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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
68/120

68話

「おぉ!これが噂の巨人か!」



フローラが魔導騎兵の前に来ると足をペタペタと触っていた。



「巨人よ!私を手に乗せてくれまいかー!」



フローラが魔導騎兵に願い出るが反応しなかった。



「えっと…フローラ姫?魔導騎兵はこの子、ユーマの言う事しか聞かないんです」



「そうなのか?なら、ユーマとやら!巨人に頼んではくれぬか?」



「うん!魔導騎兵~!」



ユーマが呼ぶと魔導騎兵が膝をつき、手を差し出して乗るように促した。



「魔導騎兵~、お願~い 」



ユーマが声をかけると魔導騎兵はゆっくり立ち上がった。



「おぉ~!絶景じゃのう!」



「姫様、あまり身を乗り出しては危険ですよ」



同乗したエリシアがやんわりと注意した。



「わーい♪僕が一番たかーい!」



するといつのまにかユーマが魔導騎兵の頭の上に座っていた。



「ズルいのじゃ!私も!」



「いけません、姫様!危険です!」



ユーマの真似をしようとするフローラをエリシアは止めると…



「ユーマく~ん!危ないですから降りて来てくださ~い!」



「はーい」



ユーマはするすると頭から降りて肩をつたって降りてきた。



「ただいま~!」



「もう、ユーマ君?危ない事しちゃ駄目ですよ?」



「ごめんなさい」



普段は自分を怒らないエリシアに怒られたのでユーマは素直に反省していた。



「はい♪いい子ですね♪じゃあ降りましょうか?」



「なぬ!?妾はもっと居たいぞ!」



「いけません、姫様。下で国王陛下が心配されています」



エリシアの言葉にフローラは渋々納得して…



「魔導騎兵~、降ろして~」



降ろしてもらった。



「おぉ、無事に戻ったか」



「父上は心配しすぎなのです」



「娘の身を心配しない親などいないぞ?」



何ともさっきまでと違う印象の国王だった。



「お姉ちゃん、ただいま~!」



「いい子にしてた?」



「う~んとね……えへへ」



ユーマは笑って誤魔化した。



「もう…」



コツンと軽くげんこつをユーマの頭にセレーナは落とした。



「ユーマと言ったかの?」



「うん!えっと…はい」



「そんなに固くならなくてよい。さっきみたいにしててくれ。妾を巨人に乗せてくれて感謝する」



姫から直々に感謝されたユーマは…



「えっと…どういたしまして?」



「また乗せてくれまいか?」



姫の頼みにセレーナは苦笑いしていた。



「フローラ、まだこの者達が我が国に属するとは決まってないのだよ」



「そうなのか?」



「はい、私達は国に所属する意思はありません」



セリーがきっぱり断ると国王は渋った。



「それを信じたとして君達が他国に属さないという事をどうやって証明する?」



「それは…」



国王の返しにセリーは詰まった。



「なぜ国に所属したくないのじゃ?」



「それは…」



「私達はハンターですので自由が無くなるのは…」



セレーナが本音を言うと…



「じゃが国に所属した方が安定した収入があるぞ?」



フローラが現実問題を出してきた。



「確かに…そうですが」



「お姉ちゃんを困らせちゃ、め~!」



「ユーマ!?」



セレーナが困っているとユーマが怒りだした。



「いや、そんなつもりは無かったのじゃ」



「む~」



「その、すまぬ」



フローラが謝るとユーマも怒るのをやめた。



「しかし、どうやってあの魔導騎兵?を手に入れたのだ?」



「それは…」



セレーナが言いよどんでいると…



「僕が呼んだら来たの~」



正直に話してしまった。



「呼んだら来るのか?」



フローラ姫が疑問視していた。



「正直私達も驚きました」



セリーが付け足すと信じて貰えた。



「どうし…上!」



すると突然、ユーマが声を張り上げた。



ガキィン!



