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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
穏やかな日常
75/120

第75話




「…でね?お姉ちゃんがズバッてやっつけたの!」



「セレーナ殿は流石だの」



フローラは最近のユーマ達の動向を聞いて目を輝かせていた。



「あとね!!ネズミさん達も頑張ってくれるの!」



「よい友達を持ったのじゃな」



「うん♪」



ユーマは嬉しそうに頷いた。するとドアがノックされフローラが許可するとコラールが入ってきた。



「ユーマ殿、先程のお金をお持ちしました」



「ありがとうございます」



ユーマはお金を受け取るとポーチにしまった。



『旦那、ご歓談もいいですがそろそろ帰りやせんと』



「そんな時間?」



「残念じゃの」



ユーマが帰り支度をするとフローラは寂しそうにした。



「お姫さま、また来てもいい?」



「お?おぉ!待ってるのじゃ!」



「じゃあまたね~♪」



ユーマはフローラの部屋を出ると城の外に向かいブレイドカノンに乗って村に向かった。



「ほかほか~♪おサイフほかほか~♪」



『よかったですね、マスター』



『よかったっすね!ん?旦那、彼方を見てくだせえ!』



肩に乗ったチュウ太が伸ばした腕の先を見ると馬車がモンスターに襲われていた。



「無視するのも可哀想だし助けようか。ブレイドカノン!」



『はーい!向かいまーす』



ブレイドカノンは急下降するとモンスターに向かった。



「雷よ、彼の者を貫く矢となれ!サンダーアロー!」



ユーマはスレ違い様に魔法を撃ち込んだ。



「がぁ!」



「ブレイドカノン!」



『いっきまーす!』



ユーマが飛び降りるとブレイドカノンは反転して鬼のようなモンスターに体当たりした。



「ぐるっ」



知性が高いのか勝てないと思うとモンスターは逃げ出した。



「行っちゃった…チュウ太?」



『賢いようっすね。とりあえず馬車の方を確認した方がいいんじゃないっすか?』



ユーマが馬車に近付いて行くと年輩の男性が出てきた。



「だいじょうぶ~?」



「坊主、何者だ?」



「ボクはハンターだよ」



ユーマは怪しまれないようにライセンスを見せた。



「ハンター!?世の中も変わったもんだな」



「おじさんは商人?」



「俺か?俺は奴隷商だ」



「どれいしょう?」



ユーマは少し考えて納得した。



「おぉ!わかった」



「わかってくれたか。礼をしたいが生憎金も何も持って無いんだよな」



「べつにいいよ~?困ったときはお互い様~」



ユーマは気にしないと言ったが奴隷商の男は納得しなかった。



「そうだ!今、奴隷が二人いる!一人をタダで契約してやるよ」



奴隷商が荷台を見せると二人の少女がいた。



「売れ残りで悪いがどうだ?」



「うれのこり?」



「あぁ、こいつら二人一緒にって言って離れねえんだ」



奴隷商はめんどくさそうに語った。



「まぁ売れないから鉱山送りになるところだったんだがな」



「おぉ…可哀想」



「わがままを通したんだ。自業自得だ」



厳しいが事実である。



「さぁ、坊主。好きな方を選びな。タダで契約してやるよ」



「う~ん…」



ユーマは暫し悩みぬいた。



「おじさん、二人一緒にはダメ?お金なら払うの」



「金を払って貰えるなら問題はないが一人金貨一枚はするぞ?」



「お~。払える」



ユーマは金貨一枚を取り出した。



「確かに。ならライセンス出してくれ、契約するから」



「はい」



奴隷商は契約済ませると二人の少女を荷台から降ろさせた。



「契約完了だ。これでこの二人は坊主のものだ」



「よろしくね♪」



ユーマが挨拶すると奴隷の二人も頭を下げた。



「じゃあ坊主。助けてくれてありがとうな」



「お~。おじさんも元気でね~♪」



ユーマは馬車が見えなくなるまで見送った。



「えっと、お姉さん達のお名前は?」



「アタシはナナよ…です」



「私はネネです」



活発そうな髪の短い少女がナナ、控えめで大人しそうな髪の長い少女がネネ。



「よろしくね♪ボクはユーマ」



「よろしく」



「よろしくお願いいたします」



二人はぎこちないながらも挨拶していた。



『旦那、どうやって帰るんすか?』



「お~…チュウ太~…どうしよう?」



『はぁ、仕方ありやせん。お嬢ちゃん方、馬は乗れやすか?』



チュウ太が訪ねるが二人はチュウ太を見て固まっていた。



「ネズミが…」



「喋ってます…」



「チュウ太~…取り合えずお馬さんだして」



呆けてる二人を他所にユーマはチュウ太に頼んで折り紙馬を出して貰った。



「今度は馬が出てきた…」



「ふぇ~…」



『さぁ、お二人さん。行きやすぜ』



ナナが馬に乗ると後ろにネネが乗り、ユーマもブレイドカノンに乗って歩を進めた。



「その、ユーマ様は何者なんですか?」



「ボク?只のハンターだよ?」



「その年でハンターってのがおかしいのよ…です」



ネネの問いにユーマが答えるとナナが突っ込んでいた。



「お!ナナさん、敬語使うの辛かったら普通にしてていいよ?」



「そう?」



「お姉ちゃん!」



ナナが納得しかけたがネネがストップをかけた。



「お姉ちゃん?ナナさんとネネさんは姉妹?」



「そうよ。アタシが姉でネネが妹」



「そうなんだ~。ボクにもお姉ちゃんがいるんだよ♪」



ユーマが嬉しそうにセレーナの話をしているので二人はしっかりと聞いていた。



『旦那、村が見えてきやしたで』



「ホントだ~♪」



チュウ太が報せるとユーマが嬉しそうに頷いた。





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