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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
56/120

56話



「進め~♪」



「ご主人様、ご機嫌ですね?」



「うん♪」



クリエイトハンマーを手に入れ新しい魔導機を求めてユーマ達は旅を再開してユーマは嬉しそうにシャウに乗っていた。



「和みますわ♪」



そんなユーマの様子を見ていたエリシアは和んでいた。



「あ、町だ~。お姉ちゃん?」



「どうする?」



「補給がてらよろうぜ」



アキナの言葉で町に寄ることに決まった。



「町だ~」



「まずは宿を決めましょう」



セレーナ達はまずは宿を決める事にして町の中を歩き始めた。



「ダメダメ、ウチは魔物はお断りだよ」



「む~!僕この町嫌い」



「まぁまぁユーマ君、落ち着いて。他を探して見ましょう」



しかしどの宿もシャウ…魔物に好印象が無いため断られ続け、ユーマは町に嫌気がさしていたがセリーに慰められていた。



「がぅ…」



「シャウは悪くないよ。悪いのはあの人達だもん」



「お、あそこはどうだ?」



今度はアキナが少し古ぼけた宿を見つけた。



「すいませーん」



「はいよ、泊まりかい?」



「そうなんですけど…この子も一緒にお願いしたいんですけど…」



セレーナが交渉するとユーマはシャウに抱き付き一緒にとアピールしていた。



「あぁ、ウチは構わないよ。他じゃ断られたろ?」



「そうなんです」



「さて、この人数だと…大部屋にするかい?その方が安いよ?」



女将は安めの部屋を教えてくれた。



「いくら位ですか?取り合えず七日間お願いしたいんですけど」



「この人数だから…銀貨三十枚だね」



「わかりました、お願いします」



セレーナ達は各々の分を出すと精算を済ませた。



「確かに。部屋はこの先の105を使ってくれるかい?」



「わかりました、ユーマ」



「はーい、シャウお手」



ユーマはシャウの手足を拭いて室内にいれた。



「しっかりした坊やだね」



「あぅ~!?」



頭を撫でられたユーマは戸惑っていた。



「さぁ、ゆっくり休んでおくれ」



セレーナ達は部屋に通され各々荷物を置くとくつろいだ。



「ふかふか~」



「しばらくはゆっくり休めそうね」



ユーマは部屋のベットにダイブすると感触を楽しんだ。



「さて、これからの予定を決めましょう」



「オヤツ~!」



「買わないわよ?」



ユーマが希望を出して見るが却下された。



「依頼でも受ける?」



『嬢ちゃん、ちょっといいかい?』



「ん?クリエイトハンマー?」



ユーマはコートの中からクリエイトハンマーを取りだしテーブルに置いた。



『ちょっと大将を借りたいんだけどよ』



「保護者同伴ね」



「どこか行くの~?」



ユーマはクリエイトハンマーに行き先を訊ねた。



『ちょっち自分の性能価値を調べたくてな』



「?わかんないけどわかった~」



「買い出しはセリーに任せていいかしら?」



セレーナはユーマに付いて行くことにしたのかセリーに買い出しを頼み始めた。



「わたくしもいきますわ」



「では、二人で行ってきますね」



「なら、アタシは荷物番だな」



各々の役割が決まり行動していった。



「お買いもの~♪お買いもの~♪」



「ほら、先に行かないの」



『大将、ご機嫌だな』



ユーマはセレーナと共に買い物に出かけると嬉しそうに先導していた。



「それでクリエイトハンマー?目的は何?」



『大将、頼みがあるんだけどよ。金属のインゴットを買ってはくれねぇか?』



「いいよ~…インゴットって何?」



「金属の塊みたいなものよ」



ユーマの質問にセレーナは簡単に答えた。



「それで?そんなの買って何に使うの?」



『剣を打って武器屋に売って価値を知りたいんだよ。今のオレにはこの時代の価値はわからねぇからな』



「やり過ぎないでよ?」



セレーナは注意だけは忘れなかった。



「こんにちは~♪」



ユーマは金属を加工してる店に迷いなく入った。



「いらっしゃいませ、何をお求めですか?」



「鉄のインゴットを…五キロ位で」



「かしこまりました。少々お待ちください」



店員は奥に引っ込むと商品を取りにいった。



「ふぇ~…一杯あるね~」



「ユーマはこういうお店は初めてだものね」



「お待たせしました、こちらになります」



