第71話
「らんらららん♪」
明くる日、ユーマは魔導騎兵の肩に乗って辺りを眺めていた。
「ユーマー!」
「あ、お姉ちゃんだ。魔導騎兵、降ろして~」
魔導騎兵はしゃがむとユーマを降ろした。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「町に行くけど、一緒に行く?」
「うん、行く~。魔導騎兵は待っててね~‼」
魔導騎兵が頷き、セレーナ達は近くの村に向かった。
「お~?今日は人がいっぱい~」
「どうやら行商か何か来てるみたいね」
「じゃあ手分けして買い物しようぜ」
アキナの提案により各々で買い物を始めた。
「いっぱいだね~」
「そうですね。ご主人様は何か買われるのですか?」
「なんか面白い物を探す~」
ユーマはユーマでファリーと露店商を見て回った。
「何かないかな~?」
ユーマは色んな物を眺めながら物色していると…
「お!本だ」
ユーマが手にとって中を見ると真っ白だった。
「お~?真っ白だ。お姉さん、この本は何?」
「あ~それ?何か変な本なのよね。何も書かれてないし、書こうとしても書けないから不気味なのよね」
「お~?これ幾らですか?」
ユーマは本が気になったのか値段を訪ねた。
「欲しいならあげるわよ。置物位にしか使えないから」
「わーい♪ありがとうございます」
ユーマは嬉しそうに露店を去った。
「ご主人様?良かったですか?そんな不気味な本を貰われて」
「えっとね」
ユーマはさっきの露店からだいぶ離れた事を確認してから答えた。
「これ魔導機だよ」
「ふぇ!?そうなんですか!」
「お~。ファリー、しー」
ファリーが驚いているとユーマは静かにするように言った。
「すいません」
「お姉ちゃん達を探そう‼」
ユーマ達はセレーナ達に合流する為探し始めた。
「お!エリシアさん発見~」
「あら?ユーマ君?どうしたんですの?」
買い物をしていたエリシアを見つけた。
「楽しんだからみんなを探してるの~」
「じゃあ一緒に探しましょうか♪」
「さがす~♪」
ユーマ達はセレーナ達を探し始めた。
「いーるかな?いないかな?」
ユーマが楽しそうにしているのをエリシアとファリーは後ろで眺めていた。
「ユーマ君は楽しそうですね」
「はい♪ご主人様が楽しそうにしているのを見ると嬉しいのです!」
「どうしたの?」
エリシアとファリーが話していると不思議そうにユーマが見上げてきた。
「なんでもありませんわ♪」
「そっか~♪」
ユーマは気にせず前を向きセレーナ達を探し始めた。
「あ~‼お姉ちゃ~ん!」
「わっと!どうしたの?」
「見つけた~」
ユーマはセレーナを見付けると抱きついた。
「がぅ~♪」
シャウもユーマにすり寄った。
「シャウ~♪」
わしゃわしゃっと撫でるとシャウは嬉しそうにしていた。
「私の方も買い物が終わったからセリー達を探しましょう」
「さがす~♪」
シャウに股がりセリーとアキナを探し始めた。
「いーるかな?いないかな?」
「テンションが高いけど何かあったの?」
「はいです!魔導機が手に入ったです」
ユーマのテンションの高さをファリーは説明していた。
「はぁ!?あの子は…魔導機にでも好かれてるのかしら」
「好かれる事は良いことです!」
「どうしたの~?」
セレーナとファリーが話しているとユーマが訪ねてきた。
「何でもないよ」
「そっか~…あ!アキナさーん!セリーさーん!」
「お!オチビ」
ユーマが視線を後ろから前に戻すとアキナとセリーを見つけた。
「皆さんも買い物が終わったんですね」
「えぇ。そろそろ村に戻りましょうか」
「おお!もどる~」
セレーナ達は村に戻っていった。




