ♪」
シャウはフローラの側にふせをするとユーマが寄りかかった。
「さぁ、最近は何をしたのじゃ?」
「えっとね!カレーを作ったの!」
「カレー?聞いたことないのじゃ」
聞いたことないのでフローラは興味を持った。
「えっとね!辛いシチューなの!」
「美味しかったか?」
「うん!」
ユーマが嬉しそうに答えると…
「どんな味なのじゃ?」
「お~?お!お姫様、お台所借りてもいい?」
「ん?良いが…作ってくれるのか?」
ユーマは作る事を提案した。
「えっと!」
ユーマは電話で材料を取り寄せた。
「ネズミさん、お願いします」
『チュチュウ…チュ…チュウ~!』
「こっちじゃ」
フローラは先導して厨房に向かった。
「ここじゃ」
『チュウ~』
ネズミ達は木箱を置くとポーチに戻った。
「姫様?どうされました?」
「厨房を借りるぞ」
「それは構いませんが…」
厨房に居た料理長に許可を貰い…
「じゃあ作るね~」
ユーマは人参、ジャガイモ、玉葱を一口サイズに切り肉を炒めた。それを鍋に入れると煮込み始めた。
「後は~…ルーを入れて煮込んで~♪美味しくなれ~♪」
一時間位で作り上げた。
「ほう?これがカレーか」
「そう!美味しいよ!」
ユーマは椀にカレーを入れてフローラに渡した。
「姫様、毒味を」
「妾の友達が毒を盛ったといいたいのか?」
「いえ!滅相もございません!」
フローラの凄みに料理長は引き下がった。
「では、頂くぞ」
フローラはカレーを一口食べると…
「ほう!辛いが旨いのじゃ!」
「パンと食べても美味しいよ!」
「パンはあるかの?」
フローラが指示を出すと二人分のパンが運ばれた。
「うむ!パンに良くあうのじゃ!料理長!」
「はい」
「お主も食べてみよ。未知の味なのじゃ」
フローラが進めたので料理長はカレーを一口食べた。
「これは!?」
「ユーマ殿?作り方を教えてはくれぬか?」
「お~?ルーがないと作れないの」
ユーマはカレールーの事を教えた。
「ユーマ殿、頼む。ルーとやらを幾つか分けてくれぬか?」
「お~!待ってて」
ユーマは電話でルーを沢山取り寄せた。
「料理長、作れるか?」
「はい、作り方は覚えましたので」
流石は料理長。一度見ただけで覚えるのは流石である。
「ユーマ殿、このカレーを村の特産にしてみてはどうだ?村の復興に役立つぞ」
「お~?おばあちゃん達の生活楽になる?」
「なるぞ」
「頑張ってみるの~!」
フローラのアドバイスにユーマはカレーを広めてみる事にした。




