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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
62/120

62話



「お買い物~!お買い物~!」



「何を買うんだ?」



「えっと、当面の食料と苗ね。今後の為にも多く買ってきましょう」



セレーナがそう言うとユーマがくるりと回りセレーナを見上げた。



「お姉ちゃん、はい!」



「ライセンス?どうしたの?」



「お買い物でお金が必要でしょ?だから!ボクのわがままだからボクがお金出すの!」



「ユーマ…わかった、受け取るね」



ユーマの意思を汲み取り、セレーナはギルドでお金を引き出し当面の物を買い込んだ。



「ふんふふふん♪」



そして買い物を終えたユーマ達は村に戻るためゆっくりと戻っていた。



「あ!村だ~…あれ?」



「どうしたんですの?」



「村が…燃えてる…シャウ!急いで!」



するとユーマは村の異変に気付きシャウと一緒に先行した。



「ユーマ!待ちなさい!」



セレーナ達も慌てて追い掛け始めた。



「家が燃えてる…ッ!水よ!降り注ぐ恵みとなれ!レイン!」



ざー



ユーマは魔法で村に雨を降らした。



「お婆ちゃん!」



ユーマは急いで老婆を探し始めた。



「あ!お婆ちゃん!」



「坊や!?何で戻って来たんだい!?」



「何があったの!?」



ユーマは老婆を見付けると一目散に駆け寄った。



「盗賊じゃよ…」



「ッ!やめぬか!」



「盗賊?もしかして置いてった食料が盗られちゃったの!?」



ユーマは近くに居たお爺さんに近寄った。



「そうじゃよ!食料は全部持ってかれるは休める場所すらなくされたわ!」



お爺さんは自棄になったように叫んだ。



「…どっちに行ったの…盗賊は…」



「アッチじゃよ…」



お爺さんが指差すと…



「わかった!」



「待ちなさい!」



老婆が止めるが遅くユーマはシャウと一緒に駆け出した。



「ユーマ!?」



セレーナ達が辿り着いたがユーマはその場を離れつつあった。



「坊やを追い掛けておくれ!坊やは一人で盗賊の下に向かったんじゃ!」



「まずい!ユーマ!」



「セレーナ!?」



セレーナが駆け出すとアキナ達も追い掛けた。



「…見えた!シャウ!そのまま急いで!」



「がぅ!」



「…天より降り注ぐは断罪の光!放つは審判の一撃!ジャッジメント!」



ピシャーン‼



ユーマが魔法を詠唱すると不意討ちで盗賊達に魔法を放った。



「て、敵襲!」



「魔法使いだ!?逃げろ~!」



「冗談じゃね~‼」



盗賊達はユーマの魔法で大混乱に陥った。



「逃がさないもん!魔法の鎖よ!彼の者達を捕らえよ!マジカルチェーン!」



ジャラジャラ



ユーマは逃げようとした盗賊達を魔法で拘束した。



「何でお婆ちゃん達をイジメたの?」



「ガキ!?このクソガキ!放しやがれ!」



「マジカルチェーン…」



ギシッ



ユーマは質問に答えない盗賊を締め上げた。



「ギャッ~‼」



「ねぇ、教えて?お婆ちゃん達を何でイジメたの?」



「老い先短い連中に食料なんて必要ないだろ!わかったら放せ!」



盗賊の答えにユーマは…



「そう…だったら盗賊の人には生きる価値はないよね?」



「お、おい?」



ユーマの目は虚ろで、盗賊達を蔑んで見ていた。



「…地獄の業火よ…罪深き者達を焼き尽くせ…断罪の炎…ヘル…」



「そこまでよ!」



「むが!?」



ユーマが魔法の詠唱をしているとセレーナ達が現れて、セレーナはユーマの詠唱を手で塞いだ。



「殺しちゃ駄目よ‼」



「むが!?むがが!」



「そうね…悪い人達だけどユーマが人殺ししたらお婆ちゃんが悲しむよ…」



セレーナはユーマを説得しようと努力していた。



「むぐ…」



ユーマはセレーナの言葉に段々と落ち着きを取り戻した。



「コイツらどうする?」



「ギルドに引き渡ししましょう。懸賞とか出るかも知れないし」



「わかった。オチビ、ワイヤー出してくれ」



ユーマはポーチからワイヤーを出すとアキナに渡し、アキナは盗賊達を縛り上げた。



「アタシとセリーでコイツらを町まで連れてくよ」



「わかった、気を付けてね」



アキナとセリーは盗賊達を町まで連行していった。



「お姉ちゃん…」



「落ち着いた?」



「うん…」



ユーマは落ち着いた様子でセレーナと話始めた。



「許せなかったんだよね」



「うん…」



「でも殺しちゃ駄目よ。ユーマにはそんなことさせられないからね」



セレーナはユーマに言い聞かせるとユーマもわかったのかそれ以上は何も語らなかった。



「戻ろうか?」



「うん…」



ユーマはセレーナに手を引かれて村に戻った。



「坊や!無事かい!?」



「うん…」



ユーマが村に戻るとお婆さんに迎えられた。



「アタシ等の為に無理しないでおくれ…頼むよ」



お婆さんはユーマが無事に帰って来たことに涙を流した。



「心配かけてごめんなさい」



「ええんじゃよ。坊やが無事に戻ってきてくれれば」



「さて!ごはんにしようか!エリシア、ユーマも手伝ってね!」



セレーナは暗い雰囲気を振り払い、食事の準備をユーマとエリシアと一緒に始めた。








「出来たよ~‼」



料理が出来るとユーマは老婆達に声をかけて歩き回り、お年寄り達もぞろぞろと炊き出しの前に集まって来た。



「そうだ、チュウ太~。ネズミさん達を出してくれる?」



『ガッテン!』



ユーマが頼むとチュウ太はネズミ達、総勢100匹を出した。



「ねぇネズミさん」



『チュウ?』



ネズミ達が一斉に首を傾げてユーマを見詰めた。



「お家直せる?」



『チュウ!?チュウ…』



ネズミ達は何やら相談を始めた。



『チュウ!』



少しの間相談が行われてネズミ達は胸を叩き出来るとアピールした。



「お~!できる~!おねがいしていい?」



『チュウ!』



ネズミ達は各場所に散らばり修繕を始めた。



「よし!ボクも!」



ユーマも何かを始めて作業を進めた。



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