第84話
「あ、お姫様~」
「ユーマ殿、よくぞ駆けつけてくれたの」
「お~。お友達の為だもん」
フローラもやって来るとユーマは嬉しそうにしていた。
「そうか♪ありがとうなのじゃ」
ぐぅ~
「お~?がんばったらお腹減った~」
「それくらいなら用意させよう。いいですか、父上?」
「構わん。誰か」
国王は臣下に命じて食事の用意をさせた。
「すまぬが謁見の間に来てくれるか?」
「はい。ユーマ、行くよ」
「はーい」
ユーマはセレーナの後をトテトテとついて行った。
「此度の件、よくぞ駆けつけてくれた。礼を言うぞ」
「ハッ!」
「何か望みはあるか?あるなら申してみるがよい」
国王は膝まづいてるユーマ達に褒美の話を切り出した。
「陛下、褒美の話はこのユーマに。この子が駆けつけて倒したので」
「よかろう。ユーマ殿、何かあるか?」
「えっとね!…お姫様といっぱいお話ししたい!」
何とも子供らしいお願いだった。
「はっはっはっ!良かろう。フローラ」
「さぁ、ユーマ殿。妾の部屋に行くのじゃ!」
ユーマとセレーナはフローラの後をついて行った。
「でね!シャウがぎゅーって引っ張ってお魚が釣れたの!」
「ほう♪シャウは賢いのじゃな」
「がぅ♪」
ユーマはフローラの部屋に入ると早速最近の話しを始めた。
「それでね!ネズミさん達と一緒に焼いたの!」
「さぞ、美味しかったじゃろ?」
「うん!」
ユーマが嬉しそうに話すとフローラも楽しそうに聞いていた。
コンコン
「姫様、お食事の用意が出来ました」
「うむ、ご苦労」
フローラは侍女に礼を言うと椅子から立ち上がった。
「さて、食事の用意が出来たようだ。行くか?」
「ごはーん♪」
「すいません」
ユーマが飛び跳ねるとセレーナが謝った。
「よいよい。これくらい元気な方が良いからな」
「ありがとうございます」
「さて、食事に行こうかの」
フローラはユーマ達を連れだって食堂に向かった。
「おー!美味しそう!」
「こら、ユーマ」
「はっはっはっ!よいよい、子供はそれくらい元気な方が良い」
食堂に着くと国王が座っており、ユーマは料理を見てはしゃいだ。
「はい、シャウ、ネズミさん」
「がぅ♪」
『チュウ~♪』
ユーマは料理を切り分けるとシャウとネズミ達に分け与えた。
「いただきまーす!」
ユーマが食べ始めるとシャウとネズミ達も食べ始めた。
「ハグハグ♪美味しい~♪」
ユーマは美味しそうに料理を平らげた。
「ケプ♪美味しかったの~♪…ねむねむなの~…」
「もう」
ユーマはセレーナの膝の上に乗ると眠った。
『チュウ!』
「相変わらず仲が良いの」
「すいません」
姫様の前ではしたないと思ったセレーナだが、フローラは気にした素振りを見せなかった。
「今日は泊まってくとよい。誰か」
国王の恩情でセレーナとユーマは城に一泊していった。