ユーマが商品の棚を見ている間に店員がインゴットを持って戻ってきた。



「いくらかしら?」



「銀貨二十枚になります」



「なら、これで」



セレーナは銀貨二十枚を盆に乗せた。



「…確かに。では、こちらをどうぞ」



店員は商品を包みセレーナに手渡した。



「オヤツ~!」



「買わないわよ。さて一度宿に戻りましょう」



「ブーブー」



ユーマはオヤツを買えないのでふてくされた。



「お!お帰り」



「ただいま~♪」



宿に戻るとアキナに出迎えられユーマは嬉しそうに返事をした。



「セリー達は?」



「まだ戻ってきてないよ」



『嬢ちゃん、早く試させてくれよ』



するとクリエイトハンマーはせっかちなのか自分の性能を試したくてうずうずしていた。



「はいはい」



セレーナはユーマが叩きやすいように床にインゴットを置いた。



『大将、剣を考えて叩いてくれるか?』



「わかった~」



ユーマはクリエイトハンマーでトントンとインゴットを叩いて…



「出来た~♪」



簡単に剣を完成させた。



「驚くのにも疲れたわ」



『大将、売りに行こうぜ』



「なら、アタシが今度は付いて行くよ」



アキナが立ち上がり部屋のドアを開けた。



「お姉ちゃん、いってきま~す」



「気をつけてね」



「ほら、オチビ。その剣を貸しな」



アキナは布に包まれた剣を抱えて部屋を出ると、ユーマも後を追いかけた。



「お出かけだ~♪」



「武器屋は…あそこか。オチビ~、こっちだぞー」



「はーい」



アキナに呼ばれてユーマは駆け足でアキナを通り越すと武器屋にそのまま入っていった。



「ちわ~」



「いらっしゃい、買いかい?手入れかい?」



「いや、売りだよ」



アキナは剣をカウンターに置いた。



「どれどれ」



店主は布を取ると剣を眺め始めた。すると表情がだんだん険しくなっていた。



「嬢ちゃん、この剣をどこで手に入れたんだ?」



「知り合いが打ってくれたもんだよ。だけどアタシは格闘家だから剣を使わないんだよ。そしたら金の足しにしなって言われてな」



「…やめときな。大切に保管しとけ」



店主は剣をアキナに返した。




「金にならないか?」



「出来るか出来ないかでは出来る。けどな?そんな出来のいい剣を手放すのは勿体ない」



「そっか、無理言って悪かったな。オチビ、行くぞ」



アキナは剣を抱えてユーマと一緒に宿に戻った。



「ただいま~♪」



「お帰り」



ユーマは宿の部屋に入るとセレーナに向かった。



「どうだった?」



「あぁ、結果としては出来が良すぎて買い取れないってさ」



「ハァ、クリエイトハンマー?何をしたの?」



セレーナはユーマのコートに向かって話しかけた。



『オレは普通の剣を作っただけだぜ?まぁオレの作られた時代のレベルだけどよ』



「って事は昔の方が技術は上って事ね」



セレーナは納得すると剣を取り…



「後はこれをどうするかね?」



剣を眺めながら悩んだ。



「セレーナが使ったらどうだ?」



「それでもいいんだけどね。ただ使える物を捨てるのもちょっとね」



「しまっとく~」



するとユーマはポーチに剣先を入れるとするすると収納した。



「お願いね」



「便利だな…魔導機って」



「ホントにそう思うわ」



そんな風に話していると…



「ただいま戻りました」



「セリーさんだ~、おかえりなさい」



「あら?ユーマ君、わたくしもいますわよ?」



セリーとエリシアが戻ってきがエリシアは自分が呼んでもらえないのにちょっと拗ねた。



「エリシアさんもおかえりなさい♪」



「はいですわ♪」



「がぅ~…」



すると今度はシャウがイジケた。



「シャウ~♪」



「がぅ♪」



するとユーマはシャウに抱き着き、シャウはユーマにじゃれ始めた。



「買い出しはどうだった?」



「沢山買えましたわ。お野菜にお肉に魚と」



「全部日持ち…あぁ、ユーマのリュックが使えるからね」



日持ちしない物を買ってきたセリー達だがセレーナはすぐにユーマの折り紙リュックの存在を思い出した。



「今のうちに詰めておきましょう」



セレーナはユーマのリュックを開けると食材を手早く詰め込んだ。



「重さは…大丈夫ね」



「なら、飯にしようぜ?腹ペコだ」



「ごはーん♪」



ご飯と聞くとユーマとシャウが近付いてきた。



「食堂に行きましょう」



セレーナ達は食堂に向かい、食事を済まて休んだ。

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