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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
穏やかな日常
77/120

第77話





「らんらんらん♪シャウ~」



「がぅ?」



「呼んでみた~♪」



次の日、楽しそうにシャウと戯れてるユーマを先頭にレイム村に向かっていた。



「ユーマ様は楽しそうにしてるわね」



ナナもユーマの様子を見て少し和んでいた。



「がぅ?がぅ!」



「お?お~!村だ~♪」



シャウが村に気付くとユーマが指を指してセレーナに教えてきた。



「シャウ~♪進め~!」



「がぅ!」



ユーマを先頭に村に入った。



「ここがレイム村です」



「お~」



「こちらがアタシ達の家です」



村に着くとナナ達が自分達の家に案内した。



「あ!ナナ姉ちゃん!」



「ネネお姉ちゃんも!」



二人が家に近付くと中から偶々出てきた兄弟に呼ばれ抱きついてきた。



「ナナ!?ネネ!?」



「二人ともどうして!?」



両親が出てくると嬉しそうに抱きしめて訪ねてきた。



「私達のご主人様が家族に会いなさいって言ってくれたの」



「そちらの方か?」



「違うわ。ユーマ様」



ナナがユーマを呼ぶとユーマはトコトコと出てきた。



「この方が私達のご主人様」



「えっと、ユーマです」



ユーマはペコリと頭を下げてセレーナの後ろに戻った。



「どう?ちゃんと過ごせてる?」



「平気だよ。お前達が身売りしてくれたおかげで年を越せるよ」



どこか寂しそうな母親だった。



「そんな顔しないで。私達は大丈夫だから」



「そうよ。アタシ達は大丈夫だから、気にしないで」



二人は精一杯の笑顔で家族を元気づけた。



「ゆっくり出来るのかい?」



「それは…」



「ユーマ、ナナとネネにゆっくり話をさせてあげて」



セレーナは気をきかせて、ユーマも空気を読んだ。



「いいよ~。ゆっくりしてて~」



「ありがとう、ユーマ様」



「ありがとうございます、ユーマ様」



ユーマの許可を得た二人はユーマに礼を述べ…



「私達は別の場所にいるわね」



「ですがこの村には時間を潰せる場所はありませんよ?宜しかったらご一緒にどうですか?」



「せっかく家族に会えたのだから私達を気にしなくていいのですよ?」



セリーがやんわり断るがナナは首を振った。



「こんな寒空の下にユーマ様達を置いてきぼりは出来ないですよ」



「お姉ちゃんの言う通りです。あばら家ですけど宜しかったらご一緒に」



「シャウも一緒~」



ユーマはシャウに抱きついていた。



「いいですよ、ユーマ様」



「さぁさぁ皆様、中にどうぞ」



ユーマ達は中に案内されてお邪魔した。



「ぽかぽか~♪」



ユーマはシャウを背もたれにして暖炉の前に座っていた。



「でも良かったよ。元気そうで」



「私達はユーマ様に拾われたの。あの時、ユーマ様に会わなければ私達は鉱山送りになってたから」



「アタシみたいなのにも気を使ってくれる優しい人よ」



ナナとネネは安心したように話した。



「お~?」



「気にしなくていいの」



「お~!」



セレーナに言われてユーマはシャウと再びじゃれだしていた。



「お母さん、お腹減った~」



「ちょっと待っててね?今、お客様が居るから…」



「私達の事は気にしないで下さい。お子さんを優先して下さい」



セレーナがそう言うとここでシャウが唸り声をあげた。



「グルル!」



「シャウ?どうしたの?」



「がぅ!」



シャウは外に向かって吠えた。



「お外~?」



ユーマは外に出るとシャウに連れられて村の入口にやって来た。



「がぅぅぅ!」



「お~?」



シャウが唸り声を強めたのでユーマも視線を凝らした。



「お~…お!モンスター!?」



ユーマがモンスターを確認するとすぐさま動いた。



「ファリー!お姉ちゃんを呼んできて!それまでボクが足止めしているから!」



「わかりました!」



ファリーは急いでセレーナ達の下に向かった。



「火よ!彼の者を貫く矢となれ!ファイヤーアロー!」



火の矢がモンスターに当たるとモンスターは小走りに向かって来た。



「大きい…」



「がぅ!」



全長三メートルはある大型の牛型モンスターだった。



「でも、行かせないよ!」



ユーマはマジカルガンナーを構えると…



「全弾発射~!」



モンスターに向けて撃ち込んだ。



『やりすぎではないか?』



「そう~?」



流石に全弾はやりすぎと思ったのかユーマは不安そうにモンスターの方を見た。



「ユーマ!」



「大丈夫ですか!?」



爆発を聞きつけ急いでセレーナとセリーがやって来た。



「大丈夫~」



「それで?モンスターは?」



『どうやら無事のようだ』



マジカルガンナーの呟きにセレーナとセリーは武器を構えた。



「デカイわね…」



『主よ、炸裂弾を』



「わかった~!」



ユーマが弾の交換をする時間を稼ぐ為にセレーナとセリーがモンスターに向かった。



「ハァ!」



「えぃ!」



セレーナとセリーは相手の死角を的確に攻め立てていた。



「お姉ちゃん!離れて!」



ユーマの声にセレーナが反応してモンスターから離れると、ユーマは炸裂弾を撃ち込んだ。



「……」



煙が晴れるとモンスターは倒れていたのでセレーナは警戒しながらモンスターに近付くと生死を確認した。



「ふぅ…」



セレーナが剣を収めるとセリーとユーマも武器を下ろした。



「ネズミさん、調べてくれる?」



『チュウ~!』



ネズミ達は牛型モンスターに近付くと色々調べていた。



『チュウ!』



「お~!お姉ちゃん、食べられるって」



「そう。なら解体しましょうか」



セレーナとセリーは手際よく解体していった。



「えっほ、えっほ」



『チュウチュウ!チュウチュウ!』



解体された肉はネズミ達がバケツリレーの要領でユーマに渡していき、ネズミ達に持ってきてもらったリュックにしまった。



「しばらく肉には困りそうにないわね」



「そうですね」



「お~。お肉一杯~」



ユーマが嬉しそうにリュックを背負った。



「さぁ、戻りましょう」



セレーナを先頭にユーマ達は村に戻った。



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