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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
59/120

59話


「すぅ…」



「よく眠っていますね」



沢山食べたからかユーマは眠ってしまい、ネズミ達がユーマを囲んで守るように待機していた。



「チュウ太、悪いんだけど一仕事頼める?」



『へい、何でしょう!』



「食べられそうな動物、魔物を探して欲しいの」



するとセレーナがチュウ太に探索を頼んできた。



『ガッテン!野郎共!行くぞ!』



ネズミ達は森に駆けていった。



「番は誰がする?」



「アタシが残るよ」



「そうね。エリシアは鍛えなきゃいけないから行くのは確定だし」



残りたそうなエリシアだったが、鍛えると言われた以上行くしかなかった。








チュンチュン



「ユーマ、朝だよ」



「んみゅ…おきう…」



そして次の日の朝、ユーマが起きると…



「あれ?どうしたの、これ?」



イノシシのような魔物が二匹血抜きされて置かれていた。



「お肉が少し足りないから補充の為に狩ってきたの」



「そっか~」



本当はチュウ太達の餌の分だがセレーナはあえて言わなかった。



『大将、電話のチャージが終わってるんじゃないか?』



「あ、ホントだ~」



ユーマは側に置いてあった電話を手に持って確認していた。



『嬢ちゃん達もいいかい?この電話の使い方だけど…』



クリエイトハンマーによる電話の使い方の説明が小一時間ほど続いた。



「でも不思議ね。こんな小さな物で遠くの人と話せるなんて」



「試す~」



ピッピッと番号を押すとセレーナの電話が鳴った。



「はい、もしもし?」



「(お~!お姉ちゃんの声が聞こえる~♪)」



ユーマはどんどん離れていき…



「(あのね、お姉ちゃん?)」



「ん?どうしたの?」



「(お姉ちゃん、前から聞きたい事があったの)」



何やら深刻な声で訊ねてきた。



「どうしたの?」



「(お姉ちゃん…太った?)」



ピキ!



「ユーマー!」



セレーナの怒鳴り声を聞いてユーマは逃げ出した。



「シャウ!」



「が、がぅ?」



「今すぐユーマを捕まえてきなさい!」



シャウはセレーナの剣幕に逆らえずユーマを捕まえに向かった。






「がふぅ」



「シャウの裏切り者…」



シャウにくわえられてユーマは連行されてきた。



「さてユーマ?言い残す事はある?」



「うぅ…ちょっと気になっただけなのに…」



「全く…私の何処が太ったって言うのよ」



セレーナが怒っていると意外な言葉が返ってきた。



「えー?太ったよ?お姉ちゃんに抱っこされるとお胸が前よりフカフカだよ?」



「ユーマ?それ本当?嘘だとオヤツなしにするよ?」



「ほ、本当だよ?お姉ちゃんに抱っこされると感触が違うもん」



ユーマの答えにセレーナは…



「ユーマ?今度新しい町に着いたら好きなオヤツ買ってあげるからね?」



「ホント!?わーい♪」



何やら自己満足して解決した。



「さて、それじゃあそろそろ行きましょう」



セレーナが荷物を担ぐとアキナ達も荷物を担ぎ馬に乗った。



「しゅっぱーつ!」



ユーマもシャウに乗ると先頭になり旅路を進んだ。



「む~…」



『大将、熱心だな』



ユーマは旅路の中、退屈をしのぎに電話を弄っていた。



「む~…あれ?」



『どうした主よ?』



マジカルガンナーが問いかけるとユーマは…



「今、誰かにテレパシーを送られた」



『ふむ、しかし周りには誰も居らぬよ?』



「う~ん」



ユーマは気になりつつ電話を弄っていると…



『(たすけて)』



「!シャウ!ストップ!」



ユーマはシャウから降りると地面に手の平を当てた。



「オチビ?」



「静かに。あれはユーマが本気で探索してる状態なの」



セレーナがぼそりと教えてくれた。



「…こっち!」



「ユーマ!シャウ、追いなさい!」



「がぅ!」



ユーマが走り出すとシャウが追いかけてセレーナ達も後を追いかけた。



「ここ!」



「がぅ?」



「ユーマ君、どうしたんですか?」



ユーマが立ち止まるとセレーナ達も追い付いた。



「この下から助けてって」



「この下って地面ですわよ?」



「深さは…うん、いける!みんな離れててね!」



ユーマは杖を出すと…



「大地よ!汝の怒りを天に示せ!ガイアクラッシャー!」



ズドン!



