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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
58/120

58話



「いい天気だね~」



「ご主人様、気持ち良さそうですね?」



「うん!ぽかぽか~♪」



日差しも良くゆらゆらと振動でユーマは…



「眠い~…」



睡魔と戦っていた。



「でしたら、どうぞ」



エリシアはユーマを抱っこして眠りやすいようにした。



「エリシア?あまり甘やかさないでね」



「おやすみ~…」



ユーマはエリシアに代わってそう答えて眠った。



「ふふ♪可愛いですわね?」



「まだ小さい子ですからね」



何だかんだ言いながらも甘いセレーナであった。



「クリエイトハンマー?次に会う魔導機ってどんな奴なんだ?」



『オレと相性が悪いとだけ答えとくぜ』



「そんなに嫌なんですか?」



セリーが質問してみるがクリエイトハンマーは答えなかった。



「んみゅ…」



「ユーマ君?」



暫く馬で歩き続けているとユーマが目を覚ました。



「起きた?」



「お姉ちゃん…何か変な感じがする」



ユーマが呟くと皆が馬を止めた。



「何か感じたの?」



「うん…あっち」



ユーマは山の方を指差した。



「魔物?」



「ううん。万能折り紙みたいな感覚」



『ちょっと待ってくれ大将。あの辺は確か…』



するとクリエイトハンマーが何かを思い出そうとしていた。



「知ってるの~?」



『確かあの辺は商業区…商いが盛んな町があったはずたぜ』



「どうします、セレーナさん?」



エリシアが訪ねるとセレーナは少し考えてから答えた。



「行ってみましょうか。急ぐ旅でもないし」



「お~!シャウ~、あっち~!」



「がぅ♪」



シャウは自分の背中にユーマが戻ってきたのでご機嫌になり喜んでユーマの指示に従った。



「癒されますわ~♪」



段々とエリシアがショタ属性になってるがあえて触れないようにするセレーナ達だった。



「すすめ~!」



「がぅ♪」



ユーマとシャウを先頭に山道を登っていると…



「ご主人様、洞窟が見えますよ?」



「ホントだ~。えっと…うん!反応もあそこからだ!」



ユーマが魔法を使い反応を確認した。



「なら、行ってみましょう」



セレーナを先頭に洞窟に入り進んで行った。



「何もないですね」



「何て事もない洞窟だよな」



「ユーマ君?ここであってるのですか?」



エリシアが訪ねるとユーマは当然とばかりに…



「うん、段々近くなってるよ」



近付いていることを伝えた。



「ありゃ?行き止まりだ」



暫く歩いていたら行き止まりに当たった。



「分かれ道も無し、反応はこの先…ユーマ」



「はーい」



ユーマはポカポカと壁を叩いて調べ始めた。



ガコン



ゴゴゴゴ…



「開いた~」



石の壁が両サイドに開いた。



「何か倉庫みたいですね」



『大将、役に立つ物でも探すかい?』



「お~♪探す~」



ユーマは沢山置かれてる木箱を漁り始めた。



「皆さん、手伝わないのですか?」



「魔導機に関してはユーマ達に任せた方がいいのよ。私達じゃ使えるか使えないか判断出来ないからね」



エリシアの質問にセレーナが答えてると…



『お!大将。その四角い奴を取ってくれるか?』



「これ~?」



『壊れていなそうだな。大将、これは使えるぞ』



クリエイトハンマーが何かを見付けた。



「なにこれ~?」



『これか?これは電話って物だぜ』



「でんわ~?」



クリエイトハンマーが物の説明を始めた。



『そうだぜ。これは離れた相手に話しかける物なんだぜ』



「テレパシーがあるよ~?」



『甘いぜ大将。こいつの凄いところは魔法が使えない奴でも使えるのが利点なんだ』



クリエイトハンマーの説明にセレーナ達が食いついた。



「それは私達でも使えるって事?」



『おう。ただ難点は魔法を使える奴が魔法をチャージしないといけないんだけどな』



「なるほどね、でも使えるわね」



するとユーマは他にも電話がないか漁り始めた。



「お~!一杯ある~!」



「そんなにいる?」



ユーマは何十個も取り出した。



「他にも何かないかな~?」



ユーマは他にも使えそうな物がないかガサゴソと木箱を漁り始めた。



「これは~?」



『そいつは魔法の蛇口だな』



「じゃぐち~?」



ユーマの問いにクリエイトハンマーは自慢気に語り出した。