セレーナが咄嗟にフローラ姫を引き寄せると剣を抜き上からやって来た刺客を迎えた。



「くせ者!」



コラールが声を張り上げたが…



シュタ!っと刺客はその場を離れて逃げ出した。



「待て!」



コラールと駆け付けた兵士が追いかけて行き、セレーナはフローラ姫を放した。



「姫様、とんだご無礼を」



「よ、よいのじゃ。おかげで助かったのじゃ」



「ユーマ、気配は?」



セレーナは周囲に怪しい気配がないかユーマに訪ねた。



「ううん、しないよ」



ユーマの探知には何も引っかからなかった。



「フローラ!無事か‼」



「妾は大丈夫です」



国王はフローラの無事を確認すると安心した。



「すまぬがもう一度謁見の間に来てもらえるか?」



「…わかりました」



セレーナ達はもう一度謁見の間に戻った。



「さて…まずは感謝を。フローラを救ってくれて感謝する」



「恐れ入ります」



「…頼まれてくれまいか?」



椅子に座った国王が先程とは違う…危機感を醸し出した表情でセレーナ達に頼みこんできた。



「…何でしょう?」



「王国に力を貸して貰いたい」



「それはお断りしたはずですが?」



セレーナが断ると…



「冒険者の君達として頼みたいんだ」



「冒険者としてですか?」



「そうだ。君達に探して貰いたい物がある」



国王はセレーナ達を見て少しの間を置いて語り出した。



「…伝説の魔導機を探して貰いたい」



「伝説の魔導機?」



「そうだ、王家の伝説で言葉を話す魔導機が存在するらしいのだ。言い伝えでは凄まじい力を宿しているらしいのだ」



持ってます。とは言いにくいセレーナ達だった。



「…お断りします」



「民の為なのだ!頼む‼そなたらの力を貸してはくれまいか?」



「魔導機を使うということは…戦争でもする気ですか?」



「……」



国王は黙りこんでしまった。



「沈黙は答えととりますが?」



「私も戦争など下らぬと思っている」



「では、なぜ?」



セリーが問うと国王から衝撃の言葉が帰ってきた。



「先日…隣国のトラザヌ国から宣戦布告が来た」



「やはり…噂は本当だったのですね」



「噂?」



アキナは知らないのかセレーナに訪ねた。



「こないだ近くの村に行ったときに噂を聞いたの」



「なるほど」



「ですが、何故すぐに戦争と思ったのですが?」



アキナが納得すると今度はエリシアが訪ねてきた。



「魔導機の大半は戦いの道具なの。王家にとって飾る以外に使い道があるとしたら戦いの道具として。そして王家にとって戦いは戦争を意味するってこと」



「なんと…あれだけの会話でそこまで見抜いたのか」



「恐縮です」



国王はセレーナの観察力に驚いていた。



「それで話を戻すが…受けては貰えぬか?」



「その…」



セリーが言いよどんでいると…



「やだもん!」



ユーマが拒否を示した。



「ユーマ殿?」



「マジカルガンナー達は戦争の道具じゃないもん!僕の大事な友達だもん!」



「その言い方は…もしや持っているのか!?言葉を話す魔導機を!」



ユーマの言葉に国王が感ずいてしまった。



「…はい」



セレーナは諦めて認めた。



「見せては貰えぬか?」



「ユーマ?」



「やだもん!戦争の道具にさせないもん!」



ユーマは走り出して謁見の間から出ていってしまった。



「ユーマ!」



セレーナも後を追いかけたかったが謁見の最中なので動けなかった。










「ぷん!」



中庭でユーマがふてくされていると…



「ここにいたのじゃな」



フローラ姫がやって来た。



「父上がすまなかった」



「…なんでお姫様があやまるの?」



「なんとなくじゃ」



子供同士の会話であった。



『旦那、元気を出してくたぜー』



コートの中からチュウ太が出てきた。



「おお!それが言葉を話す魔導機なのか!?」



「渡さないもん!」



ユーマは守るように抱いた。



「盗らぬよ」



フローラ姫は苦笑しながら答えた。



「挨拶させてもらうぞ?妾はフローラじゃ」



「…チュウ太」



『初めましてお嬢さん。アッシは旦那の使い魔的ポジションの魔導機、チュウ太といいやす』



チュウ太はユーマの肩の上で挨拶をした。



「おぉ!賢そうじゃの!」



「…賢いもん」