ユーマが魔法を発動させると地面が抉れた。



「あぶな!?」



更に空から吹き飛ばされた地面の土が降り注いできた。



「えっと…この辺なんだけどな~」



『こっちです!』



「お~!君が僕を呼んだの~?」



ユーマが近付くと剣の様なものが地面に出ていた。



『そうです!助けてください』



「待っててね~…」



ユーマが地面を掘るとシャウも手伝い瞬く間に掘り起こした。



「お~!おっきな剣!」



『ブレイドカノンではないか。なぜ君がこんな所に?』



「友達~?」



ユーマはマジカルガンナーを取り出した。



『マジカルガンナー!?お久しぶりです!いやー大変なのなんのって。数百年前に主を見付けたんですけどね?捨てられちゃってもう!嵐で砂を被るしどんどん埋まってくしはで大変だったんですよ!誰も素質のある人は通らないから見付けて貰えないしはでもう!』



「ほぇ~…沢山喋るね」



『その子がマジカルガンナーを持ってるってことは素質がある子なんですね!そうなんですね!さぁ!私に触れてください!さぁ早く!』



何とも良く喋る魔導機だと思う一同だった。



「よいしょっと!」



ユーマは軽量化の魔法を発動させるとブレイドカノンを持ち上げた。



『やっぱり素質があったんですね!さぁ旅に出ましょう!私は役に立ちますよ!剣なり盾なり砲撃なりと!』



「取り合えず移動しましょう」



「はーい」



ユーマはブレイドカノンを担ぐと歩き出しシャウも後ろを追いかけてきた。



「それでマジカルガンナー?この魔導機は何?良く喋るのは分かったけど」



『まぁ見た目通りの剣なのだが』



『私ですか?私ですね!ご説明しましょう!私は広域殲滅型マジカルブレイド!何と変型機能が三つもあるんですよ!』



聞き慣れない単語にユーマが興味津々になってきた。



「へんけい?ってなに~?」



『マスター、カノンモードと叫んでください』



「カノンモード!」



カシャン!



ユーマが叫ぶと刀身が左右に開き、持ち手が下側に降りた。



「お~!?マジカルガンナーっぽくなった~!」



『えっへん!これが広域殲滅形体!カノンモードです!』



「次は~?」



ユーマが興味津々で次を期待してきた。



『次は、バードモードと叫んでください』



「お~!バードモード!」



カシャン!



更にユーマが叫ぶと更に刀身が開き反対に回転し翼に、折れた柄は左右に開き足になり、開いた刀身の根元から鳥の頭部の出てきた。



『どうです!これが自立行動型、バードモードです!可愛いでしょ!格好いいでしょ!綺麗でしょ!』



自画自賛にも程がある程自慢してきた。



「お~!」



ユーマのテンションがうなぎ登りだった。



「なぁ?最初からその姿になれば自力で脱出出来たんじゃ…」



『それがですね~…私はマスターの命令がないと変型出来ないですよ!』



「なるほどね。じゃあもう一つ、なんで捨てられたの?」



セレーナがブレイドカノンに問うと…



『酷いんですよ!私の事をうるさいってだけで捨てるんですよ!酷いと思いません!?思いますよね!?乙女に対する仕打ちじゃないですよ!お陰でこっちは何百年も土のなかですよ!』



「あ~…わからないでもないかも…」



『そんな!?マスター?捨てないですよね?ね?ね?』



納得されてしまいもう一度土の中へ逆戻りの可能性が出てきてしまった。



「お姉ちゃん、どうする?」



「持って歩けないでしょ?」



『自分で飛びますから!』



捨てられるのが嫌なのか自分で飛ぶと言い出してきた。



「まぁここで見捨てるのも…ね」



「いいって~」



『感謝です!』



バードモードのブレイドカノンは嬉しさのあまりセレーナ達の周りを飛び回った。



「取り合えず行きましょう」



「シャウ~」



「がぅ」



ユーマはブレイドカノンが自分で飛ぶとシャウに乗り歩を進めた。


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