『そいつを地面に刺してみな大将』



「こう~?」



ユーマは言われた通り地面に刺した。



『それで上のハンドルを回してみな』



ジャバジャバジャバ



「お~!お水が出た~!」



ユーマはハンドルを回して水が出るのを確認すると止めた。



「これは便利ね。ユーマ」



「しまっとくね~」



ユーマは蛇口を地面から抜くとポーチにスルスルとしまった。



「他にもないかな~?お!」



するとユーマがまた何かを見付けた。



「これなに~?」



『こいつは…爆発針だな』



「名前が物騒ですね」



セリーの問い掛けにクリエイトハンマーは…



『こいつは何かに刺さると爆発する針なんだよ。ただ魔力を込めとかないとただの針だけどな』



「投げ針みたいね。誰が持つ?」



「セリーがいいんじゃないか?矢に近いし」



アキナの意見によりセリーが持つことになった。



「あとは~?なにこれ?細いロープ?」



『そいつはマジカルワイヤーだ、大将』



「わいや~?」



ユーマがわからないでいるのでクリエイトハンマーは得意気になってきた。



『こいつは切っても切っても再生するワイヤーなんだ。だから使い捨てにもってこいなんだ。例えば賊とかを捕縛するとかな』



「有って損じゃないわね」



「しまっとく~」



ユーマはワイヤーもポーチにしまった。



「他に使えそうなのは~…ないね。あとは壊れてるのばかりだ」



あらかた漁り終えたユーマだった。



「なら、出ましょう」



ユーマ達が部屋を出ると扉が閉まりそれを見届けたユーマ達は洞窟から出た。



「ありゃ、もう日が傾いてるな」



「ホントだ~」



アキナが洞窟を出ると空を見上げ夕方を過ぎており日が沈みかけていた。



「なら、ここで今日は休みましょう」



『でしたら姐さん、アッシ等は枝とかを拾ってきやす』



「お願いするわ」



チュウ太が折り紙ネズミ達を従え枝を集めに向かった。



「ごはん~♪あれ?お姉ちゃん、干し肉が少ないよ?パンも」



「あ~。ユーマ、自分のリュックを取ってくれる?」



「はーい」



ユーマは自分のリュックを渡した。



「今日は何にする?」



「パンとスープでいいのでは?」



「そうしましょう」



食べるものを決めたセレーナは手際よく準備をしセリーとエリシアも手伝った。



『姐さん、戻りやした』



チュウ太が戻ると沢山のネズミ達が枝を抱えて並んでいた。



「どうしたの?そんなに枝を抱えて」



『姐さん?これから先自炊するなら薪が必要かと思いかき集めてきやした』



「あ~…そうだったわね。ありがとう、助かるわ」



ネズミ達が抱えていた枝を積み上げるとまた新しい枝を探しに向かった。



「よいしょ♪よいしょ♪」



積み上げられた枝をユーマはせっせとリュックにしまっていった。



「ユーマ~、ごはんだよ~」



「はーい」



ユーマは枝の収納を一度やめてセレーナの所に向かった。



「わ~♪スープだ~♪」



「沢山食べてくださいね」



「いただきまーす!」



ユーマが美味しそうに食べていると…



きゅるるるる~…



「ん~?」



音のした方を見るとチュウ太とネズミ達が羨ましそうに見ていた。



「…お!お腹空いてる?」



コクッ!



ネズミ達が一斉に頷いた。



「ちょっと待っててね~」



ユーマはポーチを漁ると大きな椀を出した。



「セリーさん」



「あら?おかわりですか?」



「えっとね…うん」



説明が難しかったので取り合えず頷くユーマだった。



「はい♪どうぞ」



「ありがとう♪」



ユーマはスープが沢山入ったお椀をネズミ達の所に持っていった。



「召し上がれ~」



ガツガツガツガツ!



ネズミ達は美味しそうに食べ始めた。



『うまいっすね~♪』



チュウ太も混じっていた。



「あー…チュウ太達の餌は考えてなかったわね」



「お姉ちゃん?」



「ごめんねチュウ太。アナタ達の事考えてなかったわ」



するとユーマが早く食べるのを不思議に思ったセレーナが様子を見に来て、ユーマがネズミ達にごはんをあげるのを見て反省していた。



『姐さん、気にしないでくだせ~。普通魔導機が食事をするとは思いやせんから』



「沢山作ってあるからね?おかわりしなさい」



『すいやせん。感謝しやす』



チュウ太が礼を言うと他のネズミ達も頭を下げた。



「ユーマも沢山食べなさい」



「はーい!」



ユーマもネズミ達と一緒にスープをおかわりして沢山食べた。



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