「なぁユーマ殿?そんなふてくされないで妾と仲良くしてくれぬか?」



フローラは少し悲しそうに頼んできた。



「仲良く?」



「そうじゃ。妾と友達になってくれぬか?」



「お友達?」



ユーマが首を傾げて訪ねた。



「そうじゃ」



「でも、僕は…」



小さい頃のトラウマで友達が作りにくいユーマだった。



「ダメかの?」



「いいの?」



「よいのじゃ!」


不安そうなユーマの表情はフローラの言葉によって笑みに変わった。



「妾も友達と呼べる者がいないのじゃよ…」



「そうなの?」



「お姫様というのも難儀でな?話友達すら出来ぬよ」



フローラの本心がちょっとだけ現れた。



「あのね!僕も最近、友達が増えたの!」



「さっきのネズミがそうなのか?」



「えっとね!ネズミさん、集合!」



ユーマが折り紙ポーチを地面に置くと中から折り紙ネズミ達が出てきて整列した。



「なんと!?」



「ネズミさん、ご挨拶」



『チュ!チュウ~‼』



ネズミ達は片手を上げて挨拶した。



「圧巻じゃの」



「みんな、僕の大事な友達~」



『チュウ~‼』



ネズミ達は嬉しさを行動で示した。



「わぷ!?」



『こら!おめえ等!調子にのるな!』



ユーマに抱きついていたネズミ達は、ビシッと再び整列した。



「仲がよいのじゃな」



「お姫様も今日から友達~」



「そうじゃったな。よろしく頼むぞユーマ殿」



フローラが手を差し出すとユーマも真似をして手を差し出した。







「ユーマ」



「お姉ちゃん?」



「国王陛下が話があるからって」



どうやら連れ戻しに来たらしい。



「わかった~」



ユーマはネズミ達をしまうとセレーナに付いていこうとすると…



「妾もいくぞ」



フローラ姫もついていくことにして謁見の間に戻った。



「すまぬな。客人に迎えをさせてしまって」



「いえ」



ユーマがセレーナの横に膝まつくと…



「父上!妾はユーマ殿と友達になったのじゃ‼」



「…そうか。よかったの」



国王はフローラの頭を撫でるとセレーナ達に目を向けた。



「君らの意見はわかった。だが、やはり国王としては見逃せないのだ」



「ですよね」



どうやらユーマがいない間に協力出来ない話で進んでいたらしい。



「父上、何とかなりませんか?」



「ワシの一存でも無理だな」



「困ったの…」



フローラ姫も困り出した。



「交渉材料が少ないのでな。困ったの」



「ユーマ殿達は何か困ってないのか?」



「オヤツが買えない事~」



「それはユーマだけでしょ」



ユーマの本音にセレーナがつっこんだ。



「お姉ちゃん、帰ろう?お婆ちゃん達が心配するよ」



「お婆ちゃん達?ユーマ殿にはお婆様が居られるのか?」



「違うよ~。村にお婆ちゃん達が住んでて家族に捨てられちゃったの~」



ユーマの言葉に国王が顔をしかめた。



「その話は本当か?」



「はい…」



「変だの…そこまで税を厳しくしていないはずだが」



国王が難しい顔をしていた。



「ですが貧困なのは事実です」



「ふむ、調べる必要があるな…」



国王は不審に思い調査をすることにした。



「コラール」



「ハッ!」



「諜報部の者に調べるように伝えてくれ。それと物資の救援も」



国王が指示するとコラールは部屋を出ていった。



「さて、話を…」



「陛下…そろそろお時間ですが…」



「後にせよ。こちらの方が重大だ」



側近の者が声をかけるが自分達を優先されてしまった。



「ぶ~‼」



「ユーマ殿?そんなにふてくされないでくれ」



ユーマがふてくされているとフローラにたしなめられた。



「ボク、もう帰りたい」



「退屈かの?」



「うん!」



ユーマが正直に答えるとフローラは苦笑していた。



「なら、妾と遊ぶか?」



「いいの!?」



「ユーマ」



流石にそれはマズイと思いセレーナが止めた。



「ぶ~」



「国王陛下、話を戻しましょう」



「うむ。なら遠慮なく話させて貰うぞ」



国王が意気込むがセレーナは出鼻を挫いた。



「国には所属しませんけど」



「それだと、いつまでも平行線だぞ?」



セレーナは解っているのか中々折れなかった。



「ですが私達の利益にはなりません」



「国に所属するのが利益にはならないと?」



