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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
穏やかな日常
76/120

第76話


「はぁ~…何してるのよ…チュウ太?フォローを頼んだでしょ?」



『いや、アッシも止めようと思ったんすけど、鉱山送りになると聞かされると流石に見捨てるのもどうかと思いやして』



「アンタが情に流されてどうするのよ」



帰るなりセレーナから愚痴がこぼれた。



「お姉ちゃん?ボク、悪いことしたの?」



「そうじゃないの。ん~…説明が難しいわね」



セレーナはユーマの頭を優しく撫でて…



「今度からはお姉ちゃんに相談してから買うんだよ?」



「うん♪わかった~♪」



取り合えず今は何も言わない事にした。



「さぁ、お腹減ったでしょ?ご飯出来てるよ」



「わーい♪ご飯だ~♪行こう、ナナさん、ネネさん」



ユーマは二人の手を引いて配給所に向かった。



『姐さん…すいやせんでした』



「いいわよ。今は鉱山送りになりかけた二人を救ったって事にしましょう」



『へい!ではアッシもいってきやす』



チュウ太はユーマの後を追いかけた。






「エリシアさーん♪ご飯くださーい♪」



「あら♪ユーマ君、お帰りですわ♪」



エリシアはユーマに椀と干し肉を渡すとスープを注いだ。



「そちらの二人はどちら様?」



「ユーマ様の奴隷です。ネネと言います」



「ナナです」



二人の自己紹介にエリシアは椀を落としそうになった。



「ユ、ユーマ君!?どういう事ですか!?」



「エリシア、落ち着いて。私が説明するから。ユーマ、アキナとセリーを呼んできてくれる?」



「はーい!」



ユーマはテーブルに椀と干し肉を置くと二人を探しに向かった。そして帰ってくると二人もやって来てナナとネネについて説明した。



「あむあむ♪」



「取り合えず二人にはユーマの面倒を見ててもらいましょう」



「そうだな。オチビはほっとくと時々何をするかわからないからな」



酷い言われようだが、ユーマはご飯に夢中で気付かなかった。



「さぁ、お二人とも。お腹空いてますよね、どうぞ」



「いいんですか?」



「アタシ達は奴隷ですし、残飯で…」



セリーが食事を二人に勧めるが、二人は遠慮していた。



「貴女達はユーマの身内になったの。だから遠慮しないで食べなさい 」



セリーはスープを、セレーナは干し肉を渡した。



「お姉ちゃん…具の入った温かいスープだよ」



「それに干し肉まで…」



「遠慮しないで食べなさい」



二人は一目散に食べていた。



「お代わりもありますからね」



「うぅ…ありがとうございます」



ナナが礼を言いながら食べていた。



「余程苦労してたみたいですね…」



「いえ、そんなことは…」



「深くは聞かないわ。それなりに訳ありでしょうし」



セレーナがそういうとナナは首を振った。



「アタシ達は家族の為に自ら身売りしたんです」



「私達は七人兄弟の一番上の姉妹なんです」



「大家族だ~ 」



いつの間にかユーマも戻って来てナナとネネの話を聞いていた。



「ですが不作が続いて年を越せないと分かりました。それでアタシ達姉妹は相談して身売りする覚悟を決めました。両親は当然反対しました、ですが小さい子達にこれ以上食事を減らせて辛い思いをさせる訳にはいきませんでした」



「なるほどね。それで?何処の村なの?」



「レイム村です」



ナナの話を聞いて、出身村を尋ねてからセレーナは地図を広げた。



「…近いわね。どうする?契約を解除は出来ないけどご両親に会うくらいはさせてあげるわよ?」



「いえ、大丈夫です」



「別れはちゃんと済ませましたから」



二人は遠慮したが…



「家族に会いたい~?」



「大丈夫ですよ、ユーマ様」



ネネは大丈夫そうに振る舞うがどこか寂しそうだった。



「お姉ちゃん、近くなんだよね?」



「えぇ、近くよ」



「会いにいこう!」



するとユーマは行こうと言い出した。



「全員で行くか?」



「二人は護身術か何か覚えてる?」



「いえ、アタシ達は特には」



アキナの提案にセレーナは考えていた。



「…よし。私とセリーで行きましょう」



「いえ!本当にお気遣いなく」



ネネが遠慮するがセレーナは少し真面目な顔で諭した。



「会えるチャンスが有るなら会っておきなさい。無事だと教えてあげるのも重要よ」



「…分かりました。ありがとうございます」



二人は頭を下げて礼を言い、レイム村に行くことが決まった。







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