「自由を失ってまで獲たい物ではありません」



セレーナが静かに答えた。



「ふむ、自由か…ならこれならどうじゃ?」



「何でしょう?」



「国に所属して貰いながら基本活動はハンターとして活動を制限しないというのはどうじゃ?報酬もそのまま自分達の物にしてよしとする」



国王陛下はセレーナ達にとっての好条件を出してきた。



「いざとなったら国の為に働けと?」



「そうだ」



「条件があります」



ここに来てセレーナが代案を出してきた。



「所属するのは私とユーマだけに…」



「セレーナ。前にも言ったが水くさいぞ」



「アキナ…」



セレーナがアキナ達を見ると皆頷いていた。



「では所属してくれるという事で良いのだな?」



「条件を守って貰えるなら」



「約束しよう。紙と筆を」



国王は先程の内容を書き、判を押した。



「これをお主に渡す」



「…確かに」



セレーナは内容を確認して受け取った。



「月一でよいから手紙を出してくれ。所在を知っておきたいからな」



「おー!それならお姫様にこれをあげる~」



「ん?なんじゃ?これは?」



ユーマはポーチから電話を取り出した。



「友達の証~」



「そうか♪友達の証か」



フローラ姫はユーマを撫でながら受け取った電話を眺めていた。



「それでこれは何なのじゃ?」



「これはですね…」



セリーが使い方の説明をしていた。



「なんと!?これは魔導機なのか!?」



「よいのか?聞いた限りでは相当価値のある魔導機だぞ?」



「見つけたのはユーマですし、それを渡すかどうかを選ぶのもユーマですから」



セレーナ達の間ではユーマが見つけた物はユーマの物と認識していた。



「これで何時でも話せるのじゃ!」



「うん♪」



ユーマは楽しそうに返事した。



「ふむ、これほどの魔導機を貰っておいて何も返さないのは不本意だな。何か望みはないか?」



「そうですね…」



「ねぇねぇ王様!」



するとユーマが国王に声をかけてきた。



「こら!」



「よいよい。どうしたのじゃ?」



「ここにご本はある?」



「ふむ、あるぞ?この城には沢山の本が置いてある図書室がある」



ユーマの問いに国王が自慢そうに答えた。



「ボク、ご本が見たい!」



「そんなことでよいのか?」



「はい。お願い出来ますか?」



セレーナも後押ししていた。



「よかろう。お主達に図書室の出入りを許可しよう」



「ありがとうございます」



「さて、だいぶ遅くなってしまったな。お主達も今日は泊まって行くがよい。ささやかな晩餐も用意しよう」



国王はセレーナ達にご馳走を用意することを語った。



「ありがたいのですが…」



「遠慮はいらんぞ?」



「ネズミさん達もいいの?」



セレーナが遠慮しているとユーマが訪ねてきた。



「ネズミ?」



「父上。ユーマ殿には沢山のネズミの使い魔がおるのです」



「そうか。構わんよ、用意させよう」



国王は側近に命じて晩餐の用意を始めた。











「ハグ♪ハグハグハグ♪」



『ハグハグ♪ハグハグ♪』




「壮観じゃの」



ユーマとネズミ達の食べっぷりに驚いていた。



「けぷ」



『チュプ』



ユーマとネズミは満足したのかお腹を押さえていた。



「もう…」



ユーマのだらけた姿にセレーナは自分の膝の上にユーマを移した。



「ねむねむなの~」



「はいはい。寝てなさい」



「おやすみ~…」



ユーマは幸せそうに眠った。するとネズミ達はセレーナを囲うように待機した。



「どうしたのじゃ?」



「ネズミ達はユーマを守ってるですよ。」



「良い主従関係じゃの」



フローラ姫が褒めると…



「いえ、友達ですよ」



「失言じゃったな、確かに友達じゃの」



『チュウ!』



王女の言い方に満足したネズミ達は頷いて答えた。



「さて、夜も更けてきたしそろそろ休むがよい」



国王が目配りすると控えてたメイドが扉の前で待っていた。



「ではお言葉に甘えます」



セレーナ達は城で一夜を明かした。



「お姫様、またね~」



「息災でのユーマ殿!」



「出発~‼」



ユーマ達はお城を後に村に帰って行った。




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